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必要書類の準備、クレジットカードの扱いに要注意

売買契約後の手続きでもっともスケジュールに影響するのが、ローン関係でしょう。ローン申込みから融資実行までに、3～4週間かかるのが一般的です。ということは、3月末までに引っ越しを目指すなら、2月中旬くらいまでには売買契約を済ませ、融資実行に合わせて残金決済・引き渡しの時期を調整する必要があります。

時間がかかりがちなのが、ローン手続きに必要な書類の準備です。会社員の場合はそれほど難しいことはありません。しかし、前年の収入を証明するために必要な源泉徴収票は、紛失すると再発行に1週間以上かかることもあります。自営業者の場合は、用意しなければならない書類が多いため、ローン申し込みよりもかなり早い段階で必要書類の準備をしておきたいところです。

通常のローン手続きでは、売買契約に先立つ事前審査でOKが出れば、正式に申し込みをした後の本審査で落ちるケースはまれです。本審査が通れば、残金決済・引き渡しの時期に合わせてローン契約（金銭消費貸借契約）をして、融資実行を待つだけです。

しかし、本審査の承認が下りたからといって安心はできません。たとえ数万円でも、新たな借り入れをするときは、融資実行が済んだ後にすることが賢明です。たとえば、融資承認から融資実行までの間に、カードのキャッシングで新居用の家具を買ってしまった買主が、決済の直前に銀行に信用情報を再チェックされ、融資実行にストップがかかったケースがありました。

キャッシング専用のカードを持っていると、1円も借りていなくても、キャッシング枠（融資限度額）まで借りているものとみなされて、住宅ローン融資額を削られることもあります。クレジットカードも、キャッシングを利用しているとキャッシング枠全体を借り入れと見なされるので注意が必要です。

ローン手続きが短時間で済む金融機関を選ぶ

ローン申し込みから融資実行まで3～4週間という目安は、通常の時期を想定したものです。

ハイシーズン中、しかも3月末に近づくほど、金融機関も手続きが重なり非常に混み合ってきます。決済（融資実行）は立会者が多くなるため、あまりギリギリのスケジュールで進めている日程が組めなくなるおそれもあります。銀行によっては司法書士が「自行指定」というケースも多く、司法書士のスケジュールが合わないために融資実行日を遅らせてほしいと言われることもあります。

このような事態を想定して、比較的手続きがスムーズに進む金融機関を選ぶのも混雑回避のコツといえます。一例を挙げると、銀行の中では、都市銀行よりも信託銀行のほうが融資実行までの時間が短い傾向があります。都市銀行は申し込み件数が多いこともあって、決済の日程調整に手間取りやすく、しかも決済当日の手続きでも時間がかかります。

決済当日は、銀行の支店に関係者が集まり、融資実行に必要な書類や登記を依頼する司法書士への委任状、売主や仲介会社と交わす書面などを作成していきます。銀行の担当者はその間に融資実行、つまり借り入れ資金を買主の口座に振り込む手続きをするのですが、都市銀行ではその時間が長いことが多いのです。ほかの手続きが終わっても、融資実行だけが終わらず、1時間以上も待つことは珍しくありません。

一方、信託銀行の場合は、都市銀行ほど取り扱い件数が多くないため、買主側の意向に合わせたスケジュールが組みやすいといえます。信託銀行では司法書士も指定されないことが多いため、仲介会社のほうで引き渡しのスケジュールに合う司法書士を手配できるのです。

また決済当日も、関係書類の作成が終わるタイミングで、雑談をする間もなく融資が実行されることもあります。支店や担当者によっては、事前に必要な書類を送ってくれて、可能な事務手続きを早めに進行し、決済当日はほとんど融資実行を待たないように手配してくれるところもあります。

購入スケジュールが限られている場合は、融資条件だけでなく手続き面も含めてベストな金融機関を選ぶことも大切でしょう。

最後に、3月も中ごろを過ぎる入居では、引越会社の予約が取れないために残金決済・引き渡しの日程をずらしてほしいという要請が増えてきます。引き渡しを決めてから引越会社の手配をする人もいますが、3月に入ってから探してもなかなか希望通りにはいきません。

その場合は、残金決済・引き渡しの手続きを3月末までに終わらせ、引越し自体は4月の1週目か2週目に伸ばすことで乗り切ることも可能です。4月以降になると、引越料金も少し安くなることが多いです。

4月からの新生活スタートに向けて、ぜひ良い住まいを見つけてください。

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