不動産投資コラム

投資用マンションとは?居住用との違いやメリット・デメリットを徹底解説

投資用マンションとは?居住用との違いやメリット・デメリットを徹底解説

投資用マンションとは、所有者が家賃収入を得る目的でマンションを購入し、第三者に賃貸する物件のことです。投資用マンションを購入する場合は概要や仕組み、メリットとリスクを把握したうえで、失敗しないためのマンション選びのポイントを知る必要があります。

そこで本記事では、投資用マンションの概要や居住用マンションとの違い、他の不動産投資と比較した投資マンションのメリット・デメリットなどについて説明します。

なお、不動産投資について深く理解したい方は、不動産会社から発信される最新の情報に触れるのもおすすめです。ノムコム・プロでは、会員の方限定で不動産投資に役立つ情報を配信しています。会員になると無料で「4つの特典」を受け取れますので、お気軽にご登録ください。

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投資用マンションとは?

はじめに、投資用マンションの理解を深めるための下記の内容をお伝えします。

投資用マンションの概要
投資用マンションで利益を得る方法
投資用マンションの初期費用
投資用マンションの利回り

ひとつずつ確認しましょう。

投資用マンションの概要

投資用マンションは、所有者が自ら居住するのではなく家賃収入を得る目的で購入し、第三者に賃貸するためのマンションです。居住用マンションとは異なり、収益を得るための物件として活用されます。主な収入源は月々の家賃収入ですが、将来的に物件を売却して売却益を得ることも可能です。

投資用マンションには次の2つの種類があります。

1. 区分マンション投資
2. 一棟マンション投資

それぞれの特徴については、「投資用マンションの2つの種類」で後ほど説明します。

投資用マンションの購入と運用に適している方は、主に下記のような方です。

● 資金面で余力がある方
● 安定的な収入が欲しい方
不動産投資の経験がある方

しかし、この条件を満たしていなくても、十分な知識と準備を重ねることで投資用マンションを運用できる可能性が高くなります。まずは、投資用マンションについて理解を深めることから始めましょう。

投資用マンションで利益を得る2つの方法

投資用マンションで利益を得る方法は、主に2つあります。

1. インカムゲイン:購入した物件を貸し出して、毎月の家賃収入を得る方法
2. キャピタルゲイン:購入した物件を売却して、売却益を得る方法

インカムゲインは、入居者がいる限り毎月安定した収入が得られるため、長期的な収益が期待できます。収入の予測が立てやすい点も、大きな特徴です。

一方、キャピタルゲインは、購入したマンションを購入時よりも高値で売却して利益を得る方法です。マンションの価値が上がったときに売却すると、一度の取引で大きな利益を得られる可能性があります。不動産市場の動向を見極めるスキルが求められますが、成功すれば大きなリターンが期待できます。

自身の投資目的や資金面、リスク許容度などと照らし合わせて、どのように収益を得るかを考えておきましょう。

なお、投資用マンションの概要を理解しつつ、さらに具体的な運用イメージをつかみたい方は、次の記事で「区分マンション1室の収支シミュレーション」をまとめています。併せてご確認ください。
年収1000万円の独身者による不動産投資|詳細収支シミュレーション |ノムコム・プロ

投資用マンションの初期費用


投資用マンションを購入して投資を始める際には、初期費用が必要です。初期費用は「物件の頭金」と「諸費用」で構成されます。ローンを利用する場合の初期費用は、頭金と諸費用を合わせて物件価格の20〜30%が目安です。

種類 概要
頭金 ローンを利用して物件を購入する際に払う現金のこと
金融機関からの融資条件によって金額が変動する
諸費用 不動産投資をする際にかかる、さまざまな費用のこと
物件価格の7〜10%が目安

投資用マンションの初期費用は、築年数やマンションのタイプなどによって変動します。物件価格に応じた初期費用の目安を表にまとめましたので、ご覧ください。

物件価格 初期費用の目安
1,000万円 200〜300万円
3,000万円 600〜900万円
5,000万円 1,000〜1,500万円
7,000万円 1,400〜2,100万円
1億円 2,000〜3,000万円

