2018年にリセールバリューが最も高かった駅は「名古屋」の144.8%
対象114駅のうち100%超えは9駅のみ 資産価値が2割~3割ほど目減りした駅が最多
中部圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は 114 駅で、その平均値は84.9%となった。中部圏では住宅購入を検討する際に、値頃感があって広い建物面積や駐車スペースも持ち合わせる一戸建て住宅が選好されやすい。
そのため、分譲マンションは高額になるほど価格訴求力で相対的に劣ってしまい、売れ行きが鈍くなることから上値が抑えられる形となる。
近郊~郊外エリアに位置する住宅地では特にその傾向が強く、昨今のような価格高騰局面においても中古マンションの資産価値は目減りしており、人気が高い東山エリアもその例外ではない。
主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、基本的には名古屋市中心部で資産価値が高く保たれている傾向にあり、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅はJR名古屋駅の東側エリアに散見される。
対象となった114駅の内訳を見ると、青色が9駅(シェア7.9%)、緑色が23駅(同20.2%)で、リセールバリューが90%以上となったのは全体の3割弱に留まっており、5割弱を占めていた首都圏や近畿圏に比べて資産価値が向上した駅の割合は小さい。
一方で、概ね中部圏平均に近い橙色は34駅(同29.8%)と約3割を占め、平均を下回る赤色は最も多い41駅(同36.0%)を数えた。また、新築分譲時に比べて資産価値が3割以上も目減りした桃色は7駅(同6.1%)で、前年の2駅(同1.7%)に比べて駅数・シェアともに増大している。
なお、これらの駅の多くは名古屋市中心部までの交通利便性があまり良好ではない郊外エリアに位置している。
2018年に最もリセールバリューが高かった駅は JR 東海道本線「名古屋」の144.8%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて4割以上も値上がりしていた計算になる。
名古屋市中心部に位置するターミナル駅ということもあり、新築分譲時のマンション価格は坪240.3万円と中部圏で最も高額となっていた。
駅周辺では2027年のリニア中央新幹線開業に向けた大規模再開発も盛んに行われており、資産価値が大きく向上した背景には実需・投資の両ニーズが年々大きくなっていることや高級・高額タワーマンションの相次ぐ供給で中古マンション価格も連れ高となっている影響などが挙げられる。
ランキング上位には「いりなか」や「覚王山」など、地元住民から高い人気を誇る住宅地に位置する駅も登場している。新築分譲時の価格は前述の「名古屋」と遜色ない水準であったが、築後10年を経た中古マンションの資産価値は対照的にやや目減りする結果となった。
なお、ランキング上位の大半はJR名古屋駅~東山エリアにかけて位置する駅であるが、中には郊外立地のサテライトエリアや自動車関連工場の周辺で旺盛な住宅ニーズがある駅なども登場してきている。
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