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「長く住めるマンション」の条件とは?

2016年7月22日

子供の独立後、一戸建てからマンションに住みかえる、という選択をする人も増えています。そうしたなか、マンションへの永住志向も高まっていると言われます。長く住めるマンションの条件とは何でしょうか。

スケルトン・インフィル(SI)なら長く住める?

長く住み続けられるマンションのキーワードとして、「スケルトン・インフィルSI)住宅」もよく挙げられます。50年・100年以上の耐久性がある構造躯体(骨組み=スケルトン)と、10~20年で劣化が始まる内装設備(インフィル)を分離して、インフィルを交換したり、リフォームしたりしやすいように設計された住宅のことです。

SI住宅とは、共用配管スペースが専有部分の外側に集約され、「階高」(住戸1階分の高さ)がおよそ3m以上(通常は2.7~2.8m)あり、二重床・二重天井で設備配管の更新・位置変更がしやすくなっている、などが定義として上げられるでしょう。床面がフラットな「バリアフリー状態」を保ちながら、キッチンや浴室などの水回り部分を住戸内で自由に配置できるなど、間取り変更も容易です。

SI住宅は建築や住宅分野の専門家の評価が高いのですが、残念ながら、一般に理解が進んでいるとはいえません。SI仕様にすると、通常よりも建築コストがアップするため分譲価格も高くなります。しかし、中古となって売却する際に、相場より高く売れるわけではないのです。

また、構造的・技術的に水回りを自由に配置できるとしても、70~80m2の広さでは移動できる範囲は限られます。さらに、上下階の音の問題などの理由で、水回りの位置に制約を設けている管理規約も少なくありません。SIの技術的な自由度を完全に活かせるわけではないのです。

最近はリフォーム技術も進化しており、SI住宅でなくても、住戸の内装設備をすべて撤去して「スケルトン・リフォーム」をすることができるようになっています。SIは住みながらのリフォームがしやすいと言われますが、実際には、住みかえの際に手を入れるケースが多いでしょう。

ライフスタイルに合わなくなれば、リフォームするよりも別のマンションに買いかえるほうが合理的と考える人も多く、SI住宅であることは、長く住めるマンションの必要条件とまではいえないのが現実です。


「10年くらい」住むなら、むしろ「設備」のインスペクション

コンクリートやSI住宅などの技術面と合わせ、政府による「200年住宅」や「長期優良住宅」における「長く住む」は、「数世代にわたって」という、非常に息の長い話です。それは、中古住宅を「社会的ストック」と位置付けていることが大きいでしょう。しかし、そもそも「5~10年くらい」で住み替えるという人も多く、一般消費者はそこまで長期的な視野で考えていないのではないでしょうか。

構造躯体が長持ちすることも大切ですが、買ったとたんに設備が故障して不便な生活を強いられるほうが、現実的に直面しうる可能性の高い問題でしょう。そういう観点からすると、中古住宅を購入する際、建物や設備の点検・調査を行うことが重要になってきます。

今年(2016年)6月の宅建業法改正に、こうした建物や設備の点検・調査、いわゆる「インスペクション」の利用を促進する内容が盛り込まれました。(図2参照)。インスペクションとは、建物の劣化状態、設備の故障の有無などを調査することです。素人では判断できない性能をチェックしてもらえるので、「安心安全」な中古マンション選びに役立ちます。今回の改正によって、利用率が高まるのは間違いないでしょう。

大手不動産会社では、仲介サービスの一環として検査保証サービスをすでに実施しています。マンションで住戸内設備の故障が起きた場合に、引き渡し後1~2年、ないし5年間は無償修理をする保証を付けるというものです(各社によって内容は異なります)。こうした官民の制度・サービスを利用することによって、少しでも「長く安心して住めるマンション」を選ぶことにつながるでしょう。

編集協力:AllAbout

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