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#住宅購入

2019.05.10

タワーマンションと低層マンションのエリアによる傾向

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「湾岸エリアのタワーマンション」と聞くと、根強い人気があることはイメージしやすいのではないでしょうか。一方で、低層マンションを好む人もいます。今回は、東京都内の「タワーマンション」と「低層マンション」について、エリアごとに築年数や棟数の傾向を紹介します。

※ランキングおよび棟数・戸数・階数についてはノムコム「マンションデータPlus」のデータ(2019年1月時点)にもとづきます。これは都内のすべてのマンションを網羅しているわけではありません。

データで見る、「タワーマンション」と「低層マンション」の立地の違い

人気の高いマンションとして、眺望に優れた「タワーマンション」は常に上位に挙げられます。新築分譲時には一般のマンションに比べて契約率が高い傾向があり、中古になっても価格が下がりにくいと言われています。1棟の物件内でも、住戸の広さや間取りタイプ、価格帯のバリエーションが豊富です。

その一方で「あまり高層階だと落ち着かない」という「アンチ・タワー派」や「低層派」もいます。「できれば一戸建てに近いほうが好み」「緑が豊かな雰囲気がいい」といった志向でしょう。低層マンションは、総戸数が20~30戸の小規模物件が多く、同じくらいの規模・価格帯の住戸が中心のため、購入者の所得層が近くコミュニティが形成されやすいといわれます。

ここでは、タワーマンションと低層マンションが多いエリアはどこか、それぞれのエリアにどんな特徴をもったタワーマンション・低層マンションが多いのかをひもといてみましょう。

まず、東京23区内で、タワーマンションと低層マンションのエリア分布を調べてみました。 タワーマンションと低層マンション、それぞれの棟数が多いエリア(区)のトップ10をそれぞれ表1と表2に示しています。

表1.東京23区内のタワーマンションの多い区
順位棟数
港区 67
江東区 45
品川区 32
新宿区 24
中央区 22
豊島区 19
千代田区 12
荒川区 10
台東区 9
10 大田区 8
※ノムコムの「タワーマンションギャラリー」掲載中のマンションを集計(2019年1月時点)

表1が示すように、タワーマンションは東京湾のまわりに位置する湾岸エリアに目立ちます。500戸を超えるメガマンション、同1000戸を超えるスーパー・メガマンションも豊富です。

一方、内陸側に行くほど低層マンションが増えてきます。

都心3区のうち千代田区・中央区は、低層マンションが少ないエリアです。ところが、都心5区の1つである渋谷区やその南の目黒区などには、意外なことに低層マンションが多く、都心だからといって高層や超高層ばかりとは限らないことがわかります。

ウォーターフロントに集まるタワーマンションの魅力

まず、タワーマンションが多いエリアの特徴を見ていきましょう。

■港区 1位/67棟
23区内で、タワーマンションがもっとも多く存在するのが港区です。湾岸エリアでは、山手線「品川」「田町」を最寄り駅とするマンションが多くあります。築10年前後以内(2008年以降竣工)や、メガマンションの割合も高い傾向があります。

ワールドシティタワーズ(港区)

港区では、山手線内側の"山の手エリア"にもタワーマンションが少なくありません。最寄り駅でいうと「赤坂」「青山一丁目」「六本木(六本木一丁目)」「麻布十番」などの3A+Rエリアや、「白金高輪」などのエリアが豊富です。

■江東区 2位/45棟
江東区は、港区に次いでタワーマンションが多く、特に「豊洲」「有明」「東雲」などの湾岸に集中しています。タワーマンションのうち3割弱がメガマンションで、1,000戸を超えるスーパー・メガマンションもあります。また、新しいマンションも多いエリアです。

■品川区 3位/32棟
3番目にタワーマンションが多いのが品川区です。品川区の超高層タワーは、湾岸よりも、やや内側の目黒川沿い=リバーフロントのほうが多いことが特徴です。最寄り駅としては、山手線の「大崎」「五反田」。20階台が中心となっています。

タワーマンション平均戸数トップは「中央区」

■中央区 1位/668戸
中央区のタワーマンションは湾岸の「勝どき」「月島」に集中しており、半数近くが築10年前後以内の新しいメガマンションです。タワーマンション1棟当たりの平均戸数は23区トップです。

ザ・東京タワーズ(THE TOKYO TOWERS)

準都心・郊外のタワーマンションならではの長所

東京23区の西側エリアは、低層マンションの多いエリアですが、タワーマンションも少ないながら存在します。実は、その少なさがメリットになります。

準都心エリアの場合は、周囲に高層建築物が少ない分、眺望の開ける角度が広くなる可能性があります。

また、郊外の東京市部にもタワーマンションは点在しています。「駅徒歩1分」という駅前の複合再開発と同時にできた「駅直結型マンション」も少なくありません。

低層マンションが23区内で最多「世田谷区」

続いて、低層マンションが多いエリアの特徴について、見てみましょう。

表2.東京23区内の低層マンションの多いエリア
順位棟数
世田谷区 552
杉並区 259
練馬区 219
渋谷区 203
目黒区 191
大田区 165
新宿区 140
港区 125
中野区 113
品川区 113
※ノムコムの「タワーマンションギャラリー」掲載中のマンションを集計(2019年1月時点)

■世田谷区 1位/552棟
23区内で中古マンションがもっとも多いのは世田谷区です。区内のマンション全体の平均階数は約6階で、低層マンションが中心なのはイメージどおりでしょう。

同区内でも、高級な低層マンションが多いのが、小田急線沿線の「成城」、東急田園都市線の「駒沢大学」「桜新町」、東急大井町線沿線の「尾山台」「等々力」「上野毛」エリアです。

ヴェルデ上北沢

■杉並区 2位/259棟
世田谷区に次いで低層マンションが多いのが杉並区です。京王井の頭線沿線の「久我山」「浜田山」、JR中央線沿線の「荻窪」の周辺が特に豊富なエリアです。

■練馬区 3位/219棟
練馬区にも低層マンションが多くあります。西武池袋線の「石神井公園」や「練馬」、地下鉄有楽町線の「氷川台」「平和台」などが低層マンションの集まるエリアです。

10階建て以上でも低層? 傾斜地の「低層ファサード」を選ぶ

傾斜地にあるため、法律上は10階建て以上の表記になる場合でも、正面デザインが低層に見える建物を"低層ファサード"と呼びます。こうしたタイプも、周辺環境と調和する低層マンションの一種と考えれば、都心部の「低層」は、より多くなるでしょう。港区の麻布や南青山にはこうした物件も珍しくありません。

プラウド駒込

タワーマンションも低層マンションも、いろいろなバリエーションがあること、エリアの選択肢も多様であることがわかります。いろいろな角度から検討することをおすすめします。

※特に注釈・説明のない限り、ノムコム「マンションデータPlus」に掲載されている23区内の低層マンション(2,752棟)のデータに基づきます。「東京都マンション実態調査(2013年)」では同様のマンションは約28,900棟なので、中古マンションとして流通されているものの傾向としてお読みください。

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