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8年ぶり上昇の要因は? 2016年公示地価を解説

2016年4月22日

リーマンショック後、下落傾向が続いていた公示地価が、全国平均・全用途で上昇に転じました。外国人観光客の影響が、地価にも表れています。2016年の公示地価について、東京圏を中心に解説していきます。

訪日外国人の"爆買い"が商業地の地価を押し上げた

2016年3月22日に発表された、2016年1月1日時点の「公示地価」では、全国平均・全用途の変動率が0.1%となり、2008年のリーマンショック後8年ぶりに上昇に転じました。商業地は同0.9%と上昇に移行し、住宅地はマイナス0.2%ですが、下落幅は縮小しました。

前年(2015年)と比べて、三大都市圏では、住宅地は前回(2015年)並みですが、商業地では上昇幅が大きくなっています。なかでも大阪市中心6区の商業地が4.8%から10.9%と前年に比べ2倍以上の上昇率となっていることが目につきます。いわゆる"爆買い"の西の代表・心斎橋の商業地が45.1%も急騰し、全国トップの上昇率を記録したことが象徴的です。

もう一つの"爆買い"スポットである銀座でも、毎年のように最高価格を更新する「山野楽器銀座本店」が1m2当たり4,010万円(前年比18.6%上昇)を付け、バブル期を含めて過去最高となりました。「銀座エリアは店舗売上高の10%~15%を中国人を中心とする外国人観光客が占める」(「価格形成要因等の概要/東京都区部/商業地」の解説)といわれているように、訪日外国人客の旺盛な消費に後押しされ、店舗の売り上げが伸び、賃料上昇が地価を押し上げるという原理が働いています。

また、深刻なホテル不足に対応してホテル用地の獲得競争が激化していることも、地価上昇の主な要因です。数年前から「マンション用地の需要」による地価上昇が言われていますが、ホテル用地が商業地の地価を押し上げる主役に躍り出てきたといえるかもしれません。

前回から登場した「地方中枢都市」(三大都市圏を除く、札幌、仙台、広島、福岡の主要4都市)の分類を見ると、三大都市圏よりも上昇率が高水準です。全国平均で8年ぶりに上昇に転じたのも、この地方中枢都市の高い上昇率が寄与した結果といえます。ただ、「地方の中核都市が全国の地価を引っ張っている」とまでいえるかどうかは疑問です。地方都市で元気なのは、ごく一部の地点に限られているからです。


不動産営業の現場感覚に近い分析が印象的

今回の地価公示で印象的だったのは、従来の公的な評価にありがちな「固い分析」ではない、踏み込んだ表現が見られたことです。公表されたデータに添付されている「価格形成要因等の概要」の中から、いくつか引用してみましょう。

○東京都区部/住宅地
・赤坂・麻布、番町とその周辺の人気エリアで、プレミアムマンション市場が好調で、事業経営者などの国内富裕層や外国人富裕層が物件の希少性に惹かれて、価格に囚われずに購入している。

○埼玉県/住宅地
・マンションは、都心30km圏で大手が手掛けるものが大半で、5,000万円前後の「新価格」も見られる(浦和では3割程度高くなっている)。
・1970~80年代に団塊世代の大量流入を支えた団地やニュータウンで、高齢化率が40%を超えるなど所謂「オールドタウン化」が進行しており、下落率は周辺の住宅地に比べて大きくなっている。

○神奈川県/住宅地
・駅徒歩圏外や細分化が困難な丘陵地の分譲地では、需要が弱くマイナスへの振れ幅が大き(く)なっている。

○東京都多摩地区/住宅地
・容積率200%地区は、土地の細分化総額を抑えられることが価格の値崩れを防いでいる。

この「オールアバウト 中古マンション」内で、「住宅地・マンション価格の実勢価格調査」の分析でしばしば指摘してきた「土地の細分化ができないことで価格が弱含みになる」「細分化してグロス(総額)を抑えることで売れる」といった表現は、公的な分析としては珍しいでしょう。

また「プレミアムマンション」「新価格」「オールドタウン化」などは、不動産業界で使われている用語です。そのような意味では、不動産の営業現場の実感値に近く、納得しやすい説明になってきたという印象です。

編集協力:AllAbout

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