2021年のリセールバリュー最高駅は「中村区役所」の233.6%
対象67駅のうち100%超えは過半数の38駅、資産価値が3割以上目減りした駅はゼロ
中部圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は67駅で、その平均値は104.0%となった。これまでは中部圏のターミナル駅でリニア中央新幹線の開業決定を契機に面的な大規模再開発が推し進められているJR名古屋駅の周辺や地元住民から住宅地として高い人気を集める東山エリアに位置する一部の駅に限って、100%を超えるような高いリセールバリューを示すケースが散見されていたわけだが、最近にかけては再開発エリアの拡大や高額なタワー物件の供給も目立ってきている。
そのため、当該エリアのみならずその周辺に位置する駅においても中古マンション価格が連れ高の様相を呈してきており、新築分譲時の価格を上回る駅は名古屋市中心部の広範囲に渡って増えてきている。
主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅(=新築分譲時の価格以上に中古流通している駅)は従来通りJR名古屋駅~東山エリアにかけての名古屋市中心部に多く分布しているが、今回はそれ以外にも名古屋駅へのアクセス性が良好な駅であったり愛知県に隣接する県のターミナル駅なども該当している。
対象となった67駅の内訳を見ると、青色が38駅(シェア56.7%)、緑色が16駅(同23.9%)で、全体の4割強の主要駅が中部圏平均のリセールバリューを上回っていた。
なお、リセールバリューが90%以上(青色と緑色)の合計シェアは80.6%で、首都圏(96.2%)や近畿圏(88.3%)に比べてやや低い水準となっている。一方、資産価値が1割以上目減りした駅をそれぞれ見てみると、橙色が11駅(同16.4%)、赤色が2駅(同3.0%)で、3割以上の目減りを表す桃色は今回確認されなかった。
2021年に最もリセールバリューが高かった駅は名古屋市営地下鉄桜通線「中村区役所」の233.6%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて2.3倍以上にも値上がりしていた計算となる。新築分譲時のマンション価格は坪145.7万円と、同じく名駅周辺でオフィス・商業エリアとして発展している東側の駅に比べて2割ほど割安な水準であった。
今回、「中村区役所」の資産価値が築後10年を経て大幅に上昇した要因としては、大規模再開発に伴う名駅周辺エリアのポテンシャルの高まりも挙げられるが、JR名古屋駅の徒歩圏でもある物件から最上階に位置するプレミアム住戸の事例が発生していた影響も大いに関係しているとみられる。
ランキング上位30駅のうち、約2/3に相当する21駅が名古屋エリアで占められており、トップの「中村区役所」をはじめ「久屋大通」や「伏見」など名駅周辺に位置する駅が上位に登場してきている。一方、東山エリアに位置する「覚王山」や「本山」などは住宅地としての人気の高さから新築分譲時の価格も坪200万円以上と強気に設定されていたために、資産価値の伸び代という点では前者のエリアの方がやや優る結果となった。
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