不動産投資コラム

初心者でもわかる!キャッシュフローの計算と不動産投資で収益を安定させるコツ

初心者でもわかる!キャッシュフローの計算と不動産投資で収益を安定させるコツ

この記事では、不動産投資において「キャッシュフロー」がなぜ重要なのか、その理由や計算方法、さらにマイナスキャッシュフローを防ぐための具体的な対策について解説します。

キャッシュフローは、不動産投資の収益を安定させるために知っておくべき指標です。不動産投資初心者の方や、現在運用中の物件の収支を改善したいと考えている方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

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キャッシュフローとは?不動産投資で重要視される理由

不動産投資における「キャッシュフロー」とは、家賃収入などの収入から、ローン返済や管理費、修繕積立金、固定資産税といった支出を差し引いた後に手元に残る現金のことです。この金額は、不動産投資の収益性や健全性を測る重要な指標となります。

【キャッシュフローの計算式】
月額家賃収入-(ローン返済額+管理費+修繕積立金+その他経費)

例えば、毎月の家賃収入が15万円で、ローン返済や管理費などの支出が合計12万円の場合、残りの3万円がキャッシュフローとして残る金額です。この「最終的に手元に残る現金」が、不動産投資としての安定性を判断するうえで重要な役割を担います。

一方で、支出が収入を上回りキャッシュフローがマイナスになると、毎月の赤字を自己資金で補填し続ける必要があり、資金繰りが厳しくなるリスクがあります。

キャッシュフローがプラスであれば、下記のようなメリットがあります。

1. 安定した資金管理
家賃収入から経費を差し引いても手元に現金が残るため、予想外の修繕費やその他の出費にも余裕を持って対応できます。

2. 金融機関からの評価が向上
キャッシュフローがプラスの物件は安定収益を生み出すと評価され、追加融資が受けやすくなります。

3. 資産価値が維持しやすい
毎月の収支が健全であれば、物件の維持管理をしっかりと行うことができ、資産価値の低下を防ぎやすくなります。

物件購入前には、収入と支出を正確にシミュレーションし、手元にどれだけ現金が残るのかをしっかり確認しましょう。

特に、一棟マンションやアパート、戸建て投資などは「キャッシュフローをプラスにすること」が大前提であり、かつ一般的に短期での売却を目的としません。そのため、支出のみならず、その物件の収入が適正か(賃貸需要、賃料相場など)という視点も非常に重要になります。

キャッシュフローと利回りとの違い

キャッシュフローと利回りは、不動産投資の収益性を測るための重要な指標ですが、特に投資初心者の方は混同しやすい指標です。

キャッシュフローは、家賃収入からローン返済や管理費、固定資産税などの全支出を差し引いた後に「手元に残る現金額」を指します。不動産投資の実際の運用状況を把握し、投資が継続可能かどうかを判断するためのものです。

一方、利回りは、物件の購入価格に対してどれだけの収益を得られるかを示す割合で、投資物件を選ぶ際の目安として使われます。「表面利回り(グロス利回り)」と「実質利回り(ネット利回り)」の2種類があります。

・表面利回り=年間家賃収入÷物件価格×100
※経費を考慮しないため、物件の収益性を大まかに評価する指標です。

・実質利回り=(年間家賃収入-運用経費)÷物件価格×100
※管理費や固定資産税などの経費を含むため、より現実的な収益性を示します。

利回りは物件の投資効率を示しますが、具体的な運用費用や毎月の資金繰りまでを把握することはできません。利回りだけをもとに投資判断を行うのはリスクが高い行為といえるでしょう。
不動産投資を成功させるには、表面利回りだけではなく、運営経費を差し引いた実質利回りも確認し、将来のキャッシュフローを予測することが大切です。

そして、さらに一歩踏み込んで不動産投資での成功確率を高めたい方は、ぜひ「目に見えない数字」にも着目してみてください。
数多く物件の検討を繰り返すと、どうしても利回りやキャッシュフローなどの「数字が良いもの」を「良い物件」と定義してしまいがちですが、そういった目に見える数字のみに囚われすぎてしまうのは危険です。

なぜなら、例えば「現状で相場よりも家賃が高く取れている物件」などは利回りやキャッシュフローの観点で見ると「良い物件」に見えますが、裏を返すと「今後、運用での下落幅を孕んでいる物件」ともいえるでしょう。つまり、数字にばかり囚われると、そういったリスクの見落としにつながってしまうのです。

物件選びでは立地、築年数、周辺環境などを十分に調査し、運用では空室対策や適切な修繕計画を立てるなど、物件選びから運用まで慎重に行いましょう。

なお、利回りについて気になる方は、下記の記事もご覧ください。
不動産投資における利回りの最低ラインとは?改善する4つのポイントも解説

キャッシュフローと帳簿上の利益の違い

帳簿上の利益とは、会計上の収益から必要経費を差し引いた金額であり、財務諸表に記載される利益を指します。経費には、減価償却費のように、実際には現金の支出を伴わない費用が含まれるため、帳簿上の利益とキャッシュフロー(現金の流れ)は必ずしも一致しません。

具体例をもとに、差が生じる理由を説明します。

【条件】
・年間家賃収入:120万円
・ローン返済額(年間):96万円(内訳:元金60万円+利息36万円)
・維持費:20万円 ・減価償却費:40万円

帳簿上の利益は、収益から経費を差し引いて計算します。経費には「利息支払い」「維持費」「減価償却費」が含まれますが、「元金返済」は経費に含まれません。

【計算方法】
帳簿上の利益=家賃収入-経費(利息支払い+維持費+減価償却費)
→120万円-(36万円+20万円+40万円)= 24万円

キャッシュフローは、実際に手元に残る現金の流れを示します。この場合、ローン返済全体(元金+利息)と維持費を差し引き、減価償却費は現金の支出を伴わないため考慮しません。

