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#リフォーム

2025.01.17

いまトレンドの【浴槽】はこれ!-マンション設備・建材(5)

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マンションの浴室、特に浴槽をリフォームしたいと考える人の多くは、「お風呂時間をもっと心地のいいものにしたい!」というニーズがあるようです。

リフォームを希望する人は、浴槽にどのような機能を求めて、どのようなデザインの浴槽にしたいと考えているのでしょうか。リフォームの傾向や押さえておきたいポイントなどについて、実例とともに紹介します。

どのような浴槽リフォームがある?

浴槽のリフォームと言っても、実際には「浴槽だけリフォームしたい」というケースは少なく、浴室全体のリフォームに伴って浴槽をリフォームすることが多いです。

一般的にマンションの浴室では浴槽と壁、床、天井などが一体となったユニットバスが使われることが多いため「水栓金具が古くなり、使いにくい」「掃除がしづらい」「水垢がなかなか取れない」などの不便さが気になった際に、浴槽だけではなく浴室全体のリフォームを検討されます。

ただ、築年数の浅い中古のマンションを購入して「浴槽だけ変えたい」というニーズもまれにあります。浴室全体をリフォームするほどではないけれど、浴槽だけは他人の肌が触れていたものではなく新しいものを使いたい、と考えるからでしょう。

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中古マンションを購入し、入居する際に浴室のユニットバスを全面リフォームした例。左がリフォーム前、右がリフォーム後(画像:野村不動産パートナーズ)

浴槽リフォームのトレンドは「リラクゼーション」

浴槽をリフォームする際のニーズとしては、「リラクゼーション」がトレンドになっています。必ずしも「マッサージ効果のあるジェットバスが欲しい」というニーズのみではなく、リラックスできる「広さ」や「色」へのこだわりが反映されたリフォームです。

浴槽リフォームは、家族の中でご主人がイニシアティブを取ることが多いのですが、特に浴槽が窮屈すぎたり、逆に広すぎたりすることを嫌われます。適度に足を伸ばせるくらいのちょうど良い広さを好む人が多いようです。

浴室の広さに余裕がない場合は、壁とのすき間がなく空間を広く使えるようなユニットバスを選んだり、場合によっては浴室に隣接するスペースを含めてリフォームしたりすることもあります。

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ご主人の希望で浴槽をサイズアップした例。「手足を伸ばせて心地いい」と満足されているそう(画像:野村不動産パートナーズ)

色について、浴室と言えば「白系」をイメージする人が多いと思いますが、今は「黒系」のシックなカラーが選ばれることも少なくありません。どのメーカーでも「黒系」のカラーが用意されていますので、その中から好みに合った色を選ぶといいでしょう。「黒系」の浴室はラグジュアリー感が高まり、ホテルライクに演出できるという効果が期待できます。

また「黒系」の浴室に、明るさを調節できる調光式の照明を組み合わせ、よりリラックスできる空間にしたいというお客様もいます。

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浴室リフォームによって、浴槽のフレームと壁の一面に黒系のカラーを採用した例。左がリフォーム前、右がリフォーム後(画像:野村不動産パートナーズ)

細かい泡のお湯が出る浴槽や、湯温が下がりにくい浴槽も

更なるリラクゼーション効果を求めて、湯船につかりながら肩口からお湯が流れ出る「肩湯」を楽しめるリフォームや、映像や音楽を流してお風呂時間を楽しみたいという要望から、Wi-Fiのつながる防水仕様のモニターや音楽スピーカーを設置することもあります。

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肩湯機能のある浴槽(画像提供: LIXIL)

また、湯船に極めて小さな泡を発生させる浴槽も人気です。微細な泡を含んだお湯は美肌効果が高く、石鹸を使って肌をこすらなくても毛穴の汚れを取り除き、入浴剤不要で身体を綺麗にする効果が期待できます。サイエンスの「ミラバス」、パナソニックの「酸素美泡湯(びほうゆ)」など、いろいろなメーカーから対応する浴槽が出ています。

