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信頼できるパートナー選びを急ぐ

インターネットの物件検索サイトなどを通じて、希望条件に近い物件の動向や価格相場などをつかんだら、物件選びの早い段階で、信頼できる不動産仲介会社を見つけることを急いだほうがいいと思います。それがゴールへの近道です。

最近のインターネットでは、物件概要だけでなく豊富な写真や動画、現地周辺のタウン情報までチェックできるので、かなりリアルな状況がわかります。ネットだけでもある程度まで狙いを絞ることはできるでしょう。

しかし、ネットに出ている情報だけでは、購入の決断まではできないでしょう。仲介会社では、さまざまな情報を持っています。価格の妥当性やほかの部屋の売り出し状況、売れ行き、また修繕履歴などのマンション全体の情報の効率的な調べ方を知っており、購入希望者では知り得ない情報も持っています。早めにこのような中身の濃い情報に接して、最終的な判断ができる材料を集めたほうが、ゴール（入居）までの距離を縮めるのに有効だと思います。

もちろん、買主自身による現地見学も重要です。室内の傷み具合、管理状態などは現地を見ないとわかりません。その際に、プロの目でチェックしてくれる仲介会社の営業担当者がいたほうが、効率的に物件を絞り込めるでしょう。必要に応じてインスペクター（建物検査員）と提携している専門業者を手配するなど、同時並行で手続きを進めて時間を短縮できるからです。

リフォームやリノベーションを予定している場合は、仲介会社の営業担当者との最初の打ち合わせの段階で、資金計画の相談と併せて「リノベーション希望」と伝えておくことが大切です。物件の構造や内装設備の状況によっては、想定していた費用に収まらないこともよくあります。早めにリフォーム業者と接触して正確な見積もりを取っておくことが理想です。現地見学にリフォーム業者に同行してもらったり、仲介会社を通じてリフォーム業者に概算の見積りを依頼することもできます。

仲介会社の担当者との信頼関係ができあがれば、売り出し相談を受けた段階の未公開物件の情報を提供してもらえる可能性もあります。「この部屋は先週売れてしまったが、同じマンションの別の部屋の売却相談を受けているため、来週に売り出す予定」といった情報を知らせてくれるかもしれません。

売主との交渉に長けた仲介会社の営業担当者に任せる

物件候補が2～3件に絞れたら、いよいよ売主との交渉に臨みます。この段階ではさらに、信頼できるパートナーとしての営業担当者がいるかどうかによって、スムーズに進められるかが分かれます。

たとえば、候補物件が３つあり、次のような位置づけだったとしましょう。

　・Ａ物件　希望条件に一番近く夫婦の意見が一致しているが、価格がやや予算オーバー
　・Ｂ物件　予算内で、ある程度希望を満たしているが、夫が譲れない条件のひとつが合わない
　・Ｃ物件　予算内だが妥協点が多く、妻がこだわる条件の満足度が落ちる

このような場合、まずＡに対してチャレンジするのが常道でしょう。つまり、希望購入価格を記した買い付け証明書（購入申込書）を出すわけです。営業担当者は、これをもとに売主と交渉に入ります。

通常は、交渉開始から2～3日で最初の結論は出ます。価格に対して売主が難色を示している場合は、もうひと押しすれば折れてくれるのか、これ以上は無駄な交渉になるのか、その見極めがポイントです。

もし売主がまったく妥協しないと判断したら、早めに第一候補はあきらめてＢ物件の交渉に入ったほうがいいでしょう。Ａ物件の価格交渉に手間取っているうちに、Ｂ物件が売れてしまうかもしれません。最終的に、ＡもＢもダメで、Ｃしか残っていないということもありえます。

このあたりの判断は、現場で数多くの駆け引きの経験を重ねた営業担当者の「肌感覚」によるところが大きいともいえます。中古マンションは"生き物"です。常に変化する状況を読みながら、買主をゴールまで責任をもって導いてくれる仲介会社、そして営業担当者を選ぶことが大切です。

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