投資経験や収入の状況によってはフルローン(※)が可能な場合もありますが、当サイトを運営する野村不動産ソリューションズが実施した調査結果では、約4割の方がフルローンの受けにくさを感じています。

※フルローン:物件価格の全額をローンで賄うこと。ただし諸費用(不動産取得税や登記費用など)は融資対象外なのでフルローンであってもある程度の自己資金は必要。

Q前問で、厳しくなったと回答した方へなぜ、厳しくなったと感じますか。

この状況をふまえると、投資用マンションを購入する際は一定の自己資金を準備しておいたほうが安心です。

なお、次の記事では不動産投資の初期費用についてまとめています。初期費用に含まれる9つのカテゴリーを、計算式や例を添えて説明していますので、ぜひご覧ください。
不動産投資の初期費用はいくら?9つの項目・節約術を完全ガイド |ノムコム・プロ

さらに下記の記事では、マンション投資に欠かせない運用コストについて説明しています。「マンション投資の購入諸費用と運用コスト」の項目をご確認いただくと、マンション投資にかかる費用の種類がわかりますので、ぜひご覧ください。
マンション投資の仕組み|賃貸需要を考え、収益を最大化する方法 |ノムコム・プロ

投資用マンションの利回り

投資用マンションの収益性を判断するうえでは、利回りという考え方を理解しておく必要があります。利回りとは年間の家賃収入を物件価格で割った利率のことで、投資用不動産の収益性の判断指標です。

利回りには主に2種類あり、それぞれ異なる観点から物件の収益性を示します。

● 表面利回り(グロス利回り):不動産のおおまかな収益性を把握する指標のこと
● 実質利回り(ネット利回り):不動産の購入に関わる費用や保有にともなう経費を含めて算出した利回り

主に、不動産情報サイトや広告などに掲載されている数字は「表面利回り」です。表面利回りは、次の式で算出します。

年間収益(家賃収入)÷物件価格×100


※この記事では特別な表記がない限り、以降の「利回り」は全て表面利回りを指します。

利回りは、立地、マンションの種類や築年数によって異なります。一棟マンションの利回りを、年別にまとめたものを見てみましょう。

一棟マンション 利回り

▲野村不動産ソリューションズ取り扱い物件をもとに独自算出

都心5区では利回りは4%台ですが、埼玉や千葉などの地方では6〜7%と高くなる傾向があります。この差は、物件価格と家賃収入の差によるものです。都心の物件は価格が高いため、利回りは地方より低くなります。

中古の区分マンションの利回りも、都心5区では4%台、地方では5〜8%台です。
中古の区分マンションでも、地方の利回りが高くなります。

区分マンション 利回り

▲野村不動産ソリューションズ取り扱い物件をもとに独自算出

投資用マンションの利回りは、物件の要因によって次のように変化します。

● 新築のマンション:中古より低くなる傾向
● 中古のマンション:新築より高くなる傾向
● 都心にあるマンション:地方より低くなる傾向
● 地方にあるマンション:都心より低くなる傾向

投資用マンションの購入では、利回り以外の要素も考慮することが重要です。投資判断の際は利回りを参考にしつつ、立地条件や物件の状態、将来性などを総合的に判断するようにしましょう。

なお、次の記事では、不動産投資における利回りの最低ラインについての考え方を説明しています。利回りを改善するポイントもまとめていますので、併せてご確認ください。
不動産投資における利回りの最低ラインとは?改善する4つのポイントも解説 |ノムコム・プロ

投資用マンションの2つの種類

投資用マンションは、主に次の2種類に分かれます。

1. 区分マンション投資
2. 一棟マンション投資

さっそく、2つの特徴を見ていきましょう。

種類1.区分マンション投資

区分マンション投資とは、マンションの一室を購入して他者に賃貸し、家賃収入を得る不動産投資の方法です。区分マンションは、部屋のタイプによって2つの種類に分けられます。

