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住宅購入予算の考え方、「年収の5倍」はもう古い?

2017年1月31日

住宅購入の予算の目安として「年収の○倍」という考え方があります。よく耳にする年収の「5倍以内」、実は25年前の水準で計算されたものなのです。2017年の住宅購入環境では、年収の何倍が適しているのでしょうか。

【この記事のポイント】
•いま売れているマンション価格は「年収の7~8倍」?
金利水準と年収倍率(2ページ目)
「5倍→8倍」でもローン負担が減るカラクリ(2ページ目)

「年収の5倍」では、マンションを選べない!? 今の平均水準

そろそろ住宅を購入しよう、と思った時、ほとんどの人が「自分は、いくらぐらいのマンションが買えるのか」と考えます。その目安の一つに「年収倍率」があります。住宅ローンの借入額の目安であり、「税込み年収の5倍以内」と言われた時期もありました。

現在でも、「無理のない資金計画には、手取り年収の5倍以内」とアドバイスするマネー関係の専門家もいます。手取り収入は税込みの8割程度ですから、「手取り年収の5倍」は「税込み年収の4倍くらい」です。これを守るとすると、買えるマンションの選択肢は、かなり制限されるかもしれません。

では、現状のマンションの価格水準は、どのくらいの年収倍率なのでしょうか。図1は、首都圏で売り出されたマンション価格と平均年収(内閣府「県民経済計算」による会社員の平均税込み年収)の関係を示したものです。

新築マンションは、首都圏平均11倍近くになります。中古マンションでも、千葉県や埼玉県では5倍台ですが、東京都では8倍を超えています。「年収の8~10倍もするのでは買えないよ!」と心配になりそうですね。

しかし、実際には「年収の7~8倍」のマンションを購入している人が少なくありません。仲介営業の現場感覚として、住宅ローン借入額の上限は「年収の7倍程度」という印象があります。年収と同じくらいの頭金を加えれば、年収の8倍くらいのマンションを購入可能というわけです。年収の7倍の住宅ローンを借りても、それまで住んでいた賃貸住宅の家賃より返済額のほうが少なくなったという人も多いのです。

もうひとつ、このデータでは、東京都の新築マンション価格は「年収の11倍」を超えていますが、これは計算のベースが「平均年収」の600万円台だからです。実際に都内で7,000万円程度の新築マンションを購入しているのは、年収1,000万円を超える人が多く、年収7倍程度に収まっていると考えられます。

住宅購入についての「年収5倍論」は、約25年前に生まれていた!

では、なぜ今も「買える家は年収5倍以内」といわれるのでしょうか。

「年収5倍論」が広まったきっかけは、昭和末期のバブルが崩壊して間もない1992年、いまから25年前に遡ります。当時の宮澤喜一内閣が、政府の正式な経済計画として「生活大国5か年計画」を閣議決定しました。その目玉政策のひとつに「大都市圏の勤労者世帯が年収の5倍程度で良質な住宅を買えるようにする」ことを盛り込んだのです。

1980年代後半以降に国土庁長官や建設大臣を歴任した綿貫民輔氏は、1993年の著書『土地は、誰のものか―地価再考』(長谷川徳之輔氏との共著、集英社)で、「(「年収5倍論」は)以前から建設省に『年収5倍住宅』としてあったもので、国会の論議でも出ていた一つの目標です」と語っています。こうしたことから、マスメディアでも取り上げられるようになり、「年収5倍論」が広がって行ったのでしょう。

このころの新築マンション価格のピークは、首都圏平均が1990年の6,123万円、東京都区部は1991年の8,667万円でした。マンション価格自体は、当時の平均年収の10倍以上で、現在と近い水準です。ただ、当時と現在とで、大きく違うことがあります。当時は超高金利時代だったことです。また、住宅購入のための「借り入れ環境」も現在とは大きく異なっていました。そこに「年収5倍論」が生まれた背景があるのです。

編集協力:AllAbout

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