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2021.07.29

Kantei eye【近畿圏】中古マンションの価格乖離率&売却期間

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近畿圏2020年下期の価格乖離率は-7.80%、2期続けて拡大
売出価格は前年同期を上回るも買い手の追随する動きに鈍さ売却期間も長期化する傾向に

中古マンションの価格乖離率&売出→成約までの期間

近畿圏における2020年上期での中古マンションの一戸平均価格は、売出価格が2,761万円(前期比:-3.3%)、取引価格が2,551万円(同-4.5%)と、ともにマイナスを示していた。売出・取引事例の価格乖離率※は-7.61%で、前期から1.20ポイントも拡大した。

昨春に新型コロナウイルスの感染拡大防止のために発出されていた緊急事態宣言が解除されて以降、中古マンション市場においても取引が本格的に再開されることとなったわけだが、同年の下期における中古マンションの一戸平均価格は、売出価格が2,858万円(同+3.5%)、取引価格が2,635万円(同+3.3%)と揃って上昇に転じた。

ただし、取引価格の戻りは売出価格に比べて小さく、売出・取引事例の価格乖離率は-7.80%と前期から0.19ポイント拡大したことで、2013年以降の価格上昇局面においては最も大きい価格乖離率を示す結果となった。

売出→成約までの期間(売却期間)を見てみると、2020年上期では3.71ヵ月、下期では4.47ヵ月と長期化する動きが一段と加速しており、売却期間自体も過去10年間で最も長くなっている。中古マンションに対して旺盛な購入ニーズが集まっている首都圏に比べると、近畿圏においては強気に値付けされた売出価格に対して買い手が追随する動きに依然として鈍さが見られる。

売却期間の違いによる価格乖離率とそのシェア

近畿圏における2020年の価格乖離率を売却期間ごとに見てみると、売却期間が1ヵ月以内での価格乖離率は-3.65%であった。不動産取引における専属専任媒介・専任媒介契約の有効期間である3ヵ月以内での平均は-4.79%となっており、売り出し開始からの3ヵ月間では最初の売出価格から5%程度値下げした金額で成約に至っていたことになる。また、売却期間が7ヵ月まで長期化すると、価格乖離率は-10%を超え始める。

2019年の調査結果と比べて、多くの売却期間で価格乖離率が僅かに拡大している様子が確認できる。売却期間が1ヵ月以内での事例シェアは33.9%(2019年:39.6%)で、全体の1/3以上が売り出し開始から1ヵ月以内で成約に至っていた。

また、3ヵ月以内の累計事例シェアは55.8%(同62.1%)と過半数を占め、売り出し開始から2回目の媒介契約の有効期間が終了するまでには全体の約3/4に相当する74.6%(同79.5%)のケースで成約に至っていたことになる。

次に、売却期間ごとに価格乖離率のシェア構成を見てみると、売却期間が1ヵ月以内の場合に最もシェアが大きかったのは「-5%以内」の46.9%で、次いで「0%(売出価格から値下げせず成約に至っているケース)」の23.7%となっている。売却期間が1ヵ月以内の場合でも価格乖離率が-10%を超えるケースはあるものの、それらのシェアは合わせても10.0%に留まっている。

一方、売却期間が8ヵ月まで長期化した場合、「-20%超」のシェアは22.7%にも達しており、11ヵ月以上の場合に至っては30%以上にも及んでいる。

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提供:東京カンテイ
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