1. ワンルームタイプ:1Rや1Kなど単身者向けの物件
2. ファミリータイプ:2LDK以上の家族向けの物件

区分マンションとは、一棟のマンションを一部屋ごとに分割して販売するものです。類似の概念として「分譲マンション」がありますが、これは主に居住用として購入されます。ただし、賃貸目的で運用される「分譲賃貸」という形態もあります。

まず、区分マンション投資のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット デメリット
区分マンション ● 自己資金が少なくて済む
● 管理の手間がかかりにくい
● 売却が比較的容易
● 利回りが低い
● 1室しか所有していない場合、空室リスクが高くなる
● リフォームを自由にできない

区分マンション投資の魅力は、初期投資額が比較的少なくて済む点です。価格が手頃なため、将来的に売却する際も買い手が見つかりやすい傾向があります。管理面では、日常的な業務を管理会社に委託することで手軽な運用が可能です。

さまざまなメリットがありますが、デメリットも存在します。

まず、区分マンションの保有が1室の場合は空室リスクが高くなります。空室の間は家賃収入が得られませんが、その間もローンの返済をはじめとする諸費用は発生しつづけるため、収益がどんどん低下していってしまうのです。

リスクの軽減策としては家賃保証のついたサブリース契約を結ぶ、もしくは複数の物件を所有しリスク分散をするといった方法が考えられます。

また、購入費用に対して賃料相場が低い場合、高い利回りを得るのが困難です。物件の価格と比較して家賃収入が少ないと、投資効率が悪くなってしまいます。例えば、都心の新築物件の場合、家賃も比較的高く設定できるものの、購入費用が非常に高くなりがちなので、良い利回りの物件を入手することは難しいでしょう。

物件選びの際には周辺の賃料相場をしっかりと調査することが重要です。

次に、区分マンション投資では管理範囲に制限があります。所有している部屋が古くなった場合はリフォームできますが、共有部分は独断で変更できません。建物全体が古くなった場合、自分の判断だけでは対応できない問題が生じる可能性があります。

区分マンション投資は、不動産投資の中でも少額から始められる不動産投資の手法です。少額の不動産投資にご興味がある方は、次の記事もご覧ください。
少額の不動産投資とは?4つの種類とメリット・デメリットを徹底解説

また、次の記事では「マンション投資は儲からない?」という疑問に対して、説明しています。リスクを知るためにも、ぜひご覧ください。
マンション投資が儲からないと言われる理由とリスク回避の5つのポイント |ノムコム・プロ

種類2.一棟マンション投資

一棟マンション投資は、マンション全体を購入して賃貸運営を行う投資方法です。この方式では、建物全体を所有するため、区分マンション投資と比べて投資規模が大きくなります。当然、購入金額も高額になりますが、さまざまなメリットを享受できます。一棟マンション投資のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット デメリット
一棟マンション ● 収益性が高い
● 空室リスクが低い
● 資産価値が高い
● 管理や修繕が自由にできる
● 初期費用が高額
● 建物の維持管理コストが高い
● 投資失敗時のリスクが大きい

最大の利点は、複数の部屋からの家賃収入による総収入の大きさです。一部屋が空室になっても、他の部屋からの収入があるため、安定した家賃収入が見込めます。この特徴によって、投資リスクの分散が可能です。

借地に建物を建てるような場合を除いて、原則として土地全てを含めて所有することになるため、資産価値が高くなりやすい傾向があります。また、建物全体の管理や修繕のタイミングを自由に決定できるため、経営の自由度が高いのも魅力です。投資家の判断で建物の価値を維持・向上させることが可能になります。

一方で、一棟マンション投資には課題もあります。最も大きな障壁は、初期費用の高さです。マンション一棟を購入するため、多額の資金が必要となりますが、投資家の属性によっては融資が困難な場合もあります。

さらに、建物の維持管理面での負担も考慮しなければなりません。所有する物件だけではなく、廊下やエントランスなどの共有部分も含めた維持管理が必要です。したがって、建物の維持管理費や修繕費の負担が大きくなる点に注意が必要です。

なお、首都圏の一棟マンションの収益不動産の動向を知りたい方は、次の記事からご確認ください。
首都圏における収益不動産の動向 1棟マンション ~当社取り扱い物件より~ |ノムコム・プロ

