新築でも中古でも、マンションを選ぶには予算と必要な広さを基にエリアを絞り込んでいく方法が一般的ですが、マンション選びは人生の多くの時間を過ごす"大切な器"選びですから、マンションだけを見て決めるのではなく違った側面から検討することも必要です。ここでは少し視野を広げてマンション選びを考える方法をご紹介します。

マンション選びは街選び！

マンション選びは"どこでどのくらいの広さのものが、いくらで買えるのか"ということばかりに関心が行きがちですが、マンションは「住まい」なのですから「周辺環境」を見ずして購入することはできません。実はマンション選びは"街選び"でもあるのです。中古マンションに限って言えば、自分が住みたいと思う街の不動産会社に予め条件を伝えておいて、その条件に適う物件が市場に出てきたら教えてもらうという"ウエイティング"で物件を探すこともできます。

"職"は職場や学校への交通利便性です。単に都心に近いとか駅前であるとかの交通利便性も大切ですが、自分と家族が便利に通勤通学できるかどうかという特定の交通利便性を考えて街を選ぼうということです。

次の"住"はもちろん居住快適性のことです。住んでみたい街に自分の購入条件に適うマンションがないのに、住みにくいマンションを敢えて選ぶ必要はありません。

"遊"は単に遊ぶということではなく、余暇を楽しく過ごしたり、生活のちょっとした潤いがあるかという観点での基準です。ショッピングセンターだけでなく、カフェや図書館、緑の多い公園や小高い丘、水辺なども"遊"の重要な要素です。この"職・住・遊"がバランス良く整っている街は、まずは"住みやすい街"の有力な候補と考えて良いでしょう。

次はバリエーションのキーワード"医・学・食"です。これは万人に必要と言うことではないかもしれませんが、あると嬉しいし、人によってはないと困る重要な要素です。

"医"は医療機関です。いざという時に安心して頼ることができる総合病院や大学病院、もしくは専門病院を指します。医療は地域医療が基本ですから、重篤な疾病や怪我をした時に頼りになる病院の存在は、特に高齢者、幼児がいる家庭では街選びのポイントとなるでしょう。

"学"は主に人気の中高一貫校や有名国立大学や私立大学に進学率の高い学校の存在を指します。つまりお受験世代のお子様を持つ家庭にとって、地域の教育水準は大きな関心事ということです。また、語学教室やカルチャーセンターなどが多く、何かを学ぼうとする意欲が伝わる街という点も地域の教育環境を考えるときには見逃せないポイントです。

"食"は有名店があるということではなく、店のこだわりを街の人たちが歓迎しているかどうかという意味で、街の文化度や成熟度を象徴するキーワードです。街に住む人々が地元の店を大切にして買い物をすることで地域の経済環境は維持されますから、街の経済的な安定度を見る上でも大切です。

最後の"快"は街選びの視点ではありません。上記6つのキーワードがバランス良く整っている街が、自分と家族が住むということを考えた時に好ましいものであるかどうかをチェックするためのものです。つまり街の総合力が住む上で快適だと考えるか、あるキーワードが特別に優れている街を選ぶか、という街との相性もチェックするべきです。

これらのキーワードを通じてわかることは、マンションだけ見て選んでいても本当の居住快適性はわからないということです。 "マンション選びは街選び"であるということを意識して、自分と家族が末永く快適に住めるマンションを見つけ出して下さい。