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中古マンション最新トレンド
資産価値が下がらないプレミアム・マンションの探し方
2016年7月11日
再開発で創り出される「プレミアム」
資産価値が下がりにくいという点でいえば、都心周辺部でも、駅前の複合再開発で誕生したマンションなどはプレミアム候補に挙がります。それぞれの地域におけるランドマークとしての価値があるからです。地域の中古マンション相場から頭一つ抜けた水準で取引されることも珍しくありません。
たとえば、東京都の多摩エリアで分譲された、駅直結の再開発タワーマンションが平均坪単価340万円で即日完売したことがありました。エリアのマンション相場よりも高い価格でしたが、周辺の物件がつられて値上がりすることはなく、このタワーマンションだけで成立する価格です。エリアのオンリー1の存在、「プレミアム」といえるでしょう。こうした物件は、神奈川県横浜市・川崎市あたりにも存在します。
注意したいのは必ずしも「再開発=プレミアム」とはならないことです。再開発の中身や、そのマンションの位置づけなど、しっかり確認する必要があります。
プレミアムな間取りプランとは?
立地以外の点では、マンション全体の企画やプランニングによっても「プレミアム感があるかどうか」が分かれます。たとえば、「都心部」のなかでも地域ごとに、ユーザーがマンションに求める要素は違うからです。
大使館の多い「麻布」や「広尾」では、外国人が住むことを前提にした間取りプランが求められます。かつてのバブル時代には、月額家賃100万円以上の「外国人向け超高級賃貸マンション」、売買では10億円を超える「スーパー億ション」がありました。
こうしたエリアでは、日本人向けマンションとは一線を画した、欧米スタンダードなプランの価値が高くなります。専有面積の最低基準は「165m2(50坪)以上」、間取りは「○LDK」ではなく、ベッドルームとバスルームの数(「2ベッドルーム・2バス」など)で表します。3ベッドルームなら200m2(60坪)以上、リビング最低30帖、マスターベッドルーム(主寝室)は15帖以上で専用バス(シャワーブース)があること、などです。
同じ港区・渋谷区の人気エリア、「赤坂」や「青山」では、もう少し日本人寄りのニーズが高く、専有面積100m2の3LDKでもプレミアム感は出せるでしょう。
地域ごとのユーザー・ニーズに合った、プランやグレードを備えているかどうかが重要です。
企画力・プランニング力は、マンションを造るデベロッパーやゼネコンの力量が問われます。デザインやインテリアにこだわりの高い富裕層の期待にこたえるだけの企画力や設計力が備わっていなければなりません。長年にわたる実績を持っている作り手であることが、条件といえるでしょう。
普通のマンションにある「プレミアム住戸」
同じマンションの中でも、棟によって「プレミアム」があることもあります。たとえば、ヴィンテージ・マンションの代表ともいわれる「広尾ガーデンヒルズ」でも、全体11棟のうち、街区の入り口にゲートキーパー(守衛)がいる「サウスヒル」のD・E・F棟は別格です。プランやグレードも先ほどの「外国人仕様」で、「ヴィンテージの中のプレミアム」といえるでしょう。
また、1つのマンションの中でも、そのマンションの「プレミアム住戸」が存在することがあります。その多くは、眺望の違いによるものです。超高層タワーの場合、階数が上がるほど眺望が開けます。最上階のペントハウスはステータス性が高く、他の階と設備仕様のグレードを変えて、「プレミアム仕様」にするケースも見られます。
とはいえ、眺望の良し悪しは、階数の高さだけで決まるわけではありません。たとえば、ある40階建てのタワーマンションでは、海側は6~7階の住戸の人気が高いという傾向があります。「空と海、公園の緑」の見え方が最もバランスが取れているからです。「オーシャンビュー」や「グリーンビュー」は、プレミアム感を演出する重要な要素といえます。
また、高層マンションではなくても、「このフロアのこの方角の住戸」は、「桜が目の前」「東京タワーがくっきり見える」など、マンション内の配置によってプレミアムが付くことがあります。このような特別さは、他の住戸では代替できない価値といえるかもしれません。
このようにプレミアム・マンションを形作るのは、「立地」「再開発の将来性」「ブランド力」「住戸のポジションと眺望」といえそうです。「中古住宅は同じものが2つとない」と、いわれます。資産価値としてのプレミアムだけではなく、自分の価値感にあった「プレミアム」も大事に、住まいを探したいものです。
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