2018年にリセールバリューが最も高かった駅は「原宿」の173.4%
対象630駅のうち100%超えは138駅、資産価値が3割以上も目減りした駅は30駅
首都圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は630駅で、その平均値は91.4%となった。対象物件が分譲されていた当時は概ねミニバブル期のピークであった2008年頃で、その後に一旦下げたマンション価格の水準は2013年以降に再び上振れることとなった。
東京都心部やその周辺エリア、横浜・川崎エリアを中心に新築マンション価格はミニバブル期のピークを大きく超え、中古マンション価格も連れ高の様相を呈して高水準に達している。
主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅=新築分譲時の価格以上で中古流通している駅)は、JR山手線の内側や周辺エリア、城南~横浜にかけてのエリアを中心に数多く分布しており、郊外エリアでは散見される程度である。
対照的に、都下や周辺3県では低いリセールバリューを示す駅が目立ち、都心から離れるほど数値も低くなる傾向が見て取れる。郊外ターミナル駅では特急や快速列車が利用できることもあり、資産価値の目減りはさほど大きくない。
一方、ターミナル駅以遠のエリアや都心部までのアクセスに乗り換えが必要な環状線沿線などに位置する駅では、昨今の価格上昇局面においても資産価値が2割~3割ほど目減りしている状況にある。
対象となった630駅の内訳を見ると、青色が138駅(シェア21.9%)、緑色が167駅(同26.5%)で、全体の5割弱の主要駅で首都圏平均のリセールバリューを概ね上回っていた。駅数では橙色の204駅(同 32.4%)が最も多く、主にJR武蔵野線~南武線よりも郊外寄りに位置するエリアで多く見られる。
また、赤色は 91 駅(同 14.4%)、新築分譲時に比べて資産価値が 3 割以上も目減りしていた桃色は30駅(同4.8%)を数え、その大半が都下や千葉県の郊外エリアに位置している。
2018年に最もリセールバリューが高かった駅はJR山手線「原宿」の173.4%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて7割以上も値上がりしていた計算になる。
新築分譲時のマンション価格は坪418.5万円と立地相応に高額ではあったが、該当物件がいずれも最寄駅から徒歩圏内という好条件の高級レジデンスやタワーマンションで、新規分譲がさほど多くないエリアのために希少性が高いことなども影響し、築後10年を経ていながらも資産価値が大幅に上昇する結果となった。
JR山手線の南側エリアの中でも千代田区や港区などには例えば番町や3Aエリア(麻布、赤坂、青山)をはじめ、富裕層から高い人気を集める高級住宅地が存在しており、昨今のような価格高騰局面においては既存マンションの資産価値も一段と高まりやすい傾向にある。
それ以外では「淡路町」や「豊洲」など、JR東京駅周辺のオフィス街に短時間かつダイレクトにアクセスできる駅が多く登場してきている。
これらの駅では"職住近接"ニーズの高まりで元々のアクセス性の良さが再評価されたことや大規模再開発を経て街のポテンシャルが向上したことに起因して、いずれも高いリセールバリューを示している。
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