中古マンション最新トレンド

【この記事のポイント】

■秋の住みかえシーズンに探すメリット5つ
■物件数が豊富な2016年の秋の注意点(2ページ目)
■売主から有利な回答を引き出す価格交渉(2ページ目)

「実家で相談」が住みかえシーズンの元!?

秋といえば、スポーツや旅行といろいろな「シーズン」と言われます。実は、「住みかえ」についても、秋は年間2番目のシーズンなのです。10月にも人事異動をする企業も多いこと、また「お正月は新居で迎えたい」人たちが住まいを探し始める時期だからです。

ちなみに、1年のうちで最大の「住みかえシーズン」は1～3月です。「新年度を新居でスタートしたい」「4月の転勤や人事異動、学校の新学期に合わせたい」という人たちが、一気に住みかえに動くのです。

住みかえ需要期は、購入者が多いだけでなく、中古の売り出し物件も増えます。よい物件に出会える可能性も高まるので、購入のチャンスといわれます。

こうした住みかえシーズンは、学校や会社の制度などに応じて発生していますが、もう1つ、別の背景もあります。それは「帰省」です。「マイホームの資金援助」や「同居するかしないか」など、じっくり腰を据えて話すには帰省が唯一最大の機会ともいえます。「長期休暇中の帰省 → 親子でゆっくりマイホームの相談 → 購入意欲の高まり」という流れは、容易に想像できるでしょう。

最近では、息子・娘夫婦の住む街や同じマンション内へ親世帯が引っ越す「近居」を検討するケースも増えているようです。その場合には、実家（親の自宅）をどうするのかという相談もしなくてはなりませんね。

さて、こうした「帰省」で高まった住みかえ意向で、多くの人が住まい探しに動きだします。年末年始の帰省時なら4月までに、お盆（夏休み）なら次のお正月までに住みかえ時期の目標を置くことになるでしょう（図1）。

冒頭にも書きましたが、住宅の取引がもっとも活発なのは1～3月の春のシーズンのほうです。取引量だけでいえば、春の方が良い物件に出会える可能性は広がるかもしれません（詳しくは「中古マンション購入は3月がチャンス！」参照）。その反面、短期間に売り買いが集中するなど、注意が必要な点もあります。

【春の住みかえシーズンの注意点】
・検討期間が2ヵ月程度とやや短い。
・購入者も多いため、人気物件には希望者が重なって競合しやすい。
・現地見学などは真冬の1～2月が中心。

また、子どもがいる家庭では「春休み」がある点にも注意が必要です。子供と過ごす時間が長くなることで、住みかえに関する作業に時間が取りにくくなるかもしれません。

秋の住みかえシーズンに動く、5つのメリット

ではいよいよ、これから始まる秋の住みかえシーズンについて見てみましょう。大きな傾向でいえば、秋は春ほど物件量は多くないのが普通です。しかし、近年の物件数急増で、2015年の秋は同年1～3月よりも物件数が多い状況でした。2016年の現在も中古物件数の増加傾向は変わっていません。

つまり今年、2016年の秋は、人の動きは春ほど激しくなく、物件数も豊富という、中古マンションの購入には絶好のシーズンなのです。

また、春同様、重要期には各社がキャンペーンを行いますが、春ほどあわただしくないため、新しいサービスをこの時期に始める大手仲介会社も少なくありません。

これら2つのメリットに加え、さらに秋の住みかえシーズンには、次のメリットがあります。

○9月から12月上旬までと検討期間を長くとれる。
　リフォームについても、物件探しと並行してじっくり検討できます。
○気候のおだやかな秋なので、現地見学がしやすい。
○12月中に引っ越しが終われば、お正月を新居でのんびり過ごせる。

また、親世帯が引っ越す「近居」を実現する場合、親の自宅売却を伴うケースも少なくありません。つまり買いかえです。「売り」と「買い」をほぼ同時に行うため、スケジュールにゆとりがある秋のほうが向いているともいえます。親御さんが高齢の場合も、冬の寒い時期に動くことになる春の住みかえシーズンより、秋のほうが適しているといえるでしょう。

次ページでは、現在の市況を踏まえて、この秋に「優良物件を逃さない」買い方のコツを紹介します。＞＞