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中古マンションの売買には「検査・保証」が当たり前?
2015年7月15日
中古住宅の検索サイトで、「保証サービス対象」「保証可能」「保証付き物件」といったキーワードが目につくようになってきました。共通する「保証」とは、この場合、中古住宅に対するアフターサービスの一種です。
このサービスは、物件を売り出す前に建物や住宅設備の検査をした上で、引き渡した後に建物や住宅設備に不具合が起きた場合に、無償で補修することを保証す る仕組みです。対象となる期間や範囲は各社で異なりますが、最近では、ある程度の規模の仲介会社であれば、多くの会社が何らかの保証サービスを提供してい ます。サービス内容については、「中古マンション購入の不安を解消!新保証制度」をご覧ください。今回は、最近の変化について中心に解説していきます。またここでは、これらのサービスの総称として「検査・保証サービス」と呼ぶことにします。
保証サービスの効果が現れ、売主・買主の双方にメリット
検査・保証サービスは、2012年後半頃から現れ始めました。当初は大手不動産仲介会社が中心でしたが、その後、他の中堅会社も追随し、続々と同種のサー ビスを採り入れる動きが広がりました。この2~3年でひとつのジャンルとして確立するほど、検査・保証サービスが定着しつつあるといえるでしょう。
大手中堅の仲介会社の多くがこのサービスを扱うようになったのは、お客様からのニーズが高いことは言うまでもなく、売主と買主の間のトラブルを防止する効果が高いことがわかってきたからです。
野村不動産アーバンネットでは、2012年に『ホンキの補修保証』としてサービスを開始しました。同年12月以降に、この「ホンキの補修保証」のサービス対象となった物件のうち、マンションの約15%で引き渡し後1年以内に補修が行われました。この数字には、検査時(売買契約前)に見つかった不具合については補修を済ませた物件も含まれています。事前の検査と補修をしても、およそ6件に1件は引き渡し後1年以内に何らかの故障・不具合が発生していたことになります。
住宅設備の不具合は、引き渡し後7日以内は売主の責任というのが一般的です。そのため、このサービスが登場するまでは買主が補修費を自己負担するケースが多かったといえます。実務の現場では、引き渡し後8日目、9日目などに故障が起きる(見つかる)ケースもあります。
「購入したばかりで、昨日までなら売主の負担なのに、たった1日か2日違いで自分で補修しないといけないのか。」と腹を立てる買主もいらっしゃいます。連絡を受けた仲介会社の営業担当者は売主に相談しますが、話がこじれてトラブルになることも少なくありません。
「ホンキの補修保証」を導入して以降、こうしたクレームやトラブルはほとんどなくなりました。売主は余計なトラブルから解放され、買主からは「不具合があっても電話1本かければ直しにきてくれるので、保証付きのマンションを買っておいてよかった」といった声が寄せられています。安心して中古マンションの売買ができるようになったという点では、このサービスの成果は大きく、不動産仲介の歴史を変えるほどの意義があったといえるでしょう。
検査対象の半数以上で「補修が必要」の結果。
検査の重要性がクローズアップ
多くの検査・保証サービスでは、検査した時点で故障や不具合が発見された部分は保証の対象外となります。しかし、野村不動産アーバンネットの「ホンキの補修保証」サービスでは、検査時点で見つかった不具合についても、一定金額分までは補修し、その部分も保証対象としています。実は、この「補修」を採り入れたことによって、意外な事実も判明しました。
当社がこの2年半の間に実施した検査のうち、なんと54%に補修が必要という調査結果が出たのです。マンションの住宅設備に限ると、補修実施率は60%に達します。一見すると問題なさそうでも、設備点検の専門家がチェックすると、「標準的なレベルよりも機能が低い」「間もなく故障するおそれがある」「早めに直しておいたほうがいい」といった判断が、かなりの割合で発生していることがわかりました。
もちろん以前から、不動産仲介会社の営業担当者は売却の依頼を受けた段階で売主に現状確認のヒアリングをして、附帯設備リストに故障の有無を記載し、買主に告知していました。
しかし、長年その部屋で生活している売主にとっては、不具合と気づけないものもあります。浴室のシャワーの出が少し弱い、リビングのドアの建付けが悪いな ど、慣れてしまうと不具合かどうかはわからないものです。そのため、営業担当者による現状確認のヒアリングの際に故障箇所として告知しないのです。営業担 当者としては、売主の言葉を信じるしかありません。
ところが、買主の感覚としては、スムーズに使えなければ「壊れている」と受け取るでしょう。また、特定の時期にしか必要でない設備は、症状が悪化してしまうケースもあります。春に引き渡して夏になってエアコンの冷房が効かない、秋に引き渡して冬に暖房が機能しないということもあります。「機能が落ちているとは聞いたが、これほど酷いとは思わなかった。売主の負担で直してほしい」というクレームに結びつきます。
これに対して、建築や設備のプロの目でフィルターにかけることによって、客観的に設備の状態を把握し、トラブルの芽を未然に摘むことができるわけです。中古住宅の取引にあたって、第三者機関による「検査」の重要性が改めて浮き彫りになったといえるでしょう。
また、不具合や故障を直してから売り出すことによって、「検査補修済み・保証付き」の物件を購入できるという安心感があります。加えて、住まいとしてきちんと機能する状態で引き渡されるため、引っ越してすぐに快適な生活をスタートでき、買主の満足度もより高まるでしょう。
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