投資用マンションと居住用マンションの2つの違い

前提として、投資用マンションは家賃収入を目的とし、居住用マンションは自らが住むことを目的としています。その点をふまえて、具体的な違いを次の観点から説明します。

1. ローンの種類
2. 物件価格の決め方

違い1.ローンの種類

ローンを利用する場合、利用できる種類が下記のように異なります。

1. 投資用マンション:不動産等投資ローン・アパートローン
2. 居住用マンション:住宅ローン

投資用のローンは金利が高めに設定されており、審査では物件の収益性や事業計画も重視されます。投資としての妥当性が問われるため、綿密な計画が必要です。

一方、居住用マンションでは住宅ローンが一般的です。住宅ローンは購入者自身が住むことを前提としているもので、金利が低く設定されています。審査では年収や勤続年数など、返済能力の確認が中心となります。

ここで注意すべきなのは、投資用マンションの購入に住宅ローンを利用することは、契約違反にあたるという点です。契約違反が発覚した場合は、ローンの一括返済を求められたり、最悪の場合は詐欺と判断されたりする場合があります。

投資用マンションには住宅用ローンの利用はできないため、目的に応じて適切なローンを利用しましょう。

違い2.物件価格の決め方

投資用マンションと居住用マンションでは、物件価格の決め方に違いがあります。投資用マンションの価格決定方法には複数の種類がありますが、その中のひとつに「収益還元法」があります。将来の収益予測に基づいて、物件の価値を算出する方法です。

収益還元法の計算式は、次のとおりです。

不動産価格=収益(賃料ー経費)÷還元利回り

物件の収益力が高ければ物件価格も高くなり、収益力が低ければ価格も低くなる傾向があります。

一方、居住用マンションの価格決定に用いられるのは「取引事例比較法」です。売却予定の物件と条件が近い物件の過去の成約事例を参考にし、平均坪単価をもとに外的要因を考慮して査定価格を算出します。

このように、投資用マンションと居住用マンションでは価格の決め方が異なります。投資用は将来の収益性を重視し、居住用は過去の取引実績が基準です。

次の記事では、物件の査定についての仕組みを説明しています。詳細な算出方法もまとめていますので、ぜひご覧ください。
不動産投資物件の査定、どんな仕組みで価格はどう決まる? |ノムコム・プロ

投資用マンションの5つのメリット

本章では、投資用マンションの全体的なメリットをお伝えします。

1. 安定した収入源になる
2. 資産形成に向いている
3. レバレッジ効果を得られる
4. 生命保険の代わりになる
5. 節税対策になる

投資用マンションの運営は、空室のない状態を維持できると、安定して収入を得られます。この収入の積み重ねにより、長期的な資産形成が可能です。立地条件が良い物件を選択できれば、時間経過とともに建物価値が上昇する場合もあるため、売却時に大きな利益を得られる可能性があります。

また、ローン残高が順調に減ると、物件を担保にさらなる融資を引き出すことができます。これを繰り返すとレバレッジ効果が狙え、大きなリターンが期待できます。

また、投資用マンションは生命保険に近い一面も持ちます。これは購入時にローンを利用する場合、「団体信用生命保険」への加入が条件に含まれている場合があるためです。

【団体信用生命保険とは】
ローンの契約者が死亡または重い障害が残った場合に、残債が免除されるもの

団体信用生命保険に加入していると所有者が亡くなった場合、遺族はローンのない収益物件を引き継ぎ、継続的な家賃収入を得ることができます。遺族に対し月々の安定収入を遺せる点が生命保険に近い性質といえるでしょう。

ただし、団体信用生命保険には注意点もあります。加入時には自身の健康状態を告知する義務があり、状態によっては加入を断られることもあります。さらに、投資用マンションの収益性によっては、期待した収益を得られない場合もあるので、契約者や家族の生活を支えられないなどのリスクに注意しなければなりません。

