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中古マンション最新トレンド
定年後の住みかえ、マンションを選ぶ意外なホンネ
2016年12月 9日
定年後も夫婦円満な秘訣は、間取りにあり?
では、60代以上の方は、具体的にどんなマンションを購入しているのでしょうか。
・条件1 ...... 都心に近いマンション。
これによって利便性もセカンドライフの充実度も高まります。
・条件2 ...... 築年数の比較的新しいマンション。
室内だけでなく、共用部分もバリアフリー仕様になっていると、より望ましいでしょう。築20年を超えるマンションは、室内に段差があったり、車イスが通れる廊下幅が取れていないケースが多いため、大がかりなリフォームが必要になります。 共用部は、個人の判断でバリアフリーにはできません。
・条件3 ...... 大規模マンションやタワーマンション。
60代以上の方の多くは、夜間も管理人がいる常駐管理を希望します。マンションの管理体制は、管理費用との兼ね合いから、一般的に規模(総戸数)と管理形態が関連します。規模が少ない方から「巡回(週に数回・時間限定)」、「日勤(毎日常勤または隔日など)」、「常駐」という具合です。
特にタワーマンションになると、日中は管理人、夜間は警備員が常駐する防災センターが併設されているのが普通ですから、セキュリティの面でも安心です。
間取りタイプはどうでしょうか。若い夫婦では1LDKで十分という人が多いのですが、年齢が高くなると夫婦2人でも1LDKより2LDK以上が好まれる傾向があります。「子ども世帯が泊まりに来られるように」「夫婦別室にしたい」といった理由からです。
定年後、夫婦2人とも家にいる時間が増えると、ある程度の距離があったほうが良いようです。前出の「定年前後の50~60代夫婦へのアンケート調査」では、「夫婦円満のためにやっていること」として妻(女性)のおよそ半数が「お互いに干渉しない」、3割弱が「互いに過ごせる場所(部屋)を持つ」を選択しています。(図2参照)。「寝室を別にする」も2割の人が選んでいますね。
寝室については、「相手のイビキがうるさい」「エアコンの好みの室温設定が違う」などの理由で、別室を選択している人もいます。
近居のパターンも多様になってきた
前ページ図1の「住みかえを検討した理由」の上位に、「子どもの家の近くに住みたい=近居」が入っていました。近居といえば、実家の近くに住むということです。「親世帯が大都市圏にあり、その沿線に住む」ケースや、「地方の実家に住む親が心配だから、大都市圏に仕事や生活の拠点を持つ子世帯の近くへ呼び寄せる」というイメージが強いでしょう。
しかし、最近の実例を見ると多様なパターンがあることに気づきます。実際に私が出会った住みかえ事例では、都内の隣り合う区に住んでいた親世帯と娘世帯が同じ区内へと近居しました。親世帯が移り住んだのです。
もともと、親世帯と娘世帯はドアツードアで30分程度の距離にありました。見方によっては既に近居ともいえます。娘さんのほうは都心により近いところに住んでいて、子ども(親世帯から見た孫)を保育園に預けて共働きをしています。
仕事で遅くなるときなどは、親の家に子どもを預けたり、反対に親が娘さんの家に様子を見に来たりしていました。娘さんの代わりに保育園に迎えに行くこともあります。その頻度が増えるにつれ、30分という距離が近いと感じられなくなったようで、より近くへとさらなる近居を実行したというわけです。
親世帯のもとの住居は、ハイグレードな新築マンションで、購入間もないものでした。近居のために敢えてそこを売却して、娘世帯から5分くらいにある築年の古いリノベーション済みのマンションに買いかえたのです。
「近居」に抱く距離感は人それぞれです。以前、「近居に適した距離」について街頭でインタビューしたあるラジオ番組では、若い子育てママが「自分の親なら徒歩10分圏、義理の親なら電車で1~2駅の距離」と答えていました。
なお、近居を助成する自治体もあります。たとえば東京都品川区では、1.2km以内、徒歩15分以内に住んだ場合が対象です。距離や時間の根拠は、「震災などで交通機関がマヒしたときにも歩いて駆けつけられる距離」とあります。また、近居によって、高齢の親の孤立死や空き家放置の防止にもつながるという隠れた目的もあるそうです。
今後は、さまざまな理由で近居が普及していくかもしれません。60代以降のさまざまな住みかえパターンを紹介してきました。これらを参考に、より良い住みかえ・買いかえに活かしてください。
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