2021年にリセールバリューが最も高かった駅は「天王寺」の152.5%
対象154駅のうち100%以上は117駅、資産価値が1割以上目減りした駅は僅か18駅
近畿圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は154駅で、その平均値は112.2%となった。景況感にさほど左右されることもなく従来から住宅地として高い人気を誇る阪神エリアに加えて、2013年以降は国内外の富裕層から旺盛なセカンドニーズを集めていた京都市中心部、街の面的な大規模再開発を経て職住近接の居住エリアとして認知度が高まった大阪市中心部でも分譲マンションの相場価格は一段と押し上がっていたわけだが、それに伴って高いリセールバリューを示す駅は各都市中心部の外周エリアにも徐々に拡がってきている。
主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅(=新築分譲時の価格以上に中古流通している駅)は、京阪神エリアの広い範囲に分布しており、例年に比べて滋賀県でも当該駅が増加している。
また、大阪市・神戸市・京都市の中心部に位置する駅においては新築分譲時に比べて中古流通時の価格が5割ほど上昇しているケースも散見される。一方、新築分譲時よりも資産価値が目減りしている駅を見てみると、そのほとんどは京阪神エリアよりも郊外寄りに位置している。
各都市中心部への通勤に要する時間と反比例する形で、リセールバリューは相対的に低い水準を示している。対象となった154駅の内訳を見ると、青色が117駅(シェア76.0%)、緑色が19駅(同12.3%)で、全体の5割強の主要駅が近畿圏平均のリセールバリューを上回っていた。一方、資産価値が1割以上目減りした駅をそれぞれ見てみると、橙色が11駅(同7.1%)、赤色が4駅(同2.6%)、桃色が3駅(同2.0%)で、全てを合わせても僅か18駅に留まっている。
2021年に最もリセールバリューが高かった駅はJR大阪環状線「天王寺」の152.5%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて5割以上も値上がりしていた計算になる。新築分譲時のマンション価格は坪194.6万円で、同じく大阪市中心部に位置する「梅田」(212.9万円)や「四ツ橋」(213.1万円)よりも1割ほど割安な水準であった。
元々、文教エリアとして地元住民から高い居住ニーズを有していたが、2014年に商業施設「あべのハルカス」が開業し、その後も公園やレジャーが楽しめる生活利便施設などの整備が進んだことを受けて幅広い世代から支持を集めるようになり、築後10年を経た価格は坪100万円以上も上昇して近畿圏で最もリセールバリューが高い駅となった。
ランキング上位30駅のうち過半数に相当する16駅が大阪エリアで占められており、その多くは市内を南北に伸びる大阪メトロ御堂筋線・四つ橋線の周辺、もしくは前出の天王寺エリアに該当する。 この他、京都エリアからは「四条」「二条」など5駅、神戸エリアからは「神戸三宮」「県庁前」など4駅がそれぞれランクインしており、京阪神エリアを含む2府1県以外からは滋賀県の「南草津」が唯一登場してきている。
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