投資用マンションの運用では、節税効果を得られるメリットがあります。この仕組みは、不動産の維持などに必要なコストを経費として計上し、会計上の赤字を作り出して所得全体を圧縮するものです。結果として、所得税や住民税の課税所得が減少し、税負担が軽くなります。ただし、節税のために過度に赤字を作ると、税務調査を受けるリスクが高くなったり、不動産投資を展開しようとしても融資を受けられなかったりする場合もあるので注意しましょう。

※上記はあくまでも一般的な節税の仕組みを述べたもので、意図的に税の圧縮を促すものではありません。税金面は複雑な問題もありますので、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。

なお、不動産投資の節税効果や落とし穴について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
不動産投資は節税になる?個人の不動産所得の落とし穴 |ノムコム・プロ

次の記事では、サラリーマンが節税できるのか、その仕組みやシミュレーションについてまとめていますので、併せてご覧ください。
不動産投資でサラリーマンは節税可能?仕組み&税金シミュレーション |ノムコム・プロ

投資用マンションの5つのデメリット

投資用マンションには、次のようなデメリットがあります。

1. 空室リスクがある
2. 家賃を滞納されるおそれがある
3. マンションが老朽化し、競争力が低下するおそれがある
4. 自然災害のリスクがある
5. 金利が変動するおそれがある

投資用マンションでは空室が出るリスクがあります。周辺環境の変化や物件の魅力低下、周辺相場との乖離などが原因によるものです。空室があると家賃収入が途絶えますが、その間もローンの返済や物件の運用コストがかかるため、キャッシュフローが悪化します

家賃の滞納も同じく、収入が途絶える要因です。一度、滞納状態になると改善が見られない場合も多いです。滞納額が増えるとさらに支払いが困難になるため、支払いが遅れたらすぐに督促をしなければなりません。そのような業務が難しい場合は、滞納督促ができる管理会社を利用するか、賃貸人に代わって家賃の振り込みをしてくれる賃貸保証会社を契約条件にするなどの対策も必要になります。

マンションの老朽化も注意するポイントです。建物の老朽化は必ず起こることですが、老朽化に適切に対応しなかった物件は競争力を失うため、空室リスクが高まります。また、家賃を下げなければ入居がないこともあり、収支を悪化させる原因になります。普段から定期的にメンテナンスをしたり、修繕したりして物件の価値を維持しましょう。

下記のような自然災害についても注意が必要です。

● 地震
● 火災
● 水害
● 土砂災害

近年よく起こっているゲリラ豪雨や突風被害、酷暑や厳寒時期の電力不足、大型地震など、さまざまなリスクを考慮して対策をしておかなければなりません。災害リスクについては、次のような対策が効果的です。

物件選びの段階での対策 ● 新耐震基準を満たす物件を選ぶ
● ハザードマップを活用して、洪水や土砂災害などのリスクがある場所を避ける
保険による対策 ● 火災保険・地震保険に加入する
その他 ● 定期的な建物点検と修繕
● 耐震補強工事の検討
● 複数のエリアに分散投資してリスクを回避する

どのような場所でも起こり得ることなので、十分な対策が必要です。

金利の上昇も、投資用マンションの運用における重要なデメリットの一つです。例えば、金利が上昇するとローン返済額が増加し、その結果キャッシュフローが悪化するおそれがあります。当初の投資計画の見直しが必要になる場合もあり、投資家にとっては大きな心理的負担となります。

金利上昇のリスクを最小限に抑えるためには、いくつかの対策を講じることが重要です。直接的なリスク回避策としては、他の金融機関へのローン乗り換えや、物件の管理コストを削減するなどの方法があります。

一方、間接的な対策としては、金利上昇分を補うためのコストカットが挙げられます。例えば、不要な経費を見直したり、効率的な運営方法を模索したりすることで、全体的な支出を抑えることが大切です。

投資用マンションを所有する際は、常に金利動向に注意を払い、必要に応じて柔軟に対策をしましょう。

投資用マンションの失敗しない4つの選び方

本章では、投資用マンションの失敗しない4つの選び方について説明します。

1. 立地を重視する
2. 賃貸需要を見極める
3. 物件の状態をチェックする
4. 専門家に相談する

さっそく見ていきましょう。

選び方1.立地を重視する

立地の良い物件は賃貸需要が高く空室リスクが下がるため、投資用マンションを購入する際に重視したい部分です。例えば、次のような場所は第一選択肢としてチェックしておきたい立地です。

