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中古マンション最新トレンド
「新築と中古、どっちがトク?」エリアで違うその答え
2015年3月13日
価格上昇期には、新築マンションの面積圧縮に注意
前頁では、エリアごとに、また物件ごとに吟味しなければ、「新築がいいか中古がいいか」の判断がつきにくくなっていることを指摘しました。個別にチェックする際、特に注意しておきたいのは、新築マンションの住戸の広さです。
新築マンションの価格が値上がり基調の時には、原材料・建築費の影響をまともに受ける単価の上昇を、そのまま販売価格(総額)に反映するのではなく、専有面積を縮小して総額を抑える傾向があります。
図2は、東京都区部の新築マンション価格と1住戸当たり平均面積の推移を示したものです。2007~08年にかけて、都心の不動産ミニバブルで価格が急上昇しました。リーマンショック後の09年に平均価格(総額)は急落しました(マイナス15%)が、1平方メートル単価は平均価格ほど大きく下がっていません(マイナス7%程度)。
同時期に平均面積も急に小さくなっています。この前後で、1年で5平方メートルも変化した年はなく、面積の縮小で総額が抑えられたことが見てとれます。この1~2年も、価格上昇トレンドに入っていますが、まだ面積圧縮は起きていないようです。今後、単価がさらに急上昇して売れ行きが鈍った場合、リーマンショック後と同様に、専有面積が削られたマンションが出てくる可能性があります。
面積を削るといっても、ファミリータイプなら3LDK中心など、間取り構成は変わりません。住戸内の各スペースを少しずつ削り、1住戸全体で2~3m2小さくなっているというケースが多いでしょう。わずか数m2と思うかもしれませんが、住み心地はかなり違います。たとえば、洋室6畳が5畳に、K(キッチン)3畳・LD(リビングダイニング)10畳がLDK12畳に縮小、あるいは、収納スペースが削られることも珍しくありません。その結果、家具の配置が難しくなったり、荷物が収まりきらなくなったりします。
新築マンションの場合、販売戸数が数百戸あっても、実物大のモデルルームは2~3パターンしか見られません。自分が実際に購入する物件は図面での確認です。上記のような数m2の差が使い勝手にどう影響するか、実感することは難しいでしょう。引き渡しを受けてから「意外に狭い」「予定の家具が入らない」といった失敗に気が付くおそれがあります。その点、中古マンションなら現物を実際に見て、空間を体験した上で判断できるので、イメージと現実にギャップが起きる可能性は少ないでしょう。
中古はいつでも買いたい時に。
新築は、引き渡し時期と税制や金利との関係を考慮
もう一つ、新築マンションを優先して検討している場合は、契約と引き渡しのタイミングに注意する必要があります。以前の記事では2015年度の税制改正の概要をお伝えしました。この中の、「住宅取得等資金贈与の特例」の非課税枠と消費税率10%への引き上げ時期が密接に関係しているからです。
贈与税の特例は、2年後の消費税率アップに合わせて非課税枠が大幅に拡充されますが、消費増税前の駆け込み需要、その後の反動減を緩和するために複雑な設定になっています。贈与税の非課税枠は小さくても消費税が8%のうちに買ったほうがトクなのか、消費税が10%に上がっても大型の贈与ができたほうがいいのか、簡単には答えが出せません。
特に大型のタワーマンションなどの新規分譲では、契約から引き渡しに大きなタイムラグがある場合があります。入居予定時期が2年以上先ということも珍しくありません。つまり、今すぐに契約しても、残金決済・引き渡しが消費税率アップの時期と重なる物件もあるのです。
また、住宅ローン金利は史上最低の水準を更新中ですが、実際に適用される金利は、残金決済・引き渡しと併せて融資が実行された時点の金利水準です。今契約しても、現在の最低金利が適用されるわけではありません。今後、仮にインフレが進み金利が上昇した場合に資金計画が見込み違いとなるおそれもあるでしょう。
その点、中古マンションは個人間で売買するのが一般的で、その場合にはもともと消費税がかかりませんから、こうしたタイミングで悩む必要はありません。贈与税の非課税枠も、最大3,000万円が適用されるのは、消費税率10%が適用される新築マンションが中心です。
中古マンションは、図3の「一般住宅」(または「一般住宅+消費税率10%が非適用」)の部分がほとんどですから、2015年が最大の1,000万円。翌年以降は徐々に縮小されますから、大型の贈与を受けたい場合は、なるべく早く実行したほうがおトクといえるでしょう。
「新築か中古か」で迷ったときは、これまでの常識にとらわれず、エリアの違い、個々の物件の条件、入居のタイミングなどをよく考えあわせた上で結論を導いてください。
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