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2020.10.29

Kantei eye 【首都圏】コロナ流行の不動産市場への影響(戸数・坪単価)

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コロナウイルス流行で4月~6月に新築マンション戸数は激減、中古は僅かに減少
マンションの減少を好機と捉えた新築建売戸建ての新規供給が4月~6月には増加するも、7月~9月は反動でやや減少

新築マンションは4月~6月に大幅減、7月~9月は8割程度戻る

新築マンションの供給戸数は、4月7日に「緊急事態宣言」の発出(同月16日に全国に拡大)で事実上デベロッパーの分譲業務が継続困難となったことで宣言が解除された5月25日まで供給戸数は極めて低水準となった。7月~9月は供給戸数が前年の8割程度に回復した。

大手デベロッパーも一時期は東京都心部での高額物件の新規用地取得を見合わせ価格の動向を探るなどに注力したため、分譲物件が自ずと絞り込まれた。しかし7月~9月には明らかに供給戸数は増加している。都心高額物件の国内需要により8割程度の戸数水準にまで戻ったと考えられる。

中古マンションは4月~6月に約20%減、7月~9月は戻る

中古マンションは既存ストックから売り住戸が発生するため新築マンションより広域に供給が分布している。コロナの影響が強くなかった時期では人口の多い都市では郊外でもマンションストックの蓄積がなされているため一定の供給が見られるが、3ヵ月で300戸以上の供給がなされる地域は東京23区に集中していることがわかる。

4月~6月には3カ月に300戸以上の戸数を供給した行政区が東京23区以外では川口市と船橋市のみとなったが極端に供給立地が縮小するような状況にもなかった。7月~9月では4月~6月と比較して供給エリアの変化は小さくなっている。東京23区の分布はほぼ変化がない状況となっている。

この点からも4月~6月に新築マンションほど大きな落ち込みがなかった分、回復も小さいという結果となっている。

コロナウイルス流行でも新築マンション、中古マンションの価格はいずれも安定傾向維持
新築マンションと中古マンションでは坪単価に大きな変動はない

新築マンションは4月~6月にも価格水準は概ね維持

1月~3月では坪単価が300万円以上の地域は東京23区では北東に位置する4区以外に分布し、都下では武蔵野市や小金井市、調布市で、横浜市ではみなとみらい地区の中区や西区、東急田園都市線沿線の青葉区、京浜東北線沿線の川崎市川崎区、武蔵小杉駅のある中原区で300万円以上となっている。

4月~6月には緊急事態宣言の影響により新築マンションの新規供給戸数が大きく減少したため、供給されず坪単価の色が無色となっている行政区が増加したが、大型JV物件などが継続分譲されており、それらの価格が変動しなかったため、坪単価の高額エリアは拡大も縮小もほぼ見られない。7月~9月もほぼ同様の傾向を踏襲した。

中古マンションは緊急事態宣言下でも坪単価は変動せず

坪単価が200万円以上の行政区を桃色で示した。1月~3月には東京23区では北東の5区以外すべてで、都下では武蔵野市、三鷹市や国分寺市で坪単価200万円以上となっていた。

4月~6月には新規の中古マンションの数が減少したものの、住戸の多くは在庫として価格を変えずに市場に滞留し続けたため、中古マンションの坪単価も大きな変動を起こすことなく推移した。

八王子市では坪単価がこの期に99.7万円と下落して無色となったが、横浜市瀬谷区のような平均坪単価の上昇した行政区も多く見られ、郊外で坪単価が一様に下落したという状況ではない。

7月~9月では、ほぼ1月~3月の坪単価分布に戻る動きを示している。高額化も低額化も起こっていないと見るべきである。

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提供:東京カンテイ
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