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「長く住めるマンション」の条件とは?

2016年7月22日

子供の独立後、一戸建てからマンションに住みかえる、という選択をする人も増えています。そうしたなか、マンションへの永住志向も高まっていると言われます。長く住めるマンションの条件とは何でしょうか。

【この記事のポイント】

■「長く住む」とは何年くらい?
■「長く住める」=「寿命が長い」住まい
スケルトン・インフィル(SI)とマンションの寿命(2ページ目)
建物より寿命の短い「設備」は大丈夫?(2ページ目)

永住?10年?「長く住む」とはどのくらいか

「マイホームは一生に一度の高い買い物」だから、あるいは「長期の住宅ローンを組む」のだから、「長く住める家が欲しい」というのは、ごく当たり前のことだと思います。では、「長く住む」とは、具体的に何年くらいのことなのでしょうか。中古マンションについて、考えてみましょう。

図1は、国土交通省がおよそ5年に一度実施している「マンション総合調査」からの結果です。この調査によると「マンションへの永住意識」が徐々に高まっており、最新の2013年度版では50%を超えました。反対に「住み替え派」は20%を切っています。

この調査では、「年齢が高くなるほど永住意識が高くなる傾向にある」とも書かれています。調査対象の90%以上は40歳以上で、60代以上が50.1%、40~50代が41.7%と、熟年以上が大半を占めます。40代以上の永住といえば、「あと30~40年」というイメージでしょうか。

対して、若い世代、20~30代のお客様は、「5年後、10年後に売る」ことを希望する、あるいは視野に入れている方が多い印象があります。こうした世代では、マンションに求める条件も自分たちの日常の利便性だけでなく、「売りやすく、貸しやすい」という視点を重視しているようです。


永住志向かどうかは、世代によって違う

「年齢が高くなるほど永住意識が高くなる」背景として、次のような理由が考えられます。まず、年齢層が高いほど、一度はマイホームを購入した経験のある可能性が高くなります。そのため、「買いかえ先のマンションには永住したい」、「夫婦2人の終の棲家」と考えるのかもしれません。

また最近は、「高齢になると、一戸建てよりマンションのほうが暮らしやすい」というイメージに変わってきており、そうした意識でマンションに住み続ける、または一戸建てからマンションへ住みかえる人も増えていると考えられます。

次に、昔は「まずはマンション、最終的にはより広い一戸建て」というシナリオが理想とされていました。しかし、平成バブルから10年以上、不動産価格は下がり続けました。「売却益を得て買いかえる」というのが難しい時代が続いたため、「初めて購入したマイホームに住み続ける」「永住できるマンションを選ぶ」という意識が強くなったといえるでしょう。

しかし、その後、2007~2008年の都心不動産ミニバブルや、ここ1~2年の大都市中心部の不動産価格高騰を経験した若い層は、かつてのようなステップアップの買いかえの可能性を知っています。住宅に対して「投資的な感覚」を持っている人も増え、売却益が得られるという期待感が高まっているのかもしれません。

とはいえ、今後もマンションが値上がりし続けるとは言えません。不動産価格も需給バランスで成り立っています。長いスパンでは、価格が上がり過ぎたら調整が入り、上下の波を繰り返すものです。市況とライフイベントタイミングによっては、うまく買いかえられないかもしれません。そういう意味では、なるべく長く住み続けられるマンションを購入しておくに越したことはないでしょう。


「寿命」と「管理」、マンションの二大テーマ

では、「長く住めるマンション」には、どんな条件が必要なのでしょうか。そこには、マンションの二大テーマといえる「寿命」と「管理」が関係しています。「よいマンション」「高く売れるマンション」と重なる部分が大きいともいえます。

マンションの「寿命」は、建物が物理的に長持ちするということです。コンクリートだけでいえば、技術的には100年、200年もたせることが可能です。しかし、マンションは耐久性の異なる部材が複雑に組み合わされていますので、コンクリートだけで判断はできません。

住まいの寿命、つまり耐久性を表す指標として、国の「住宅性能表示制度」の、「劣化対策等級」や「維持管理対策等級」という項目があります。ただ、大手デベロッパーの分譲マンションでも、この評価書を取得していないケースがあり、あまり普及しているとはいえません。中古マンションの販売図面にも、性能表示制度の有無が記載されていないことがほとんどです。

マンションの寿命や耐久性について、詳しくは「マンションの寿命、ホントは何年?」をご覧ください。

次に、「管理」についてです。建物自体の物理的な寿命に劣らず、きちんと維持管理されているかどうかは、「長く住める」かに大きく影響します。管理組合がしっかりと活動し、長期修繕計画に基づいて大規模修繕が実施されていること、その履歴がきちんと残っていることなどがポイントとなります。

日常の管理の面では問題なくても、大規模修繕が計画通りに実行されているとは限りません。修繕積立金が十分に貯まっていない場合など、修繕の実施が何年も遅れてしまったりすることもあるからです。

参考:中古マンションは管理が重要といわれる本当の理由

2000年に「マンション管理適正化法」が制定(翌年施行)されたこともあり、それ以降に分譲されたマンションは、新築時から長期修繕計画が立てられ、必要な修繕費の積み立て、定期的な大規模修繕が実施されているケースが多いようです。

編集協力:AllAbout

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