● 駅から近い物件
● 通勤・通学先が近い物件
● コンビニ・スーパーが近くにある物件
● 都心部や主要駅の周辺にある物件
● オフィス街に近い物件
● 医療機関や銀行など、生活に欠かせない施設の近くにある物件

優れた立地の物件は、将来的に売却する際も有利になります。住む人にとって、利便性の高い場所を選択しましょう。

なお、不動産投資用物件の「掘り出し物」の探し方を知りたい方は、次の記事をご覧ください。
投資用物件の「掘り出し物」は、どう見つける? |ノムコム・プロ

選び方2.賃貸需要を見極める

投資用マンションを購入する際は、物件の立地における賃貸需要を確認することが重要です。選んだ場所に賃貸需要がないと、入居者の確保が難しくなり、空室リスクが高まるおそれがあります。リスクを避けるためには、ターゲットとなる入居者層が実際に住んでいる地域なのかを事前に把握しましょう。

賃貸需要を把握するには、次のようにいくつかの方法があります。

● 不動産投資サイトで調査する
● 人口動態統計を確認する
● 不動産会社に相談する
● 現地調査を実施する
● 都市計画を参考にする

このような方法で得た情報を分析し、総合的に判断することが投資の成功に近づきます。事前の調査と分析をしっかり行いましょう。

なお次の記事では、不動産投資の成功率を上げる秘訣や成功かどうかの判断基準についてまとめましたので、ぜひご覧ください。
不動産投資の成功率を上げる秘訣とは? |ノムコム・プロ

選び方3.物件の状態をチェックする

投資用マンションを購入する際は、物件の状態を徹底的にチェックすることが重要です。特に中古物件の場合、修繕履歴が不十分だと、購入後に予想外の修繕費用が発生するおそれがあります。このような突然の出費は、キャッシュフローに大きな影響を与えかねません。

物件の現在の状態を確認するだけではなく、将来的な修繕の必要性も考慮に入れましょう。例えば、配管や電気設備、外壁の状態などを専門家に診断してもらうと、今後発生する可能性のある修繕費用を予測できます。

また、マンション全体の大規模修繕計画も確認し、将来の出費に備えることが賢明です。物件の状態を把握し、将来的な修繕費用を見込んだうえで投資判断をするようにしましょう。

選び方4.専門家に相談する

投資用マンションを選ぶ際は、専門家に相談するのもおすすめです。専門家は不動産市場のトレンドなどに精通しており、投資家が見落としがちな情報を提供してくれます。

専門家の知識を借りることで、時間の節約にもつながります。特に忙しい投資家にとって、自分に合った物件を効率的に探せるのは大きな利点です。専門家の提案により、優良物件に出会える可能性が高まり、投資成功の確率も上がります

ただし、専門家の選び方には注意が必要です。悪徳業者に頼ってしまうと、高い価格で物件を買わされたり、実際と異なる利回りを示されたりする危険があります。そのため、専門家を選ぶ際は、信頼性が高く実績のある事業者かを見極めるようにしましょう。

なお、ノムコム・プロを運営する野村不動産ソリューションズは、60年以上の長い期間、不動産の流通に関わってきました。そこで得たノウハウや積み重ねた実績から、お客様に合う物件をご提供しています。信頼されるパートナーを目指し、経験豊富なスタッフが丁寧に対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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投資用マンションを購入する際の3つの注意点

続いて、投資用マンションを購入する際の注意点を厳選して3つお伝えします。

1. 自身の投資目的に合っている物件か
2. 表面利回りだけで購入を決めていないか
3. 災害リスクは確認しているか

投資用マンションの購入には、多くの注意点がありますが、まずはこの3つを押さえておきましょう。後ほど、他の注意点についてもお伝えします。

注意点1.自身の投資目的に合っている物件か

不動産投資を始める前に、まず自身の投資目標を明確にしましょう。目標に沿った物件選びが、投資成功の鍵となります。代表的な不動産投資の目的を見てみましょう。

● 月々の収入源を確保したい
● 資産形成をしたい
● 節税対策をしたい

月々の収入源を確保したい場合は、利回りを重視します。費用対効果で収益性が高い物件が有力な候補となってくるため、都心部の新築物件よりも地方の中古物件を検討する可能性が高いでしょう。

