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2016年のマンション購入環境は?

2015年12月22日

2015年はインバウンドや富裕層が中古マンション市場に大きな影響を与えました。不動産業界を賑わし、揺るがした問題もありました。2015年を振りかえり、2016年の中古マンション購入環境がどうなるかを考えます。

2016年、中古マンションの価格上昇に歯止めがかかる?

さて、2016年の中古マンション市場はどうなるのでしょうか。
2015年後半から、新規売り出し件数や在庫が大幅に増加し始めました。都心部の中古マンション価格の上昇に過熱感があります。東京都内におけるレインズの月間新規登録件数は、2015年10月に過去最高の水準を記録し、在庫も、2006年以降2番目の水準に達しています。

特に都心3区については、新規登録件数、在庫件数ともに対前年のおよそ1.7倍に膨れ上がっています。成約件数も増えてはいますが、こちらは上昇率に弱まりが見られます(図3参照)。

同じく都心3区の成約単価を見ると、坪当たりでおよそ350万円に達しています。売り出し価格(レインズの新規登録価格)は平均坪400万円弱、坪400万円超という物件も少なくありません。リーマンショック前の都心ミニバブルをはるかに超え、一般消費者ではなかなか手が届かない水準まで達しています。

"インバウンド投資"もやや下火になり、また、行き過ぎた相続税対策に警鐘が鳴らされ始めています。こうした需要の弱まりもあって、都心マンションは価格調整に入る可能性もあるかもしれません。ただし、全てが値下がりするのではなく、高値を維持する物件と、周辺相場の勢いにつられた実力以上の値上がり分がはがれ落ちてくる物件、に分かれてくるのではないでしょうか。
ミドルエリアでは都心部ほど値上がりしていませんから、それほど大きな調整が入らず、安定した動きが続いて、優良物件はまだ値上がりする可能性もあります。

さらに、ここ数年、価格が上がっていなかった中古一戸建ての価格がじわじわと上がり始めています。マンション価格が大きく上がって、一戸建てとの価格差が縮まり、一戸建ての魅力が見直されているともいえるでしょう。ミドルエリアより外のエリアでは、一戸建てとの競合が考えられるマンションは苦戦するかもしれません。このほか、新築マンション市場との関係にも注意しておく必要があるでしょう。

いずれにしても、大幅な値上がり傾向には歯止めがかかり、落ち着いて物件を探せるようになる可能性があります。金利水準もしばらく低い状態が続くと思われますので、2016年のマイホーム購入環境は良好になりそうです。

「近居・同居」が家族のテーマを考えるキーワードに

市場動向とは別に2016年に注目されそうなのが「三世代/二世帯近居」です。
2015年10月に、第3次安倍内閣の国土交通大臣に就任した石井啓一大臣は「出生率の向上を図るために三世代の近居・同居を促進する政策の検討と実施に取り組む」という意向を表明しました。この記事を書いている2015年12月初旬の時点では具体的な施策は出ていませんが、子育て環境を整えるうえで、親と子夫婦の二世帯の「近居・同居」が有効であることを明確に示したわけです。

現在、所得税の配偶者控除は廃止する方向で見直されています(2016年度の税制改正では見送られる模様)。従来は配偶者控除を受けられる上限枠に抑えるために、パートの時間を抑える人も少なくありませんでしたが、これが廃止されれば、上限枠を気にすることなく仕事をするようになるでしょう。

そうなると世帯年収がアップしますから、住宅ローンの借り入れ能力が高まり、より質の高い住宅を取得することも可能になります。その代わり、共働きで父母が家にいない時間だけ、祖父母が孫の面倒を見るというスタイルが増えると思いますが、その場合に「近居・同居」が適しているかもしれません。女性の活躍を後押しすることにもつながることでしょう。

また、マイホームを取得する際に「住宅取得資金等贈与の特例」を使って親からの資金援助を受けるケースは珍しくありません。祖父母から孫への「教育資金一括贈与の特例」を活用する「教育資金贈与信託」の利用率も高いようです。遺産相続を見据えて、スムーズに財産を引き継げるように親子で準備する「家族信託」も注目されています。

住まい、教育、贈与、相続、信託など、さまざまな場面で親子が協力する機会は増えているのです。「近居・同居」が、こうしたテーマを解決に導くキーワードのひとつになる可能性を秘めています。今後、「近居・同居」を促進する政策がどうなるか楽しみです。2016年はあらためて「家族の絆」を考える年にもなっていくのかもしれません。



編集協力:AllAbout

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