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中古マンション最新トレンド
タワーマンションと低層マンション、エリアの特徴とは?
2017年9月28日
<今回のポイント>
■データで見る、タワーマンションと低層マンションの「立地」
■ウォーターフロントに集まるタワーマンションの魅力
■タワーマンション平均戸数トップは「中央区」
■準都心・郊外のタワーマンションならではの長所
■渋谷区や目黒区はタワーと低層どちらが多い?
■10階建て以上でも低層?傾斜地の「低層ファサード」
※ランキングおよび棟数・戸数・階数についてはノムコム「マンションデータPlus」のデータ(2017年9月時点)にもとづきます。これは都内のすべてのマンションを網羅しているわけではありません。
データで見る、「タワーマンション」と「低層マンション」の立地の違い
人気の高いマンションとして、眺望に優れた「タワーマンション」は常に上位に挙げられます。新築分譲時には一般のマンションに比べて契約率が高い傾向があり、中古になっても価格が下がりにくいと言われています。1棟の物件内でも、住戸の広さや間取りタイプ、価格帯のバリエーションが豊富です。
その一方で「あまり高層階だと落ち着かない」という「アンチ・タワー派」や「低層派」もいます。「できれば一戸建てに近いほうが好み」「緑が豊かな雰囲気がいい」といった志向でしょう。低層マンションは、総戸数が20~30戸の小規模物件が多く、同じくらいの規模・価格帯の住戸が中心のため、購入者の所得層が近くコミュニティが形成されやすいといわれます。
今回は、タワーマンションと低層マンションが多いエリアはどこか、それぞれのエリアにどんな特徴をもったタワーマンション・低層マンションが多いのか、をひもといてみましょう。
まず、東京23区内の中で、タワーマンションと低層マンションのエリア分布を調べてみました。不動産情報サイト「ノムコム」の「マンションデータPlus」に登録されているマンションのうち、東京23区内の約9,800棟、60万戸についてのデータです。
タワーマンションと低層マンション、それぞれの棟数が多いエリア(区)のトップ10をそれぞれ図1と図2(次ページ)に示しています。タワーマンションは、湾岸エリアを始めとする都区部の中心から東側、低層マンションは、いわゆる"山の手エリア"と呼ばれる西側に集まっているのが大きな特徴です。
図1.東京23区内のタワーマンションの多い区
※ノムコムの「タワーマンションギャラリー」掲載中のマンションを集計(2017年9月時点)
図1が示すように、タワーマンションは品川区、港区、中央区、江東区という東京湾のまわりに位置する湾岸エリアに目立ちます。「ウォーターフロント」とも呼ばれ、、容積率などの規制緩和が進んだ2000年以降に、工場や倉庫、旧国鉄用地などの跡地の再開発が進み、タワーマンションが多くなりました。
開発規模が大きいため、500戸を超えるメガマンション、同1000戸を超えるスーパー・メガマンションも豊富です。1990年代までは20~30階が主流でしたが、2000年以降は40~50階台も珍しくなくなりました。住戸の向きによって、西・陸側の「東京タワー・ビュー」、北・陸側の「スカイツリー・ビュー」、東・海側の「レインボーブリッジ・ビュー」など、それぞれに好みで選べる物件も少なくありません。
一方、内陸側に行くほど低層マンションが増えてきます。都心部では、大手デベロッパーとスーパーゼネコンがコンビを組んだ超高級邸宅が豊富です。価格が高くなるほど、街自体の格式、造り手のブランド力が共に重視されるからでしょう。
都心3区のうち千代田区・中央区は、低層マンションが少ないエリアです。実際に「千代田区分譲マンション実態調査(2013年)」では、5階建て以下の低層マンションは17棟のみです。中央区については同種の調査はありませんが、容積率400%以上の住居地域や商業地域が中心ということもあり、低層マンションはほとんどないといってもいいでしょう。
ところが、都心5区の1つである渋谷区やその南の目黒区などには、意外なことに低層マンションが多く、都心だからといって高層や超高層ばかりとは限らないことがわかります。こうした点を踏まえて、各エリアの動向を詳しく紹介しましょう。
ウォーターフロントに集まるタワーマンションの魅力
まず、タワーマンションが多いエリアの特徴を見ていきましょう。
■港区 1位/60棟
23区内で、タワーマンションがもっとも多く存在するのが港区です。湾岸エリアでは、山手線「品川」「田町」を最寄り駅とするマンションが多くあります。築10年以内(2008年以降竣工)、メガマンションの割合も高い傾向があります。
港区では湾岸エリアに限らず、山手線内側の"山の手エリア"にもタワーマンションが少なくありません。湾岸エリアに比べると規模は小さめで、20階台、100~200戸台が中心になっています。最寄り駅でいうと「赤坂」「青山一丁目」「六本木(六本木一丁目)」「麻布十番」などの3A+Rエリアや、「白金高輪」などのエリアが豊富です。
■江東区 2位/41棟
江東区は、港区に次いでタワーマンションが多く、特に「豊洲」「有明」「東雲」などの湾岸に集中しています。40階建て以上の12棟はすべて湾岸です。タワーマンションのうち3割弱がメガマンションで、1,000戸を超えるスーパー・メガマンションも3物件(すべて豊洲)あります。また、築10年以内が3分の1と、新しいマンションが少なくありません。
■品川区 3位/30棟
3番目にタワーマンションが多いのが品川区です。港区とは違い、品川区の超高層タワーは、湾岸よりも、やや内側の目黒川沿い=リバーフロントのほうが多いことが特徴です。最寄り駅としては、山手線の「大崎」「五反田」。20階台が中心となっています。
■新宿区 4位/23棟
タワーマンションの多い区の4位は新宿区です。新宿区は、1970年代からオフィスやホテルなどの超高層ビル開発が始まった"元祖超高層タウン"。超高層タワーマンションも「西新宿」周辺に集まっていますが、最近は「東新宿」や「新宿御苑前」の駅周辺にも見られます。60階を超える物件も計画されています。
タワーマンション平均戸数トップは「中央区」
■中央区・豊島区 5位/21棟
中央区のタワーマンションは湾岸の「勝どき」「月島」に集中しており、半数近くが築10年以内の新しいメガマンションです。50階建て以上だけでも7棟あり、タワーマンション1棟当たりの平均戸数681戸は23区トップです。
豊島区はタワーマンションの棟数では中央区と同じですが、20~30階建ての中規模が多く、「池袋」周辺に集まっています。その他、都心5区に入る千代田区や渋谷区は、グッと少なくなり10棟前後となっています。
準都心・郊外のタワーマンションならではの長所
東京23区の西側エリアは、低層マンションの多いエリアですが、タワーマンションも少ないながら存在します。実は、その少なさがメリットにもなるのです。
タワーマンションが数多く存在する都心部の場合は、どうしても眺望の良い方角が限られる面があります。これに対して準都心エリアの場合は、周囲に高層建築物が少ない分、眺望の開ける角度が広くなる可能性があるわけです。
また、郊外の東京市部にもタワーマンションは点在しています。「駅徒歩1分」という駅前の複合再開発と同時にできた「駅直結型マンション」も少なくありません。その地域を代表するランドマークとなっているケースが多いといえるでしょう。
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