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ワーキングマザーと考える、中古マンション選びのツボ

2016年5月27日

子育てと住まい購入は、ライフステージの同じくらいの時期にあたります。共働きで子育てをするには、どんな住まいがよいのでしょうか。産んでからわかった「こう選んでおけばよかった！」という働くママの声をもとに考えていきます。

間取りも設備も、「時間短縮」「時間自由」がキーワード

続いて、設備や間取りなどの条件について、子育ての視点から考えてみましょう。エリア選びと同様に、結婚して間もない時期では気づかなかった条件がありました。

Wさんは、まず「キッチンと浴室・洗面所など水回りの場所は、1日に何度も往復するので家事動線がスムーズな間取りが大切」と強調します。子どもが生まれる前は、家事動線についてそれほど深く考えていなかったとも。中古マンションなら、現地見学で実際に確認できるので、動いてみながらチェックしましょう。

また、「あればよかった」と感じた設備として、「ディスポーザーと食洗器」を挙げていました。いずれも"時短設備"といえます。ディスポーザーは後付けもできず、ほとんどの人があって良かったと感じるといいます。食洗器は、「あっても使わない」という声もある設備です。

間取りや設備に関しては、子育てが始まると家事量が急激に増え、キッチンに立つ頻度がぐっと上がることを頭に入れておいたほうがよさそうです。共用部分の施設についてはどうでしょうか。

「自転車置き場ですね。家族で複数台持つのが普通なので、1～2台では足りないという声が多いと思います。2段式駐輪場で台数を増やしているところもありますが、子どもを乗せるチャイルドシート搭載の自転車は大きいので、上段には重くて持ち上がりません。通路スペースが限られていて、すぐ後ろに別の駐輪装置があると入れられないところもあります。なるべくゆとりのあるところがありがたいですね」

その他「常時ゴミ出し可」の24時間ゴミステーション、宅配ボックスなども、"あると便利"な共用設備です。「好きなときに出せる、受け取れる」「時間的な融通がきく」という点で、「時短設備」と合わせて、「時間」がキーワードになっているといえるでしょう。

物件選びに当たって、共働き世帯の夫婦の判断が一致しない場合は、どちらかといえばワーキングマザーの意見のほうを優先させるケースが多いようです。最近は"イクメン"や、家事の分担を積極的にする夫が増えているともいわれますが、現実にはどうでしょうか。

「ノムコムwith Kids『ワーママ総研』」が実施したアンケート調査を見てみましょう。子どもの世話や食事の用意に関する質問に対しては、「夫婦で半分ずつ分担」が理想といいます。一方、現実は、子育てはほぼママが担っているという結果に（図2参照）。やはり、ママの意見を尊重したほうが円満に収まるのかもしれません。

「心のゆとり」も大切。二世帯近居という選択も視野に入れて

ワーキングマザーの住まい選びに当たっては、「二世帯近居」も有効です。Wさんも実の母親が近くに住んでいます。実家の近くに購入したわけではなく、購入した後に父親が亡くなり、地方の実家から母親を呼び寄せたために、「二世帯近居」の形になりました。

「以前は、子どもを保育園に預けていても、何かあったらすぐに駆けつけないといけないので、常に『仕事を早く終わらせないといけない』と落ち着きませんでした。病気のときは預けられないので、会社を休まないといけません。いつも休めるわけではないので、病児保育の施設を慌てて探したり、とにかく心の余裕がないんです。今も、普段から母に面倒を見てもらっているわけではありませんが、母が近くにいてくれると思うだけでぜんぜん違います。気持ちの面で安心して仕事に集中できます」

Wさんのマンションは3LDKで、夫婦と小さな子ども1人なので、母親と「同居」できないこともありません。ただ「一時的に同居しても、子どもが2人に増えて個室が必要になると、移らなければならない。落ち着いて住める自分の家が欲しい」という母親の意向を受けて「近居」を選んだそうです。

「仕事と育児の両立」はなかなか難しいとも言われていますが、住まい選びを通して、少しでも子育て環境を楽にできるといいですね。