昔と比べて湯温が下がりにくい、保温効果のある「高断熱浴槽」に変えるリフォームもニーズの高いリフォームです。その浴槽が国の「住宅省エネキャンペーン子育てグリーン住宅支援事業」の対象商品であれば、補助金を使ってリーズナブルにリフォームすることができます。

<発リンク>※国・自治体・調査引用元
「住宅省エネキャンペーン」についてもっと詳しく
住宅省エネキャンペーン

注目されている、トレンドの浴槽

ユニットバスでリラクゼーションニーズに対応しており、ラグジュアリー感が高いのは各メーカーを代表するトップグレードのブランドです。TOTOなら「SYNLA(シンラ)」、LIXILなら「SPAGE(スパージュ)」、パナソニックなら「L-CLASS(エルクラス)」があります。

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TOTOのSYNLA(シンラ)(画像提供: TOTO)
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LIXILのSPAGE(スパージュ)(画像提供: LIXIL)
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パナソニックのL-CLASS(エルクラス)(画像提供:パナソニック)

それぞれ肩湯やオーバーヘッドシャワー、浴室テレビや音楽スピーカーなどをオプションで付けられ、さまざまな要望に応えられる仕様になっています。

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オプションで付けられる浴室テレビ(画像提供: LIXIL)

大手3社以外ですと、ユニットバスではクリナップやトクラス、タカラスタンダードなど、オーダーメイドであれば日ポリ化工、NIKKOなどのメーカーが挙げられます。

オーダーメイドの場合、お風呂のリフォームだけに1000万円近くのコストをかけてこだわることもできますが、そこまで突き詰める人はあまり多くありません。

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NIKKOでオーダーメイドした浴槽の例(画像:野村不動産パートナーズ)

浴槽をリフォームする際のポイントや注意点

リフォームにあたっては、一度ショールームに足を運んで、服を着たまま浴槽に入ってみることをお勧めします。そこで、リラックスできる浴槽かどうか、窮屈すぎないか、広すぎないかなどを確認して、納得の上でリフォームした方がいいでしょう。

大手メーカーが提供しているユニットバスの場合、浴槽のサイズと形はそれぞれ3~4タイプなので、その中から選ぶことになると思います。浴室の床や壁を選ぶ際にも、ショールームで実物を見ることがポイントです。

床は水滴が残らない乾燥性の高い床が一般的ですが、メーカーによっては滑りにくくて柔らかい機能を付加しているものもあるので、ショールームに行って素足で体験してみるといいでしょう。

浴室の一部に石材や天然木、クリアガラスなどを使った高級志向のリフォームもありますが、これらの自然に近い素材は汚れがつきやすいことを覚悟しておく必要があります。ほとんどのユニットバスは、FRP(繊維強化プラスチック)か人造大理石(樹脂)製で汚れにくくなっていますが、石材や天然木は水が沁み込んで変色しやすく、クリアガラスはお手入れが大変です。

また、マンションのリフォームの場合は浴槽の大きさにも注意が必要でしょう。新築時と違いリフォームの場合は搬入経路が限られます。浴槽は分解できないので、大きすぎてエレベーターで運べない、住戸の中の曲がり角を曲がれないなどの理由で希望の商品を搬入できない可能性があります。

マンションの浴室は天井高2mが一般的ですが、高級仕様のユニットバスは高さ2.5mのものもあり、たとえデザインが気に入っても設置できないので、あらかじめリフォーム会社にサイズや搬入経路を確認してもらうことをお勧めします。

これらのポイントや注意点を踏まえて、理想のお風呂時間を過ごせる浴室リフォームを目指しましょう。

野口健(のぐち・けん)

野口健(のぐち・けん)

野村不動産パートナーズ株式会社
建築・リフォーム業界に携わり約20年、マンションのリフォームを数多く手がけ、リフォーム現場の最前線で豊富な経験を活かして活躍中。
一級建築施工管理技士、一級管工事施工管理技士の資格を保有。

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