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2024.01.31

Kantei eye 住宅データ白書【2023】近畿圏 新築・中古マンション市場

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近畿圏 新築マンション一戸平均価格は前年比-3.5%の4,965万円 6年ぶり下落
新築平均坪単価は7年連続上昇 中古マンション一戸平均価格は+5.3%の2,758万円で11年連続

新築マンションは一戸平均価格が下落するも、平均専有面積の縮小で坪単価は上昇

2023年の近畿圏の新築マンション一戸平均価格は速報値において4,965万円で、前年の5,147万円から-3.5%下落した。2017年以来となる6年ぶりの下落だが、ここ数年来の上昇が大きかったことによる反動と見られる。

近畿圏では新規供給戸数の減少が継続しており、大型プロジェクトによる高額物件の供給が2024年に控える中での変動と見るべきだろう。平均専有面積は60.13m2で、前年の64.14m2から-6.3%と縮小した。

一戸平均価格の下落と併せて、ワンルームマンションが増加し供給トレンドの変化が起きていると考えられる。その結果平均坪単価は前年比+2.9%の273.0万円で7年連続の上昇となり、一戸平均価格とは反対の動きとなっている。

一方、中古マンションの一戸平均価格は2,758万円で、前年の2,620万円から+5.3%上昇した。2013年以降11年連続の上昇であり、コロナ禍の2020年以降さらに一段上昇が加速。前年に引き続き5%台の上昇率となっている。

価格上昇が続く中、特に築浅物件は高額のため手が届かなくなり、築20年以上の物件が市場でシェアを拡大している状況である。

平均専有面積は65.37m2で前年の63.62m2から+2.8%と拡大へ転じた。平均坪単価は139.5万円で前年の136.1万円から+2.5%の上昇となった。2021年以降は年率5%を超える上昇を続けており、2023年は上昇率が縮小したものの、一戸平均価格と同様に11年連続で上昇している。

※2023年の数値は速報値。2022年の数値は確定値として前年調査から修正した。2023年の確定値は7月に公表する。

新築・中古マンションの専有面積帯別シェア推移新築は広い高額物件とワンルームで二分化

近畿圏においては、首都圏とは対照的にワンルームマンションの分譲戸数増加の影響が速報値においても顕著に出ており、30m2未満のシェアは15.6%→19.9%に拡大した。

一方シェアを縮小させたのは60m2台で26.3%→23.4%と2.9ポイント低下、更に70m2台も29.6→27.9%と1.7ポイント低下している。

60m2台と70m2台という一般的な専有面積が揃って低下したことはあまり例がなく、70m2台が縮小し60m2台が拡大する動きが継続していたので、近畿圏のマンション市場が専有面積の広い高額物件と専有面積の狭いワンルームに二分化していることの表れではないかと考える。

一方中古マンションでは、2023年は平均専有面積が拡大に転じているが、シェア分布を見ると広めの面積帯がシェアを拡大したことよりも、狭い面積帯がシェアを縮小させたことがより影響していると見られる。

30m2未満が13.5%→10.5%と-3.0ポイント縮小しており、最も大きな変動となっている。次いで大きな変動となったのは60m2台で25.5%→27.7%と+2.2ポイント拡大した。100m2以上は横ばいであったが、70m2台は22.9%→23.7%、80m2以上100m2未満は14.9%→15.8%とシェアが拡大している。

新築マンションの徒歩時間別供給シェア7分以内の立地を確保しようとする意図が表れるも、ホテル業者との用地取り合いが再燃

2023年は3分以内のシェアが28.9%→27.6%に縮小し、4分~7分が37.5%→41.2%に拡大した。両シェアの合計は66.4%→68.8%に2年ぶりに反転拡大した。

駅至近の用地取得が難しいものの、7分以内の立地は何とか確保して駅近物件の供給を進めようとする意図の表れであると考えられる。

2024年も駅前大型プロジェクトが予定されており、3分以内のシェア回復が期待されるが、ホテル業者との用地の取り合いがコロナ前と同様に再燃しており、駅至近物件の供給が思うようにできない環境には変化がない。

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提供:東京カンテイ
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