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中古マンション最新トレンド

2015年10月価格調査から見える、マンション需要の変化

2015年11月 9日

中古マンション価格の値上がりの勢いがやや鈍化しているようです。物件特性やエリアによる違いも、より鮮明になってきました。2015年10月時点の実勢価格調査を基に不動産市場の最新動向を紹介します。

タワー以外の「○○アドレス」にも注目が集まる

「都心部といえばタワーマンション」というイメージが定着していますが、新しいニーズの兆しも表れています。以前、同じ都心の隣り合う物件でも、人気の高いタワーマンションと中高層のマンションでは、別々のマーケットのように価格相場が異なると書きました。基本的にその傾向は変わりませんが、特定のアドレスでは異なる動きが出ているのです。

たとえば、物件の所在地に「中央区銀座○丁目」と付く、いわゆる「銀座アドレス」のマンションが、じわじわ値上がりしています。もともと銀座アドレスはマンションの少ない地域で、著名なマンションは数棟しかありません。購入希望者が殺到するタワーマンションは価格が高くなり過ぎて手が出なくなってきた面もあり、それほど注目されていなかった、タワーでも大規模でもない物件にも目が向くようになってきたわけです。

ここでいう「○○アドレス」の「○○」は、全国的に、あるいは海外でも認知された著名な住所です。いわゆる「3A+1R」、つまり「麻布・赤坂・青山・六本木」などでしょう。

また、周辺エリアでも面白い動きが見つかりました。これまでは、最寄駅に近接して築年数が新しいことを意味する「駅近・築浅」が売れ筋物件のキーワードでしたが、最近は築20年以上の物件でも購入希望者が集まるマンションがあるのです。

たとえば、横浜市の築30年の物件は、広さを求める地元のファミリー層に人気があります。その理由は、周辺の新築マンションが坪200万円を超えるのに対して、坪100万円弱で購入できるからです。

「駅近」は必須ですが、それ以外の条件は価格との兼ね合いで妥協できるということでしょう。「都心のタワー」や「駅近・築浅」だけでなく、少し条件の異なる物件にも幅を広げて検討する、「回遊する」動きが出て来たのです。ある意味では、それが本来の中古マーケットの魅力でもあります。

土地から買って家を建てる動きが復活

土地についても、営業現場から新しい指摘が上がっています。マンション価格が上昇しているのに対して、土地・戸建ての価格は横ばいに近い状態が続いているため、マンションと一戸建ての価格差が縮小する傾向が強まっていることです。その結果、一時は下火になっていた「土地を買って注文建築で家を建てたい」というニーズが復活しています。ハウスメーカー経由で土地を探すお客さんも増えているようです。

一方で、土地を含む広い意味での「資産」という点でいうと、地方の富裕層が地元の土地を東京の不動産に組み替える動きは衰えていません。これは、相続税の節税効果が高い都心のタワーマンションに買いかえるというストレートな動機もありますが、もう一つ別の側面も考えられます。平成バブル以降、ほとんど浮上することなく地価が下がっている地方に資産を持ち続け、資産価値が目減りしていくことのリスクを避ける、つまり「資産防衛」という動機です。


図2.2015年基準地価[都道府県地価調査](ノムコム「中古マンション最新トレンド」)

図4は、2015年9月に発表された都道府県地価調査の結果です。春の公示地価と並ぶ公的な地価調査の一つで「基準地価」と 呼ばれています。三大都市圏ではここ数年プラスになっていますが、地方圏はマイナス傾向から脱していません。下落率は縮小しても、上昇に転じる兆しが見え ないのです。地方圏でも、札幌・仙台・福岡などの中枢都市は、東京と変わらない水準で上がっています。地方圏のなかでも格差が広がっているわけです。

こうした日本全体における構造的な変化が、「資産の移転」という地殻変動を起こしているといえるのではないでしょうか。不動産の価格相場の流れからは、さまざまな現象が垣間見られます。

編集協力:AllAbout

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