土地や住宅を購入したとき、この機会に妻や子との共有にしておきたいと考える人も多いようです。しかし、購入資金をすべて夫が出している場合は、妻や子に贈与税がかかってしまいます。
また、夫婦共働きでそれぞれが資金を出しあったのに、住宅の名義を夫のみで登記すると、今度は夫の方に贈与税がかかってきます。
このように、不動産の取得時には、資金負担者の名義をもって正当な所有権登記をし、この時期に贈与税の課税問題を発生させないことが大切です。
- 土地や建物を共同の資金で取得する場合には
それぞれの出資比率の「持分」で所有権の登記を行います。たとえば、1 階が夫、2階が妻という分け方をする所有権の区分登記は、その各戸の建物部分が独立して機能する構造となる必要があります。
- 既存の建物に増築をする場合は
増築した部分が独立した一戸の建物としての構造を有さない限り、その増築部分は不動産の「付合」により、既存の建物の所有者が所有権を取得することになります。
(注)父親名義の建物に子が増築するような場合の所有権名義については、贈与と譲渡の問題が発生します。
- 不動産取得の際の資金について
土地や建物の取得には多額な資金が必要です。不動産を取得すると、税務署から資金の出所について照会文書が送られてきますので、これに回答しなければならず、資金の出所は納得のいくものでなければなりません。
- 銀行などから融資を受けて建物を取得する場合は
原則として、その建物の名義は融資申込人の名義としなければなりません。もし、共有名義にするならば、融資申込人についても共有とし、共有者は同居する人(直系親族除く)でなければならないとされています。
<相続・贈与の内容について>
本コンテンツの内容は、2023年4月1日現在施行されている法令に基づき作成しました。
ご利用の際は、税理士・税務署等、適切な専門家にご確認のうえ判断いただくようお願いします。