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2017年公示地価、「住宅地価格」は上昇か、下げ止まりか

2017年4月27日

2017年の地価公示では、「上昇」「下げ止まり」と、新聞やテレビなどメディア各社でばらつきが見られました。なぜそのようなことになったのでしょうか。住宅地のほか、商業地や工業地の特徴を含めて、2017年(平成29年)の公示地価を解説しましょう。

【工業地】物流施設でも建物プランのアメニティが重要に

今回、工業地は全国平均で0.3%増と、住宅地よりも高い上昇率を示しました。IT関連市場の急激な成長などを背景に、倉庫や配送センターなどの物流施設の需要が高まっていることが大きな要因の一つです。

また、今年(2017年)2月に、首都圏1都4県を環状に結ぶ圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の茨城県内ルートが開通し、東名・中央・関越・東北・常磐・東関東の6つの主要高速道路とつながりました。利便性の向上、物流コストの低減などを受けて、周辺への企業進出が加速しています。

ただ、「2017年に首都圏で完成する大型物流施設の約半分が圏央道沿い」(日経新聞2017年/2月26日)といわれるように、過度に集中することによる物流施設に対する需給悪化も伝えられています。ネット通販が盛況を極める半面で、競合する総合スーパーが圧迫されて店舗や物流施設を縮小するといったマイナス材料もあります。

こうした動きに加えて、物流施設に対するニーズの変化もあります。従来は立地と規模がもっとも重視されていましたが、最近では建物のアメニティ(快適性)を高め、従業員が働きやすい環境を作ることまで求められるようになってきました。たとえば、カフェテリア、シャワーブース、商業スペースなどを備えた物流施設の人気が高まっています。

つまり、立地だけでなく、建物の良し悪しによってテナントがつくかどうかが左右されるようになっているわけです。今後は工業地についても、土地と建物の総合的な視点が地価に影響するようになるでしょう。


商業地のマンション用地化の動きが、都心から周辺部へ

公示地価とマンション市場との関係について触れておきましょう。

数年前まで、都心部の商業地は、本来の主要な用途であるオフィスや商業施設の敷地としてよりも、「マンション建設の適地」のほうが高く評価され、地価を牽引していると指摘されていました。しかし昨年あたりから、都心部では「マンション用地」よりも「ホテル用地」のほうが高い価格で取引されるようになっています。

今回の公示地価でも、「マンション素地の獲得競争は依然として激しいものの、高額マンションの過熱警戒感が強まり、販売価格の上昇に陰りがみられることから、素地価格の上昇にも鈍化傾向が現れている」(「価格形成要因の概要・東京都区部」)と指摘されています。

その一方で、浦和・川口などの中心商業地では「マンション用地としての需要が堅調」(「価格形成要因の概要・埼玉県」)、東京多摩地区では「駅近の事業用地の需要は強くなく、マンションへの転化や戸建てへの転化が見られる」(「価格形成要因の概要・東京都多摩地区」)といった分析が出ています。商業地のマンション用地化は東京都心から周辺部へ広がっているようです。

ただ、都心から郊外へ地価上昇の波が及んでいるとはいえ、その影響は一部の地域に限られるようです。駅前再開発に伴うマンションと商業施設の複合開発、駅直結タワーマンションなど、それぞれの地域の中心エリアでスポット的に起きている現象といえるかもしれません。

こうした動きが、今後のマンション市場にどう影響するかについては、来月公開予定の記事「価格動向」で触れる予定です。

編集協力:AllAbout

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