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中古マンション最新トレンド
仲介会社を活用したマンションの賢い売り方
2016年1月26日
最近は、いろいろな商品の取引で、商品選びから、注文、支払い、商品到着まで、ネットで完結できるようになっています。不動産の売買でも、売主が自分でネットに物件を出して買主を見つければ、不動産仲介会社に頼む必要もないし、仲介手数料も節約できると思うかもしれません。実際、こうした考え方に沿ったサイトも登場しています。
では、不動産仲介会社は、本当にネットに取って代わられるような存在なのでしょうか。仲介会社がいなくても、安全でスムーズな取引ができるのでしょうか。中古マンションの仲介を担当する立場から、日々の業務を紹介しましょう。
売るための価格査定は「中を見る」
図1は、中古マンションの売却にあたって、仲介の営業担当者がどのような活動をするかをステップごとにまとめたものです。
最初は「物件の価格査定」です。ネットで複数の不動産会社へ売却価格の見積り(査定価格)を一括で依頼できるサービも多く、簡易査定なら遅くとも数日で結果が出ます。また、物件情報の膨大なデータベースとコンピュータによる解析に基づいて売却可能価格を推計、すぐに結果が分かるシステムもあります。昔に比べると、解析された推計価格も現実の取引相場にかなり近い水準が出るまでに進化しているようです。
ただし、これらはあくまでも「簡易査定」で、住戸内の個別の状況は反映されていません。「自宅のおおまかな資産価値を知りたい」「金融機関が担保評価の参考にする」といったケースで利用するのがよいでしょう。
しかし、実際に物件を売却するにあたっては不十分です。昨今では、「室内の状況」を踏まえた査定価格を出すことが重要視されているからです。
同じマンション内の同じ間取りの物件でも、すぐに売れるものと売れないものがあります。「買う気になるかどうか」は、玄関に入ってからの第一印象で決まる傾向にあり、査定にもそれを反映させる必要があるからです。
第一印象を左右するのは、室内の使用状況や内装の汚れ具合、におい、眺望、間取りや設備のリフォームの有無などです。加えて設備の作動状況・故障の有無などによって、不動産中古流通マーケットで売れる価格は変わってきます。
このような住戸内の状況によって、5~10%前後の差がつくことは珍しくありません。5%というと小さいように見えますが、5,000万円でも250万円です。こうした違いを踏まえて、精確な査定価格を出すには、営業担当者による現地調査が欠かせません。
売出価格の決定には、マーケットを熟知したプロのアドバイスが不可欠
次に、査定結果を基にして「売出価格」を決めます。最終的にいくらで売り出すかを決めるのは売主ですが、「売主の事情(売却に期限があるか)」と、そのマンションの「マーケット状況」をうまく織り込まなければなりません。
マーケットを熟知した営業担当者であれば、売主の希望や事情を汲みながら、最終的なゴールまでのストーリーを描いたうえで「チャレンジ価格」「現実的に売れる価格」「最悪のシナリオ」の三段構えで戦略を練ってアドバイスします。
たとえば、価格が上昇傾向にある時期なら、査定価格より高い金額でチャレンジしてみることはよくあります。ではどのくらい上乗せするべきか、その判断に欠かせないのが直近の成約状況です。成約価格は、一般の方は知りえない情報です。これらを正確に把握していれば、「5~6%くらい高く出しても今なら大丈夫」「せいぜい2~3%プラスに抑えたほうが賢明」と、状況に応じてアドバイスできます。
反対に、買いかえ先の決済期限が近づき、焦って弱気になってしまう売主もいます。こうした場合には、市況を見極めながら「査定価格通りで出しても大丈夫ですよ。最終的に価格交渉で1~2%譲歩すれば決まるでしょう」とアドバイスすることもあります。この見極めができるのは、同一マンション内や周辺にある類似物件の数、売出価格、問い合わせ状況、成約までの期間などを知り、現場の最前線で毎日活動している営業担当者だからです。
スケジュールに余裕があるなら、売り出しタイミングを見直す提案をすることもあります。大規模マンションでは、住みかえシーズンなどに20~30戸一斉に売り出されることも珍しくありません。そんな時期にぶつけて売り出すと厳しい戦いになりますので、他の競合物件ができるだけ少なくなるまで待つほうがいい結果につながることが多いのです。
このような判断で、実際に売れる価格が5~10%は簡単に上下します。仲介手数料を節約するために売主個人で孤軍奮闘しても、結果的に成約価格が5~10%安くなってしまうかもしれません。仲介担当者がつくことによって4~5%高く売れるなら、手数料の3%(プラス6万円)を支払うだけの価値はあるのではないでしょうか。
【関連サイト】
ノムコムのマンション売却・査定
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