不動産サイト nomu.com > 中古マンション > 中古マンション最新トレンド > 中古マンション価格の最新動向 > 2017年の中古マンション市場の見通し(1ページ目)
中古マンション最新トレンド
2017年の中古マンション市場の見通し
2017年1月25日
【この記事のポイント】
•国内外の激変と、記録更新が相次いだ2016年
•マンションの価格、供給量は?(2ページ目)
•2017年も中古マンションは「買い時」か?(2ページ目)
中古マンションをめぐる2016年の5大ニュース
2017年の予測に入る前に、まず2016年を振り返ってみましょう。中古マンションに関して印象に残った5つのトピックスを紹介します。
1.住宅ローン金利が史上最低更新。10年固定が0.45%!
2016年の間に、住宅ローン金利の史上最低更新が何度もありました。短期固定型の2~3年固定では0.3%台、10年固定も0.45%を記録しました。金融機関との取引実績(住宅ローンの借入時に証券投資口座を開設する、定期預金残高が一定以上あるなど)によっては、さらに金利を優遇する金融機関も見られました。35年間の長期固定金利が特徴のフラット35も、ついに1%を切る月がありました。
いずれも、日銀のマイナス金利政策が2016年2月に実施されたのを受けた動きです。住みかえのトップシーズンに政策が実施されたのも、影響が大きくなった一因でした。2015年時点では、都心部を中心とした急激な不動産価格の上昇に、住宅購入ニーズが着いていけるかと心配されましたが、住宅ローンのさらなる低金利により、購入者の活発な動きが盛り返しました。
11月には長期金利がやや上昇していますが、2014~2015年に比べれば、まだまだ低い水準を保っています。
2.中古マンション平均、史上最高値を更新!一戸建てを追い抜く
首都圏における中古マンションの平均成約価格は、2016年前半には頭打ちかと思われました。しかし、秋から盛り返して11月に3,173万円となり、東日本レインズの調査開始以来の最高値を記録しました。9月以降は中古一戸建ての価格を上回っており、マンションと一戸建ての「価格逆転現象」が続いています。
中古マンションの平均成約価格の推移を見ると、首都圏が47か月連続、東京都区部は50か月連続で、前年比上昇を続けています。4年ほどの間、右肩上がりのトレンドになっているわけです。価格上昇を低金利がカバーし、底堅い住宅ニーズを下支えしているといえるでしょう。
3.英米2大ショックで国内経済に激震の一方、インバウンド復活?
2016年6月に行われたイギリスの国民投票で、大方の予想を裏切ってEU離脱が決まりました。世界中の株価が下落、日経平均株価も前日比から1,300円近く急落、1万5,000円を割りました。
株価の動きは、不動産にも影響します。特に都心の高額物件については、富裕層の買い控えが起きて価格が下がるのではないかと心配されました。しかし、その後1か月足らずで株価は元の水準を回復し、マンション市場にもほとんど影響はありませんでした。
次いで、11月のアメリカ大統領選挙では、想定外のトランプ候補が選出され、再び激震が走りました。株価は、前日比900円安まで下がりましたが、わずか1日で反発、翌日には1,000円以上戻しています。
トランプ氏が選出されると「円高・株安」になると予測していたエコノミストやアナリストも少なくありませんでしたが、実際にはその反対の「円安・株高」となっています。「ドル高・株高・長期金利高」というトリプル高を示すアメリカの動きを反映しているのでしょう。
日本国内の富裕層は株高で再び動き出し、円安で一時は下火になりかけていたインバウンド投資も戻りつつあります。都心の高額物件の動きも回復しています。
4.民泊ブームの光と影、マンションの管理規約改正の動き広がる
2016年の初めに、東京都大田区と大阪府の国家戦略特区で民泊が解禁され、2016年は"民泊元年"ともいわれました。その後、特区以外でも認める規制緩和の議論も始まっています。
民泊は一般的な賃貸住宅に比べて高い利回りが期待できると、不動産投資の新たなジャンルとしても注目されています。その一方で、違法民泊が警察に摘発されたり、登録件数の増加により稼働率が下がったり、将来性や採算性について疑問視する見方も出てきました。
分譲マンションの一室を無断で民泊にするケースも増え、騒音問題や生活環境の悪化にともなう居住者と利用者のトラブルも後を絶ちません。それを防止するため、大規模なタワーマンションを中心に、管理規約を改正して「民泊禁止」を明記する動きが進みました。
5.タワーマンションへの課税強化の動きに一喜一憂
相続増税に備えて、タワーマンションを活用した節税対策が、ここ数年クローズアップされています。都心では、タワーマンションの上層階プレミアム住戸が飛ぶように売れた時期もありました。
しかし、2015年10月に「行き過ぎたタワーマンション節税は否認する可能性がある」と国税庁が発表しました。さらに2016年には、タワーマンションの財産評価方法を改めて、課税強化を図るという報道も出てきました。
政府や税務当局の具体的な規制内容が判明しないなか、どこまで規制がかかるのかという警戒感、厳しく否認されるのではないかという心配もあり、しばらく一喜一憂していた人もいたでしょう。
12月中旬に2017年度の税制改正大綱が公表されて、タワーマンションに関する税制の具体的な内容が示されました。それほど厳しいものではないと言ってよいでしょう。詳細については、今後の記事で取り上げる予定です。
- 2018年4月時点の不動産価格動向を解説 (2018年5月27日)
- 中古マンションの現地見学の流れをレポート (2018年4月27日)
- 住みたい街、恵比寿・代官山・中目黒の中古マンション事情 (2018年3月28日)
- 30年後も「マンション価格が下がりにくい街」とは? (2018年2月27日)
- 「社長が住む街」が都心になった理由 (2018年1月26日)
カテゴリーから探す
- 不動産セミナーのお知らせ
- これから開催するセミナーのご案内《参加費無料》
- 不動産コラム
- 地価・税制・法律などについて様々な視点から解説・紹介をしています。
- 地価・マンション価格動向
- 当社の独自調査。
メディアにも多数取り上げられています。 - 不動産購入ガイド
- 物件購入に関するお役立ち情報をご紹介します。
- 不動産売却ガイド
- 物件売却に関するお役立ち情報をご紹介します。
- 不動産用語集
- 不動産にまつわる用語を幅広く集めました。
- 不動産ニュース
- 業界動向やトピックスなど、不動産のニュースをお届けします。