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2021.07.29

Kantei eye【中部圏】中古マンションの価格乖離率&売却期間

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中部圏2020年下期の価格乖離率は-7.64%、前期から縮小してコロナ前の水準に
上期にかけて上昇傾向で推移していた売出・取引価格は反落売却期間は長期化の様相

中古マンションの価格乖離率&売出→成約までの期間

中部圏における2020年上期での中古マンションの一戸平均価格は、売出価格が2,578万円(前期比:+2.9%)、取引価格が2,369万円(同+2.4%)と、ともにプラスを示していた。売出・取引事例の価格乖離率※は-8.11%で、前期から0.49ポイント拡大した。

昨春に新型コロナウイルスの感染拡大防止のために発出されていた緊急事態宣言が解除されて以降、中古マンション市場においても取引が本格的に再開されることとなったわけだが、同年の下期における中古マンションの一戸平均価格は、売出価格が2,434万円(同-5.6%)、取引価格が2,248万円(同-5.1%)と揃って大きく反落した。

ただし、取引価格の下げは売出価格に比べて小さく、売出・取引事例の価格乖離率は-7.64%と前期から0.47ポイント縮小したことで、新型コロナ以前の水準まで戻している。

売出→成約までの期間(売却期間)を見てみると、2020年上期では3.76ヵ月、下期では4.16ヵ月と長期化する動きが一段と加速しており、4ヵ月間を超えるのは2014年以来である。

売却期間が長期化する一方で価格乖離率は概ね例年と同水準を示しているわけだが、昨今の中古マンション市場においては売却希望価格に可能な限り近い値段で売れるまで待つことができる所有者も存在しており、幾分か売り手優位の状況にあるものとみられる。

売却期間の違いによる価格乖離率とそのシェア

部圏における2020年の価格乖離率を売却期間ごとに見てみると、売却期間が1ヵ月以内での価格乖離率は-3.86%であった。

不動産取引における専属専任媒介・専任媒介契約の有効期間である3ヵ月以内での平均は-5.07%となっており、売り出し開始からの3ヵ月間では最初の売出価格から5%程度値下げした金額で成約に至っていたことになる。

また、売却期間が6ヵ月まで長期化すると、価格乖離率は-10%を超え始める。2019年の調査結果と比べて、3ヵ月以内の乖離率は僅かに拡大している様子が確認できる。

売却期間が1ヵ月以内での事例シェアは36.7%(2019年:39.8%)で、全体の1/3以上が売り出し開始から1ヵ月以内で成約に至っていた。また、3ヵ月以内の累計事例シェアは58.2%(同62.5%)と約6割を占め、売り出し開始から2回目の媒介契約の有効期間が終了するまでには全体の3/4以上に相当する75.4%(同78.9%)のケースで成約に至っていたことになる。

次に、売却期間ごとに価格乖離率のシェア構成を見てみると、売却期間が1ヵ月以内の場合に最もシェアが大きかったのは「-5%以内」の37.5%で、次いで「0%(売出価格から値下げせず成約に至っているケース)」の30.6%も30%台で続いている。売却期間が1ヵ月以内の場合でも価格乖離率が-10%を超えるケースはあり、それらの合計シェアは12.1%で他の都市圏よりも大きい。

一方、売却期間が7ヵ月まで長期化した場合、「-20%超」のシェアは26.1%にも達しており、それよりも長期間の場合でも概ね20%以上のシェアを有している。

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提供:東京カンテイ
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