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8年ぶり上昇の要因は? 2016年公示地価を解説

2016年4月22日

リーマンショック後、下落傾向が続いていた公示地価が、全国平均・全用途で上昇に転じました。外国人観光客の影響が、地価にも表れています。2016年の公示地価について、東京圏を中心に解説していきます。

地方の地価動向を左右する「訪日外国人」の動き

ここ数年の傾向として「都心/郊外」「大都市/地方」という二極化、格差の拡大が強まっていることが、今回の地価公示でも示されています。さらに『同一市町内でも温度差があるのが近年の特徴』(埼玉県)という指摘もありました。

たとえば、同じ市内でも『駅に近く区画街路の整った人気の高い地域』はやや上昇、『駅徒歩圏でも区画街路の雑然とした既存地域』は横ばい、『バス便の傾斜の急な古い造成団地』は弱含み(すべて多摩地区)、というようにかなり具体的な分析も出ていました。「都心」や「駅」への「近接性」が地価上昇や安定のキーワードになっていることもより鮮明になっています。

このように見てくると、都心から離れ、利便性に劣るエリアでは、今後も地価下落から脱することは期待しにくいといえそうです。

ただ、2016年3月30日に政府が発表した「訪日外国人観光客4,000万人構想」は、地方の地価回復の可能性を示すヒントになるかもしれません。

この構想は、「2020年までに年間2,000万人」としていた訪日外国人観光客数の目標を「4,000万人に倍増」させ、さらに「30年に6,000万人を目指す」というものです。これを後押しするために、迎賓館など公的施設の一般開放、国立公園の規制緩和で宿泊施設を誘致、中国・インド・フィリピン・ベトナム・ロシアを対象にビザ発給要件を緩和、などの政策を実施するビジョンです。

日本人の人口が減少して1億人になったとしても、外国人観光客が4,000~6,000万人も日本を訪れるとしたら、相当なインパクトでしょう。現在でも、北海道ニセコ地区、金沢、京都などのリゾート・観光地の地価は上昇しています。外国人観光客の人気スポットとして新たに注目され始めた見どころなどこれまでの著名な観光地以外にも、新たな観光資源の開発で訪日客を呼び込める可能性もあります。

観光開発のためのインフラ整備、ホテルや商業施設による雇用創出、その従業員の住宅需要など、さまざまな経済効果が期待されます。今後の地価動向を見る上では、訪日外国人の動きは外せない要素の一つになってくるのではないでしょうか。

都心部の上昇はそろそろ頭打ちになる?

最後に、地価と中古マンションとの関係について触れておきましょう。
まず、今回の地価公示で、東京都区部の傾向に変化がありました。これまでは都心3区、または5区の上昇率が最も大きいという傾向が強かったのですが、今回は目黒区の上昇率が上位5位に入ったのです。

「価格形成要因等の分析」では、目黒区自由が丘や青葉台について『これらの高級住宅地の主な需要者は都内富裕層が中心で、千代田区、渋谷区、港区の高級住宅地と比較して相対的に値頃感がある一方で、物件の稀少性が高いことから、地価は比較的高い上昇が続いている』と解説しています。つまり、都心部が高くなりすぎて、その周辺に目が向いてきたということです。

私がこれまでに書いた価格動向調査の記事では、首都圏の中古マンション市場を「都心/ミドルエリア/郊外」の3つに分類して説明してきました。目黒区はその「ミドルエリア」にあたります。中古マンション市場においても、今回の公示地価同様に、都心部の価格がハイレベルになり過ぎて、なかなか手が届きにくくなっています。

こうした点からいうと、都心部の住宅地の価格上昇傾向についてはそろそろ歯止めがかかってくるのではないか、という見方もできます。ただ、予想以上に膨らんでいる訪日外国人の数や、インバウンド投資の動きなどから商業地の価格がさらに上昇した場合、それが住宅地の地価や中古マンション市場にどう影響してくるのか、注意深く見守っていく必要がありそうです。

編集協力:AllAbout

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