2022年にリセールバリューが最も高かった駅は「淀屋橋」の220.8%
対象162駅のうち大半が100%超え、資産価値が1.5倍以上となった駅は14駅を数える
近畿圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は162駅で、その平均値は125.9%となった。これまでは住宅地として高い人気を誇る阪神エリア、国内外の富裕層から旺盛なセカンドニーズを集める京都市中心部、街の面的な大規模再開発を経て職住近接の居住エリアとして認知度が高まる大阪市中心部において資産価値の上昇が目立っていたわけだが、直近にかけては堅調な実需・投資ニーズを背景に物件価格が一段と押し上がったことを受けて、近郊~郊外エリアにおいても新築分譲時の販売価格を上回る駅が明らかに増えてきている。
主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、リセールバリューが150%以上を示す紫色の駅(=新築分譲時に比べて1.5倍以上の価格で中古流通している駅)は主に大阪市中心部や京都市中心部に分布しており、三極の一つである神戸市中心部には「県庁前」の1駅のみが確認できる。
一方、京阪神エリアよりも郊外方面に位置している駅においては新築分譲時に比べて資産価値が目減りしている駅も見られるが、その数はかなり限られており、立地条件の割には一定以上の資産価値が保たれている。対象となった162駅の内訳を見ると、紫色が14駅(シェア8.6%)、青色が137駅(同84.6%)で、実に9割以上の対象駅において新築分譲時を上回る資産価値を示している。
なお、全体の48.8%に相当する79駅では近畿圏平均のリセールバリューを上回った。一方、資産価値が新築分譲時を下回った駅をそれぞれ見てみると、緑色と橙色がとも5駅(同3.1%)、資産価値が2割以上も目減りしたことを示す赤色は皆無で、桃色も「奈良」の1駅のみであった。
2022年に最もリセールバリューが高かった駅は大阪メトロ御堂筋線「淀屋橋」の220.8%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて約2.2倍にも値上がりしていた計算となる。対象物件は大阪市中心部の商業エリアに位置しており、複数の最寄駅を徒歩至近で利用可能なことに加えて交通量が多い大通りから外れた住環境も有している。
さらに、歴史的な建物の外壁保存が為された物件という高いデザイン性や希少性も資産価値の上昇に寄与しているものとみられ、築後10年を経た現在の中古流通価格は坪500万円の大台に迫りつつある。
ランキング上位30駅のうち半数以上の17駅が大阪エリアで占められており、その多くは市内中心部のオフィスエリアにアクセスしやすい大阪メトロ各線やJR大阪環状線の駅となっている。
この他、京都エリアからは「京都河原町」「京都市役所前」など7駅、神戸エリアからは「県庁前」「三ノ宮」など4駅がそれぞれランクインしている。また、残る2駅も京阪神エリアを含む2府1県に位置しており、今回は滋賀県・奈良県・和歌山県の駅が上位駅として登場しなかった。
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