一方、資産形成を目指す場合は、利回りよりも将来性の考慮が必要です。例えば、開発計画のあるエリアなどは、インフラ整備や周辺環境の向上により、将来的に物件価値が上昇する可能性が高まります。売却時に利益を得られる見込みが高いため、資産形成に適しています。

節税対策では、不動産投資によって発生した赤字を他の所得と相殺する「損益通算」が可能です。例えば、建物の減価償却費や物件の維持・管理のコストを計上して会計上の赤字が出た場合、所得全体の圧縮ができます。

その結果、課税所得が減少し、所得税や住民税の負担が軽減されます。ただし、過剰な赤字計上は次のようなリスクがあることも注意しなければなりません。

● 税務調査のリスク
● 金融機関からの評価低下

「今後、投資用マンションをもっと増やしたい」と考えている場合、所得の圧縮によって金融機関の融資が受けられなくなる場合があります。そのため、今後どのように不動産投資を展開していくかを含めて、自身の投資目的を考えておきましょう。

※上記はあくまで節税の仕組みを述べたもので、意図的に税の圧縮を促すものではありません。税務面は複雑な問題もありますので、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。

自身にあった投資方法を探したい場合、不動産投資の種類をチェックしてみることも大切です。次の記事では、不動産投資の種類を紹介しています。選び方のポイントも説明していますので、ぜひご確認ください。
不動産投資の代表的な10種類!自分にあった選び方も解説 |ノムコム・プロ

注意点2.表面利回りだけで購入を決めていないか

投資用マンションを購入する際は、表面利回りだけを基準にしないようにしましょう。表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割った単純な計算結果であり、おおまかな収益性を示しているにすぎません。不動産の維持に必要な諸経費の計算も含んだ「実質利回り」も把握しておきましょう。

さらに、利回りの計算は入居者がいて家賃が発生していることを前提としています。しかし、現実には空室の可能性もあり、空室の期間が続くと予測と実際の収益性との差が広がっていくおそれがあります。

良い物件を見つけたら、より詳細な不動産投資のシミュレーションがおすすめです。ノムコム・プロでは、キャッシュフローのシミュレーションツールを公開しています。

不動産投資シミュレーション(キャッシュフローシミュレーション)

※引用:不動産投資シミュレーション(キャッシュフローシミュレーション) - 不動産投資、収益物件、投資用不動産ならノムコム・プロ

物件情報を入力すると、キャッシュフローや年間収入だけではなく、年間支出や売却時最終損益(目安)を確認することも可能です。

投資判断の際は、物件の持つさまざまな要因を総合的に評価し選択しましょう。

注意点3.災害リスクは確認しているか

近年では想像もしない災害が増えていることもあり、より慎重に災害リスクを把握しなければなりません。下表に確認事項をまとめましたので、ご覧ください。

● ハザードマップを確認する
● 建物の耐震性を確認する
● 水害対策を確認する
● 過去の災害履歴を確認する

災害リスクを確認する場合は、専門家に相談するのもおすすめです。特に水害リスクについては、近年増加する水害への対策として、宅地建物取引業者に説明義務が課されています。
参考:建設産業・不動産業:宅地建物取引業法施行規則の改正について - 国土交通省

災害が起これば、予期せぬ修繕費用が発生したり、物件価値が下落したりしかねません。投資の収益にも直結する問題なので、物件の取得前には必ず災害リスクを確認しましょう。

なお、物件の購入に関する注意点をさらに知りたい方は、次の記事の「収益物件を購入する際の7つの注意点」をご覧ください。
収益物件とは?購入や運用はココに注意! |ノムコム・プロ

投資用マンションでよくある3つのQ&A

最後に、投資用マンションでよくある3つの質問に答えていきます。

1. 投資用マンションには住宅ローンは適用できないの?
2. 投資用マンションに自分で住んでもいいの?
3. 居住用マンションを投資用にしてもいいの?

