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贈与税の基礎知識贈与税がかからない住宅取得資金の贈与

どのような特例か

 父母(または祖父母などの直系尊属)から18歳以上の子(養子を含む。)又は孫が住宅の取得(または増改築)資金の贈与を受けた場合に受けられる特例です。

(注)令和4年3月31日以前に受けた贈与については20歳以上であることが要件となります。

 

贈与税がかからない金額はいくらか

 この特例により贈与税が非課税とされる金額は、受贈者(子(養子を含む)又は孫)の合計所得金額が2,000万円以下(新築等をする住宅用の家屋の床面積が40m2以上50m2未満の場合は、1,000万円以下)という要件を満たせば、次のとおりです。

契約の締結日 省エネ等住宅(※1) 左記以外の住宅
2022年1月~2023年12月 1,000万円 500万円

(※1)「省エネ等住宅」とは、次のものをいいます。
省エネ等基準(断熱等性能等級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上若しくは免震建築物であること又は高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること)に適合する住宅用の家屋であり、証明書を贈与税の申告書に添付することにより証明されたもの。

(※2)既にこの規定の適用を受けたことがある場合には、その受けた金額を控除した残額を非課税限度額としてこの規定を適用することができます。

(※3)本特例の適用については、個人間の売買で消費税がかからない場合や、土地だけを購入した場合も含みます。

 

取得する住宅や増改築の要件は

 受贈者は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その資金を充てて自己居住用家屋の新築(取得を含む。以下新築等)あるいは増改築等をし、居住しなければなりません。取得する住宅等の要件は、次のとおりです。

ア)取得する住宅の要件

  • 取得する家屋の床面積は、50m2(贈与年分の合計所得金額が1,000円以下の場合は40m2)以上240m2以下で、かつ、床面積の2分の1以上が自己居住用であること。

    ※床面積は、登記簿上表示される面積をいいます。

  • 中古住宅を取得する場合、以下のいずれかに該当すること。
    1. 昭和57年1月1日以後に建築されたもの
    2. 建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの
    3. 上記①および②のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その住宅用の家屋の取得の日までに同日以後その住宅用の家屋の耐震改修を行うことにつき、一定の申請書等に基づいて都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの
    ※令和4年1月1日以後において、築年数要件は廃止となりました。
  • 受贈資金の全額で、翌年の3月15日までに住宅を新築等(敷地も含む)し、居住すること(または遅滞なく居住するのが確実である場合を含む)。

イ)増改築の要件

 受贈者が所有する家屋について行う増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替えその他の工事で次の要件を満たすものをいいます。

  • 増改築の工事費用が100万円以上であること。
  • 増改築後の家屋の床面積は、50m2(贈与年分の合計所得金額が1,000円以下の場合は40m2)以上240m2以下で、かつ、床面積の2分の1以上が自己居住用であること。
  • 増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。

なお、住宅の新築等に先行して取得する土地等も適用対象となります。

 

相続時精算課税制度との関係

 以上の特例によれば、上記表中の金額までは贈与税は非課税とされるので、住宅取得資金の贈与を行う場合には、この特例を使えばよいでしょう。ただし、表の非課税限度額を超える住宅取得資金の贈与を受けたいときには、この特例と併せて相続時精算課税制度の適用も検討すべきです。なお、60歳未満の父母から住宅取得等資金の贈与を受け、相続時精算課税制度の特例の適用を受けた場合で、遅滞なく居住しなかった場合には、相続時精算課税制度の特例の適用はなかったものとして、暦年課税により贈与税の計算をすることとなるため注意が必要です。

 
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