近年、都内を中心に新築マンションの供給戸数は減っており、価格が高止まりしています。このような状況から、中古マンションの需要が高まっているのは、新聞報道やテレビのニュースなどでも周知の通りです。
ただし、中古マンションを購入する理由は、人によって異なります。予算の関係で新築マンションは手が出ないため中古マンションを購入するという層や、立地重視でマンションを選んだ結果、中古マンションがベストだったという層もいるでしょう。
しかし、どちらの場合でも、快適に住む空間とするためにリフォームは有効な手段となります。それでは、どのようなリフォームが考えられるのか、実例とともに紹介します。
中古マンションについては、購入者の属性や、物件の立地、価格帯などが多種多様なため、特定のニーズやトレンドを絞るのが難しいというのが正直なところです。ただし、住み始める前に施工するからこそ大胆なリフォームができるという点は共通しています。そこで、中古マンション購入と同時に行われるリフォームとして、どのようなニーズがあるのかを大まかに分類して紹介します。
【Point1】「キッチン」の向きや、リビングダイニングとのつながり方を変更
キッチンのリフォームニーズは根強くありますが、毎日使用する場所なので、住みながらのリフォームは不便を伴います。その点、中古マンションを購入して、住み始める前にリフォームするのであれば、生活に負担がなく、大胆なリフォームが可能です。
例えば、独立型キッチンや、壁付けタイプのキッチンを対面式のオープンキッチンに変更するようなリフォームが考えられます。
【Point2】部屋の増減をともなう「大幅な間取り変更」
大胆なリフォームと言えば、間取り変更があります。各家庭の家族構成や年齢によってケースバイケースですが、もともとの間取りから、部屋数を減らしたり、増やしたりといったリフォームが考えられます。
また、購入時点から将来を見越して、家族構成の変化やライフスタイルの変化を想定した可変的なリフォームを採用するケースもあります。
【Point3】「内装のデザインテイスト」を大幅に変更
新築マンションでも、オプションによって、内装をある程度自分好みに変更することは可能です。ただし、中古マンションなら、大胆なリフォームによって、より自分や家族に合った、また近年のトレンドに合ったテイストに大幅に変更することができるでしょう。
例えば、もともとダーク調でシックなインテリアテイストだった部屋を、あえて和室を設けて、自分好みの和モダンなテイストに変更する、というようなリフォームが考えられます。
それでは事例をもとに、中古マンションを購入して、住み始める前にどのようなリフォームが実現できるのか紹介します。
【事例1】部分リフォームで費用を抑えつつデザインテイストを一新
キッチンの壁をなくしてオープンキッチンにするとともに、費用を抑えながら内装のテイストを変更した事例です。
床には、木目を生かしたモカ色のフローリングを張りました。床色に合わせて、リビング入口の扉には、木目のダイノックシートを施し、扉の外側にはグレーのレザー調シートを採用することで、ヴィンテージ感あふれる内装に一新しました。
<リフォーム内容> ・キッチンの壁を取り払い、オープンキッチンに変更 ・造作のキッチンカウンターを設置して作業効率がアップ ・床や建具の色を変えて、内装のテイストを一新 |
この事例を詳しく見る(野村不動産パートナーズHPにリンク) 部分リフォームと建具で演出するヴィンテージスタイルリフォーム |
【事例2】おしゃれなカフェのようなモダンブルックリンに統一された空間
建築やインテリアに興味があるご主人のこだわりを反映して、ニューヨークの「ブルックリンスタイル」に倣った、モダンブルックリンがテーマの事例です。
リビングの壁面にはタイルを張り、セミクローズだったキッチンの壁を取り払ってオープンスタイルに変更すると、カフェのような空間が生まれました。
<リフォーム内容> ・デザインをカフェのようにくつろげる「モダンブルックリン」に ・リビングと寝室の壁にはアクセントウォールを採用 ・リビングの壁をタイル張りに ・キッチンの換気扇にもこだわり、カフェのようなインテリアに溶け込むキッチンに ・床は、床暖房対応の無垢のフローリングに変更 |
この事例を詳しく見る(野村不動産パートナーズHPにリンク) テーマはモダンブルックリン |
【事例3】リビング横の和室を改修して、開放的なリビングが実現
大胆に間取り変更をした事例です。もともとリビングダイニングの横に6畳の和室がありましたが、壁を取り払って和室をなくし、開放的なリビングダイニングにリフォームしました。
玄関横の一部屋もなくして、エントランスホールを広げるとともに、大容量のシューズクローゼットとウォークインクローゼットを設置し、明るいエントランスホールと充実収納が実現しました。
<リフォーム内容> ・リビング横の和室をなくして、リビングを拡張 ・玄関横の一室をなくして、エントランスを広げ、WICに ・リビングや水回りの壁にエコカラットを採用しホテルライクな空間に |
この事例を詳しく見る(野村不動産パートナーズHPにリンク) 「ただいま」が楽しみな我が家のリフォーム |
【事例4】お気に入りの照明に合わせてLDKをリフォーム
海外赴任中にセレクトしたインテリア照明が似合うリビングへとリフォームした事例です。 リビング横の洋室の間仕切り扉と枠と壁を取り払い、天井吊りの半透明な建具を設置したため、扉を閉めても窓からの光が届き、圧迫感を感じません。
壁と天井は白、床には明るいフローリングを採用し、キッチンや家具は黒やブラウンにすることで、モノトーンと木目が調和したおしゃれな空間が生まれました。
<リフォーム内容> ・間仕切りの扉を天井吊りの半透明な建具にして、圧迫感を軽減 ・床は明るい色のフローリングに張り替え ・キッチンは黒いオーダーキッチンを設置 ・キッチンの袖壁に大理石を採用して高級感を演出 ・LDK全体をモノトーン調の家具と調和するテイストに |
この事例を詳しく見る(野村不動産パートナーズHPにリンク) 思い切ってモノトーンのキッチンを選び落ち着いたリビングに |
新築マンションが購入しづらい状況で、中古マンションの購入を検討する人もいるかもしれません。しかし、中古マンションの購入時は、住む前ならば躊躇なく大胆なリフォームができるというメリットがあります。
予算の中で、立地を選ぶか、間取りや内装にこだわるかは人それぞれですが、思い切って自分好みの空間をつくるため、前向きに中古マンション+大胆リフォームという方法を検討してみてはいかがでしょうか。
野村不動産パートナーズ株式会社
建築・リフォーム業界に携わり約20年、マンションのリフォームを数多く手がけ、リフォーム現場の最前線で豊富な経験と広い知見をもとにリーダーとして活躍中。
一級建築施工管理技士、一級管工事施工管理技士の資格を保有。
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