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中古マンション最新トレンド
中古マンション探しから契約まで、購入手続きの実際
2015年10月15日
「マイホームが欲しい」「マンションを購入したい」と思い立ち、情報収集を始めてから新居に引っ越すまでの期間は、人によってさまざまです。現地見学の初日1件目で即決してしまう人もいれば、数十の物件を見ながら何年も決まらない人もいます。
私の経験上、あまりたくさん見すぎると、目移りして決められなくなってしまうケースが多いようです。ライフサイクルの上で「今が買い時」と思えるタイミングを迎えたなら、購入意欲が高まっているうちに決めるほうがいいでしょう。スタートからゴールまでの期間は、通常は1~3ヵ月程度が目安です。
(1)情報収集/
良い物件を持っている不動産会社を味方につける
情報収集の手段といえば、ひと昔前は不動産情報誌や新聞の折り込み広告などの紙ベースが中心で、インターネットが普及し始めると、紙の媒体がWEBサイトに変わりました。それでも、実際に物件を選ぶ段階では、不動産会社に希望条件を伝えて候補を上げてもらい、徐々に絞り込んでいくアプローチが一般的でした。
しかし最近では、お客様自身でインターネットの不動産情報サイトなどで情報収集し、希望に合ったマンションを絞りこんでいるケースが多くなりました。WEBの検索性や、物件の写真や動画も充実してきているので、お客様自身での情報収集・選別が可能になっているのです。
それらを見たうえで、ネットに出ている部屋を仲介している会社にWEBサイトの専用フォームやメール、電話で問い合わせをします。どの不動産会社を通して買うかより、「物件本位で選ぶ」という感覚のほうが近いでしょう。
人気のあるタワーマンションなどは、常に売出状況をチェックしている購入希望者がいますから、新着情報がサイトに出た途端に買い手が決まってしまうこともあり得ます。問い合わせた物件がすでに売れている場合は、購入希望登録をして次に同じマンションから売り出されるのを待つか、希望条件を少し広げて類似の物件を探すという流れになります。
希望に近い物件に早く出合うには、良い物件を豊富に取り扱っている不動産会社を見つけて、資金計画も含めた的確なアドバイスをしてくれる営業担当者についてもらうのが近道です。
(2)現地見学/
人気のあるマンションは、一番に見学できるように予約する
候補がいくつかある場合には、1日で複数の物件を見るのが普通です。なるべくスムーズに回れるように、営業担当者が見学する順序や時間などの段取りをします。空室ならいつでも見学できますが、居住中の場合は、事前に売主とアポイントを取る必要があるからです。
とはいえ、買主側からも予定の希望を出すことはできます。人気のある物件には複数の見学申し込みが入り、1日に4~5件の見学が重なることも珍しくありません。どうしても購入したいという気持ちが強い物件については、その日の一番目に見学できるようにセッティングしてほしいとリクエストしておいてもいいでしょう。
また、申し込みが重なりそうなマンションを希望している場合は、売出情報が出る前でも、周辺環境や交通アクセスなどのチェックは済ませておきましょう。見学当日は室内のチェックと、営業担当者への物件に関する重要事項の確認にとどめ、すぐに購入するか否かを決められるぐらいの準備をしておくことが賢明です。
購入希望の物件候補をあまり絞りこんでいない場合は、室内見学とは別に二度、三度と足を運び、じっくり現地周辺の生活環境も含めて確認するのもいいでしょう。営業担当者に周辺環境やマーケットの状況の説明を受けたりしながら、自分なりに物件の評価を固めて行きます。
いずれの場合も、物件の評価と合わせて、営業担当者が「質問にきちんと答えて納得させてくれるか」、この段階で見極めることも大切です。たとえば、「適正価格かどうか、相場に照らして客観的なアドバイスをしてくれるか」「物件に関するマイナス情報も隠さずに教えてくれるか」などをチェックするとよいでしょう。
こうした対応次第で、営業担当者と信頼関係を結び、この後の契約から引渡しまでを安心して進められるかどうかが分かるからです。
(3)購入申込み/
売買条件を売主と交渉。資金の裏付けをとっておくとよりスムーズ
購入の意思が固まると、営業担当者を通じて売主に「購入申込書」(「買付証明書」ともいいます)を提出します。購入申込書には、購入希望価格、契約と引渡しの希望日、残代金の決済方法、ローン利用の有無などの諸条件を記載します。その内容を見て売主に検討してもらうわけです。
最近では、この時点で購入資金の裏付けをとっておくことが重視されるようになっています。本来、ローンの事前審査は、売主との合意ができてから行うものです。しかし、複数の申し込みが入るような物件の場合、買主の資金内容の良し悪しによって、売主の判断が左右される可能性があります。確実に用意できる自己資金と、金融機関からのローンの内諾があれば、売主にとって「よいお客さん」になりますから、スムーズな交渉がしやすくなるのです。
問題なくローンが組めると思っていたら、他の借入金との関係で予定していたローンの審査が通らない、「キャッシュで買う」といいながら「株価が下がったので資金ができない」、という事態になる買主は珍しくありません。その結果、契約がキャンセルになり振り出しに戻ってしまうことは、売主だけでなく買主自身でも避けたいものです。
売主からの返事は、早ければ即日に来ることもあります。遅くても1週間以内、平均して2~3日で結果がわかるでしょう。売主との交渉は、基本的に営業担当者を通じて行うのが原則です。売主からOKが出ると「売り渡し証明書」を出すケースも増えています。
(4)ローンの事前審査/
融資の種類によって事前審査がないことも
正式な「ローン事前審査」は、買主と売主が合意してから契約する前までに依頼します。最近は、銀行などの民間金融機関の対応も早くなり、事前審査の結果は即日か翌営業日には出るようになりました。通常は平日のみの対応ですが、一部の都市銀行では土日も受け付けています。
ただし、ネットバンク系やフラット35の場合は事前審査の手続きがありません。いきなり本審査になるため、ローンの承認が下りるまでに1~2週間かかることもあります。それだけ契約までの日程が長引いてしまうのです。その結果、急いでいる売主だと、承認まで待ってくれない場合もあります。どの融資を利用するかによって、承認までに必要な日数が異なることに注意してください。
なお、フラット35を扱う金融機関のホームページなどを見ると「フラット35の事前審査」という表示も出ています。しかし、フラット35の融資をするのは「住宅金融支援機構」で、金融機関はその窓口を担っているという関係にあります。つまりこの場合の事前審査は窓口の金融機関のサービスにすぎないものです。窓口の事前審査が通っても、住宅金融支援機構が行う「本審査」で承認が得られないケースは珍しくありません。実質的に「本審査のみ」と考えておいたほうがよいでしょう。
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