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2015年公示地価を解説 都心部はマンションが牽引
2015年4月28日
全国平均で商業地がマイナスを脱するも、 大都市の上昇傾向に足踏み感
2015年1月1日時点の「公示地価」が3月下旬に国土交通省から発表されました。全国平均では、商業地の変動率がプラス0.0%(0.05%未満のプラス)となり7年ぶりに下落傾向から脱しました。「商業地をマンション適地として取引する動きが見られたために値上がりした」という前回同様の指摘とともに、今回はオフィス賃料の値上がりや空室率の低下など、本来の商業地としての価値が上がった面も上昇要因に挙げられています。
住宅地については、全国平均の変動率はマイナス0.4%でした。三大都市圏平均では商業地はプラス1.8%、住宅地がプラス0.4%で、前年と比べて大きな変化はありません。
前回(2014年)の公示地価では三大都市圏平均で6年ぶりに住宅地が上昇に転じ、右肩上がりになると期待されていました。しかし、今回の結果ではそれほど上昇率が伸びず、足踏み感が出ています。これは、最近の取引状況に近いと感じます。
もともと、地価公示は取引の「今」を反映するのが苦手な面がありました。調査時点の1月1日から結果が公表されるまでに3カ月弱の期間があるうえに、1年間の変化を表しているため、どうしても実勢価格との「ズレ」が生じてしまうのです。不動産市場が大きく動いている時には、発表時点では値上がり基調にあるのに、地価公示の変動率はマイナスを示す、またはその逆ということも珍しくありませんでした。
しかし今回は、実勢価格相場の動きと比べても、それほど大きなズレは感じません。当社が3カ月に一度行っている「中古マンション・住宅地地価調査」でも、今年1月1日時点のデータで都区部における取引に足踏み感が現れていました。
「地方中枢都市」は三大都市圏や東京都心より過熱しているか?
今回の地価公示では、従来にない要素も含まれています。これまで、圏域別の変動率を表す時は、三大都市圏と地方圏という分類でした。今回は、地方圏のうち「札幌市・仙台市・広島市・福岡市」の4市を抽出した「地方中枢都市」というカテゴリーを設けて、「その他」の地方とは分類して記載しているのです。
この分類でいくと、地方中枢都市の住宅地の変動率が1.5%となり、東京圏を含む三大都市圏よりも高くなっています(図1参照)。
この結果だけを見ると、東京より地方都市のほうが活況に映るでしょう。現政権が「地方創生」「東京一極集中の是正」を政策課題のひとつに掲げているため、地方の活況をアナウンスしたいという政策意図があるのかもしれません。
ただ、これらの地方中枢都市の上昇は、あくまでも市街地再開発や大型の新築ビル開業などの影響を反映しています。開発とその周辺という「点」の上昇にとどまり、それぞれの地方の都市全体が「面」として底上げされたという要因は、あまり見られません。
一方、東京都心部については、もともと業務・商業機能の面的な集積や職住近接の魅力を持っていることに対する根強い需要がある上に、新駅開業や再開発、東京五輪に向けたインフラ開発などが加わり、上昇傾向が加速しています。
この違いは、各エリアの中心となる市区のデータを見るとよくわかります(図2参照)。特に、住宅地については、地方中枢都市の中心市街地よりも東京都心3区の上昇率が目立って高くなっています。地価公示では6%台の控えめな上昇ですが、実勢価格相場では2桁アップも珍しくありません。地方と東京都心との差がより鮮明になっているといえるでしょう。
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