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#マンションリフォーム

2020.12.24

多様な家族構成や住まい方に柔軟に対応!【リビング・ダイニング・居室の間取り】変更のポイント

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今vs.昔、間取りの違いは?

日本人のライフスタイルの変化や多様化の影響を受け、マンションの間取りも数十年で大きく変わってきました。そこで、今回はリビング・ダイニング・居室の間取りについて、今と昔を比較しながら、リフォームのポイントを紹介します。

●1980年代のマンションの間取りは「田の字プラン」が主流
1980年代、限られた敷地内により多くの住戸を収められるという理由から、マンションの間取りはいわゆる「田の字プラン」が普及しました。1980年代の「田の字プラン」の間取りには、次のような特徴があります。

・玄関から奥のリビングに向かって縦長の長方形になることが多い
・玄関側に寝室を配置
・バルコニー側(リビング横)に居室を配置
・水回りは住戸全体の中心あたりに配置
・キッチンは独立タイプが主流
・リビング・ダイニングの他に3部屋以上の間取りが主流
・主にファミリー向け

図1:1980年代に多かった「田の字プラン」の間取り例

キッチンの広さは広くても3畳、リビング・ダイニングの広さは10畳前後というのが標準的な広さでした。なお、当時のマンションはファミリー向けのものが主流でした。当時は、単身者が将来的にも一人でいることを前提に住宅を購入するという習慣があまりなかったこともあると思いますが、同じ形の住戸を数多く確保して供給する方が建築の効率がいい、ということも理由の一つと考えられます。

●現在のマンションの間取りは、単身者向け、DINKS向け、ファミリー向けが混在
現在のマンションの間取りは多様化しています。1K~4SLDK以上まで、広さにすると十数m2~150m2を超えるようなものまで幅広く、1つのマンション内に単身者向け、DINKS向け、ファミリー向けの間取りが一通り揃っているところもあります。

また、LDKを広く取るのも今の間取りの特徴です。リビングに可動間仕切りを設けて、隣接する居室と開け放して広々と使ったり、仕切ってプライベート空間を創出したりと、家族構成の変化やシーンに応じて柔軟に間取りを変更できる仕様などが人気です。

さらに新築の場合は、マンション建築中にウォークイン・クローゼットを書斎に変えるなど、間取り変更が可能なカスタムオーダー化も進んでいます。

図2:リビングに可動間仕切りを設けた間取り例
可動間仕切りを設けたLDK

ここが魅力!今のマンションのリビング・ダイニング

リビング・ダイニングについては、「より広く」というのが現在の最大のニーズです。1980年代と同じ「田の字プラン」の間取りでも、現在ではバルコニー側にリビングを広く取りたいという要望が多く、一方で部屋数を多く取りたいといったニーズもあるため、その双方を叶える可動間仕切りを採用したリビングが増えています。

また、独立タイプが主流だったキッチンは、今はリビング・ダイニングと一体化したLDKがスタンダードです。LDKにすることで、リビング・ダイニングの空間が広く感じられる上、対面式やアイランド型のキッチンならば、家族とのコミュニケーションが取りやすいというメリットもあります。

図3:図1と同じ「田の字プラン」でもキッチンが対面式になりリビング・ダイニングと一体化した間取り

テレビの大型化・薄型化が進んだことから、リビングの壁一面を収納にして、そこにテレビを組み込みたいという要望も増えていますが、これもリビングをすっきり広々と見せる効果があるためでしょう。

個室の間取りは「快適に過ごせるか」を基準に検討しよう

間取り変更をして個室を確保する際には、一日を過ごしたり寝泊まりしたりすることを想定して気を付けるべきポイントがあります。

例えば、エアコンが設置できるかどうかは、その部屋で快適に過ごすための重要なポイントです。しかし、1980年代に建てられたマンションの「田の字プラン」の場合、玄関横の部屋は、共用廊下に面しているため、室外機を置けない場合があります。

快適さに影響を与える要因としては、匂いや音も挙げられます。例えば、トイレや浴室の横に寝室を設ければ、シャワーや排水の音がうるさく感じられるでしょう。

また、部屋の配置によっては、隣家のキッチンの匂いが気になる場合があるかもしれません。そのほかに、北西面の部屋は西日が当たり冬は結露しやすい、マンションの最上階の部屋は夏場にかなり暑くなるといった特徴も考慮して、間取りを検討する必要があります。

間取りを変更したお客様の事例

それでは、実際に間取りを変更するリフォームを行ったお客様の事例を紹介します。

●S様邸の間取りリフォーム
お子様のライフステージの変化をきっかけに、それぞれが暮らしやすいようにしたいと考えたS様は、収納の効率性や動線の改善などにこだわってリフォームされました。

キッチンはオープンタイプに変更、リビング横にあった和室はほとんど使っていなかったため洋室にして、扉を開ければリビングの一部として使えるように。また、押入だったスペースは玄関へとつながるウォークスルークローゼットに変更することで、スムーズな動線を確保しています。

●M様邸の間取りリフォーム
リビング・ダイニングが狭いことにストレスを感じていたM様は、間取りを変更。リビングに隣接する洋室とクローゼットを排し、広々としたリビング・ダイニングにリフォームしました。

その際、床と壁を白色に統一、窓際には造作家具を配置して、ハイセンスな空間を実現しています。壁面の一部にはファミリークローゼットを作りつけ、ものが散らからない快適な暮らしを目指しました。

リフォーム後の広々としたリビング・ダイニング

●K様邸の間取りリフォーム
奥さまが単身時に購入したマンションを、ご結婚を機にリフォームすることにしたK様ご夫婦。リフォームにあたっては、リビングを広く見せたい、収納を二人分に増やしたいというこだわりがありました。

そこで、リビング横の和室だった部分を洋室にし、リビングを拡張した上で壁一面を収納スペースに。玄関の下足入も腰高のものから天井まで高さのある玄関収納に変更し、倍の収納力を確保しました。

リフォーム後、リビング横の和室を洋室にして拡張したリビング

ここに注意!間取りを変更するリフォームで気を付けたいポイント

リフォームの中でも間取り変更を伴うものは大がかりな工事になることが多く、構造上の問題や管理規約の内容をはじめ、さまざまな制約があるのが一般的です。

例えば、リフォームを行うマンションが壁式構造の場合は間取り変更の自由度が低くなります。また、1980年代のマンションに多い直床仕上げでは、配管移動に制約が出たり、配管を通すために二重床にすることで天井高が小さくなったりしてしまうケースがあります。

以下のチェックポイントを参考に、該当しそうな項目については施工会社や管理組合と事前に相談しながら実現が可能かを検討しましょう。

このようにマンションの間取り変更リフォームは制約も多く、大変なこともありますが、リフォームによって得られる変化や効果も大きいものです。ぜひ、プロの意見を参考にしながら、理想の空間を実現していただきたいと思います。

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協賛:野村不動産パートナーズ
野口健(のぐち・けん)

野口健(のぐち・けん)

野村不動産パートナーズ株式会社
建築・リフォーム業界に携わり約20年、マンションのリフォームを数多く手がけ、リフォーム現場の最前線で豊富な経験と広い知見をもとにリーダーとして活躍中。
一級建築施工管理技士、一級管工事施工管理技士の資格を保有。

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