2018年にリセールバリューが最も高かった駅は「大阪」の173.7%
対象283駅のうち100%超えは65駅、資産価値が3割以上も目減りした駅は13駅
近畿圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は283駅で、その平均値は91.6%となった。住宅地として高い人気を誇る阪神エリアの駅では資産価値の大きな目減りはなく、「芦屋」や「摂津本山」など100%を上回る駅も存在している。
ただ、2013年以降続く価格高騰の流れを受けて、国内外の富裕層からのセカンドニーズが旺盛な京都市中心部や職住近接の居住エリアとして実需・投資の両ニーズを集めている大阪市中心部においては価格上昇が顕著となってきており、高いリセールバリューを示す駅数でも前述の阪神エリアを大きく上回ってきている。
主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅は主に京阪神エリアに分布しており、特に各都市中心部ではその数も多い傾向にある。
大阪市中心部に関しては、梅田北ヤードでの大規模再開発を端緒に市内各所でも商業施設や日常生活を送る上での便利施設などが整備されて職住近接の居住エリアとして新たに認識され始めたこと、さらには分譲当時には抑え目な価格に設定されていたことも相俟って、今回のように高いリセールバリューを示す結果となった。
対象となった283駅の内訳を見ると、青色が65駅(シェア23.0%)、緑色が72駅(同25.4%)で、全体の5割弱の主要駅で近畿圏平均のリセールバリューを概ね上回っていた。駅数では橙色の84駅(同29.7%)が最多で、基本的には近畿圏の近郊~郊外エリアに分布しているが、前述の3都市中心部にも散見されている。
また、赤色は49駅(同17.3%)を数え、新築分譲時に比べて資産価値が3割以上も目減りした桃色は13駅(同4.6%)に留まっている。
2018年に最もリセールバリューが高かった駅はJR環状線「大阪」の173.7%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて7割以上も値上がりしていた計算になる。
新築分譲時のマンション価格は坪218.1万円で、京都市や神戸市の中心部に比べて割安であったものの、梅田北ヤードでの大規模再開発を経て駅周辺のポテンシャルが向上し、元来からの交通利便性の高さも改めて評価されたことで、築後10年を経た価格は前述した2都市の中心部を上回って資産価値が大幅に上昇する結果となった。
ランキング上位30駅のうち2/3に相当する20駅が大阪エリアで占められており、その大半が「本町」や「難波」など市内中心部に位置している。これらの駅では商業エリアの色合いが強く、かつては居住エリアとしてさほど人気を集めていなかった。
そのため、立地優位性や交通利便性が良好な割に新築分譲時のマンション価格が坪200万円を下回ることも珍しくはなかったのだが、その後の駅前再開発などによって生活利便性が向上したことで"職住近接"を可能とする新たな居住エリアとして認知されるようになり、中古流通時のマンション価格も大幅に上昇する状況に至っている。
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