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中古マンション最新トレンド
失敗しない!マンション「買いかえ」の流れと注意点
2016年10月19日
「売り先行⇒お金の心配」と「買い先行⇒住まいの心配」
あなたはどちら?
前ページで、買いかえの手順について「売り先行」「買い先行」「売り買い同時」のメリットとデメリットを紹介しました。実際には、「売り先行」か「買い先行」かは、おもに資金状況や住みかえの動機によって、自ずと決まってきます。うまく調整してタイミングが合えば「売り買い同時」も実現できることになります。
最も多いのは、自宅の売却代金で新居の頭金を支払うため、売り先行で進めるケースです。資金に余裕があれば、買いかえの目的や価値観、不動産の市況などによって、どちらかを選んでもよいでしょう。どちらを選ぶか、端的に表現すると「売り先行は、お金の心配」「買い先行は、住むところの心配」ということです。
a)「売り先行」を選ぶケース
"お金の安全重視派"。自宅の住宅ローンが残っている、自宅を売った代金を新居の頭金に充てるなど、実は、買いかえで最も一般的なケースです。自宅を売却して自己資金を確定させてから購入先を決めるという流れになります。
最近の、特に都心部では「マンション価格が高いうちに早く売り、値上がり益を享受したい」という人も増えています。そろそろ値上がり傾向がピークを打ち、一部で値下がりする物件も出てきた現在のマーケットを反映しているわけです。
自宅の売却後は、「仮住まいをしながらゆっくり新居を選ぶ(値下がりを待つ)」「都心部から相対的に価格の低い準都心に移る」など、バリエーションがあります。より広い住まい、グレードの高い住まいへを移る人も多いでしょう。
b)「買い先行」を選ぶケース
住む場所が先に決まらないことにストレスを感じる人、"心の安心重視派"。特に年配の世帯で「買い先行」で進めるケースが多い印象があります。自宅の住宅ローン返済がほとんど済み、自己資金にも余裕があること、「先に売って住むところがなくなるほうが落ち着かない」という理由です。仮住まいをして引っ越しが2度になるのは、体力的にも負担が大きいということもあるでしょう。
また、「転勤が決まり、赴任先で新生活を始めたい」「子どもの新学期に合わせて年度末までに引っ越したい」というように、住みかえ理由や期日がはっきりしている場合も、先に新居を探し始めるケースが多いでしょう。新居の目途が立ってから自宅売却に動きだすわけです。
買った後に自宅が売れないと心配な人は、売却を依頼する不動産仲介会社に買い取り保証や買いかえ保証などのサービスがあると安心です。
なお、不動産市況が「これから値上がり傾向が続く」という場合は、「安いうちに先に買って、後で高くなってから売る」、つまり「買い先行」のほうがトクになることがあります。もちろん、価格相場が落ち着いている時期は、買いと売りのどちらが先でも金額的な損得はほとんどありません。
新居の種類・条件によって、ベストな買いかえタイプは変わる
「売り先行」と「買い先行」の判断基準として、もうひとつ、「買いかえ先(新居)の条件」があります。
たとえば、「子どもを○○私立保育園に入れたい。そこから徒歩5分以内のマンションが欲しい」「めったに売りに出ない人気のブランドマンションの3階角部屋が欲しい」など、売り出しが少なく、見つけたら即決しないと買えないような条件では「買い先行」が賢明でしょう。その場合でも、自宅の価格査定だけは事前に行い、「いくらで売れるか」の目安は知っておくことをお勧めします。
また、建物が完成する前に分譲する大規模マンションやタワーマンションの場合、引き渡しが1年以上先になることも珍しくありません。その場合は、新居の竣工時期とタイミングを合わせて、引き渡しの数ヵ月前から自宅を売り出すことが多いでしょう。
ただ、前述したように、自宅の価格相場が下がり始めている地域なら、先に売却して仮住まいをしながら、新居の引き渡しを待つほうが資金面では有利かもしれません。
反対に、購入地域や新居の希望条件に幅を持たせているなら、見つけるのは難しくないため、「売り先行」で資金確定を優先するほうが望ましいと思います。売却活動をしながら購入物件を探し始めれば、タイミングも合わせやすくなるでしょう。
先に売却が決まって、新居の決定に時間がかかりそうな場合は、自宅の買主と話し合い、引き渡し時期を数ヵ月先に伸ばしてもらうなど、スケジュールの調整をしてもらえるケースもあります。ただし、価格交渉の材料となったり、買主が限られてしまうことも考えられますので、注意が必要です。交渉や調整に慣れている営業担当者のサポートを上手に活用しましょう。
以上のように「売却」と「購入」を行う買いかえには、さまざまな要素が絡み合います。買いかえ目的、資金、希望条件によって千差万別です。
「売り」と「買い」のどちらから始めて、どんなストーリーでゴール=買いかえの完了を目指すのがベストなのか、事前に、買いかえの取引に慣れた仲介営業のプロからアドバイスを受けて、それぞれの人に合ったベストなシナリオを描くことが大切です。
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