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2020.07.30

Kantei eye 中古マンションの価格改定シェア&値下げ率(大阪市)

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大阪市の新規流通戸数2020年の第1四半期は2,204戸の大幅増加
新型コロナ禍によるパニック的な売り急ぎが一因価格改定の動きにも拍車が掛かる

中古マンション価格と各指標(※数値一覧は次頁に掲載)の2005年~2020年6月までの最新データを掲出するとともに、高水準な価格を維持し続ける中古マンション市場における"水面下での動き"について改めて検証を行った。

なお、今回からはマーケットの状況をより把握しやすくするために、流通戸数を「新規(=当月に新たに流通したもの)」と「継続(=当月よりも前から流通し続けているもの)」に区分した。また、価格改定シェアの算出に当たっては母数を「全ての流通戸数」→「継続流通戸数のみ」とし、実態に合わせるように改めた。

2013年以降の価格上昇局面における各指標の動向

大阪市においても本格的な価格上昇局面入り前に価格改定シェアや値下げ率は縮小に転じ始めていた。その後は各指標とも総じて縮減しながら価格水準は押し上がっていくのだが、2015年~2016年にかけて流通戸数や価格改定シェアが増大に転じたのに伴って、中古マンションの価格上昇に対するブレーキが一段と強まっていった。

中古マンション価格の上昇度合いにも陰りが見え始め、2016年の下半期には3年余りに渡って続いてきた上昇局面は一旦終焉を迎えることとなる。

その後も、流通戸数や価格改定シェアは増大する傾向を示していたが、値下げ率に限っては大きく拡大に転じることなく、中古マンション価格は1年ほど高止まりの状態を維持し続けていた。

2017年頃には価格高騰によって投資のハードルが高まり利回りの魅力も失われつつあった東京23区に取って代わる形で、大阪市においても投資目的で中古マンションを購入する動きが強まることとなる。

2017年の第2四半期を境に流通戸数や価格改定シェアが増大傾向から一定の水準で均衡を保つ状態へと変化したことで中古マンション価格は再び上昇傾向で推移することになり、2018年の第3四半期には3,000万円の大台に達した。

2019年~2020年上半期にかけての各指標の動向

中古マンション価格の推移のみを以てすれば、依然として堅調さを維持しているように見て取れる。しかし、これまでトレンド変化に先立って大きな動きを見せていた各指標ではやや警戒すべき兆候が出始めている。

例えば、価格改定シェアは2019年の第3四半期まで一定のレンジ内で概ね安定した推移を示していたが、同年の第4四半期にはレンジを上抜けて34.1%まで拡大、さらに新型コロナウイルスの感染拡大によって先行きへの不安が増しつつあった2020年の第1四半期には37.4%を記録した。

同年の第2四半期には活動の自粛も手伝って、パニック的な売り急ぎは一服し価格改定シェアはやや縮小したが、依然として高い水準に留まっている。新型コロナ禍による売り急ぎの動きは流通戸数や値下げ率にも表れている。2020年の第1四半期には流通戸数が10,000戸を突破していたが、特に注目すべきは新規流通戸数が前期・前年同期に比べて大きく上回っていた点である。

また、値下げ率自体も-6.0%→-6.6%へと拡大していることから、物件所有者による早期売却の意向がデータからも窺える。

なお、第2四半期のほとんどは自粛期間に相当するため、当該期間における各種データを市況感の判断材料として用いる場合には基本的に参考外として取り扱う方が妥当である。

※「価格改定シェア」とは、各月での継続流通戸数のうち直近3ヵ月間において一度でも値下げを行った住戸の割合である。また、これらの住戸において当該期間で最も高い売出価格と最も安い売出価格から「値下げ率」を算出している。

データについては無断で転載、利用することを禁じます。

提供:東京カンテイ
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