気になるものからご覧ください。

Q1.投資用マンションには住宅ローンは適用できないの?

投資用マンションに住宅ローンを利用することはできません。住宅ローンは自己居住が前提となっており、投資目的での利用は認められていません。住宅ローンを投資用物件に使用すると、金融機関との契約に違反したことになり、一括返済を求められるおそれがあります。

例えば「フラット35」などの住宅ローン商品では、投資目的での不正利用を防ぐために、定期的に居住確認を実施しています。もし、不動産会社などから「住宅ローンを利用して、投資用マンションを購入できる」と持ちかけられた場合は、詐欺のおそれがあるので注意しましょう。

なお、次の記事では、ワンルームマンション投資で失敗するからくりについて3つのパターンを説明していますので、ぜひご覧ください。
ワンルームマンション投資で失敗するからくりとは?3つの具体例と対策 |ノムコム・プロ

Q2.投資用マンションに自分で住んでもいいの?

投資用マンションに自分で住むことは可能ですが、条件によっては住めないケースもあります。自己居住が許される主な状況の一例は、次のとおりです。

● 不動産投資ローンを全て返済している
● 投資用マンションを全て自己資金で購入している

親族に住まわせる場合も同様の条件が適用されます。上記の条件を満たしていない状態で親族を入居させると、契約違反とみなされかねません。トラブルを避けるためにも、金融機関や専門家に確認したうえで判断しましょう。

Q3.居住用マンションを投資用にしてもいいの?

居住用マンションを投資用に転用することは可能です。居住用にマンションを購入したものの、転勤などの事情で長期間居住できなくなるケースもあります。そのような場合、賃貸として貸し出すことで家賃収入を得ることが、物件の有効活用手段として考えられるでしょう。

ただし、転用の際には下記のような特定の条件が求められる場合もあるため、確認が必要です。

● 住宅ローンを完済している場合
● 金融機関の許可を得た場合

居住用マンションを投資用に転用する際は、条件を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

まとめ:投資用マンションのメリットを最大限に活用しよう

投資用マンションとは、所有者が家賃収入を得る目的でマンションを購入し、第三者に賃貸するためのマンションです。投資用マンションには、次の2種類があります。

1. 区分マンション投資:マンションの1室のみを購入し運用する
2. 一棟マンション投資:マンションの建物全体を所有して運用する

また、投資用マンションと居住用マンションには違いがあり、投資用マンションには次のような特徴があります。

● ローンの種類:投資用マンションは、不動産投資ローンを利用する
● 物件価格の決め方:収益還元法などを用いて計算する

投資用マンションには、次のようなメリット・デメリットがありますので、それぞれを把握し、投資判断にお役立てください。

投資用マンションのメリット 投資用マンションのデメリット
● 安定した収入源になる
● 資産形成に向いている
● レバレッジ効果を得られる
● 生命保険の代わりになる
● 税制上の優遇を得られる
● 空室リスクがある
● 家賃を滞納されるおそれがある
● マンションが老朽化し、競争力が低下するおそれがある
● 自然災害のリスクがある
● 金利が変動するおそれがある

投資用マンションの購入を検討している方には、不動産投資に関する情報を定期的に収集することをおすすめします。

当サイトを運営するノムコム・プロでは、不動産投資に役立つ情報や新着物件情報などを会員限定で配信中です。会員になると誰でも無料で「4つの特典」を受け取れますので、下記からお気軽にご登録ください。

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前田 裕太
前田 裕太

前田 裕太企業役員、不動産投資家、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)

上場企業勤務時代にローンを活用して不動産投資を開始。現在は全国に複数の物件を所有する。不動産投資の知識をつけるため、独学で宅建試験に合格。
現在は不動産投資の傍ら、スタートアップ企業の役員として離島振興に従事。不動産の知識・経験や内装事業部とのシナジーも活用し、空き家問題の解決にも取り組んでいる。
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