【計算方法】
・キャッシュフロー=家賃収入-支出(ローン返済額+維持費)
→120万円-(96万円+20万円)=4万円

帳簿上の利益は24万円でプラスですが、実際のキャッシュフローは4万円しか手元に残りません。これは、減価償却費が帳簿上では経費として計上されるものの、現金の支出を伴わないためです。また、元金返済は経費に含まれないため、帳簿上の利益とキャッシュフローにズレが生じます。

帳簿上の利益がプラスだからといって、実際に手元に現金が十分残るとは限りません。キャッシュフローを正確に把握することが、不動産投資を安定運用するためにも欠かせない要素です。

不動産投資におけるキャッシュフローの計算方法

ここでは、実際にキャッシュフローをどのように計算するのか、具体的な方法と便利なツールをご紹介します。

【計算例あり】キャッシュフローを自分で計算してみよう
ノムコム・プロのキャッシュフローシミュレーション

【計算例あり】キャッシュフローを自分で計算してみよう!

不動産投資におけるキャッシュフローは、下記の計算式で求めることができます。

・キャッシュフロー=家賃収入-(ローン返済額+運用にかかる経費+税金)

キャッシュフローがプラスであれば、毎月の収支に余裕があり、安定的な運用が可能です。キャッシュフローがマイナスの場合、赤字を補填する必要があるため、資金繰りが厳しくなります。余談ですが、もしもキャッシュフローがマイナスなものに投資する場合は「より具体的な出口戦略を練る必要がある」ということを念頭におくようにしましょう。

1. 収入を計算する
まず家賃収入を中心に、次のような収入源をすべて合計します。

・家賃収入:入居者からの毎月の賃料
・共益費収入:共用部の維持費用として入居者が負担する金額
・駐車場収入:駐車場を設置している場合の使用料

2. 支出を計算する
次に、不動産投資にかかるすべての支出を合計します。主な支出項目は下記のとおりです。

・ローン返済:元本と利息の返済額
・管理費:物件の維持や運営にかかる費用
・修繕積立金:将来の修繕工事に備える費用
・固定資産税・都市計画税:物件所有者に課される税金
・火災保険料:火災や災害に備える保険の費用
・その他経費:広告費や仲介手数料、清掃費など

3. キャッシュフローを計算する
最後に収入から支出を引くとキャッシュフローを求められます。

【例】
・収入合計:家賃収入15万円+駐車場収入1万円=16万円
・支出合計:ローン返済8万円+管理費2万円+修繕積立金1万円+固定資産税5,000円+火災保険料5,000円=12万円
・キャッシュフロー:16万円-12万円=4万円

このケースでは、毎月手元に残る現金は4万円となり、キャッシュフローがプラスであるため、健全な運用ができていると判断できます。

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このツールを使えば、物件価格、想定利回り、築年数、借入金額、金利などの情報を入力するだけで、年間のキャッシュフローや実質利回り、自己資金投資利回りなどを簡単にシミュレーションできます。複数の条件でシミュレーションを比較できるため、最適な投資プランを検討する際に役立ちます。

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ただし、キャッシュフローシミュレーションは、あくまでも不動産投資に関する試算を参考情報として提示しているものです。実際の収支額は、入居状況、金利変動、予期せぬ修繕費の発生など、さまざまな要因によって異なります。実際に投資判断を行う際には、税理士などの各専門家にご相談ください。

不動産投資でキャッシュフローを安定させるための運用の工夫

不動産投資においては、「購入前の判断」と「購入後の運用」の双方の視点が大事です。購入前にリスクを最小限に抑える計画を立て、購入後にその計画を実行・調整することで、安定したキャッシュフローを実現できます。ここからは、この2つの視点から具体的な運用の工夫を解説します。

1. キャッシュフローを意識した物件選び
2. 頭金を増やして借入額を抑える
3. コストを見直してキャッシュフローを改善する
4. 入居率をアップして家賃収入を増やす

ポイント1.キャッシュフローを意識した物件選び

正しい物件選びができれば、空室リスクを抑え、長期的に安定した収益を得られます。

【物件選びのポイント】

1. 立地
駅から徒歩10分以内、または生活に必要な施設が揃っているエリアは、賃貸需要が高い傾向にあるため、空室リスクを抑えられます。さらに周辺の家賃相場の伸び方にも着目することをおすすめします。新築や築浅物件の伸び率が良いのか、それとも築浅・築古問わず満遍なく伸びているのか、「どの年数帯が」「どのような推移で」伸びているかを確認することによって、出口戦略を描く際にも一つの基準ともなり得ます。

2. 築年数
築年数が古い物件は修繕費が増える可能性があるため、費用対効果を事前に確認しましょう。具体的には「大規模修繕の履歴」や「前オーナーの所有年数、および売却理由」などは隠れたリスクをあぶり出すためにも確認が必要です。

3. 周辺の賃貸需要
人口が増加している地域、再開発が進むエリアは将来的にも賃貸需要が安定します。しかしながら将来性を重視するあまり、現在の物件の状況を見落としてしまっては本末転倒ですので、注意が必要です。

なお、物件選びや収支計画の段階で不動産の専門家に相談することで、長期的な視点での収益シミュレーションが可能です。これにより、リスクを軽減しやすくなります。

ノムコム・プロを運営する野村不動産ソリューションズでは、不動産投資に関する豊富な実績をもとに、物件選びから収支計画のアドバイスまで幅広いサポートを提供しています。立地や物件の選定、資金計画について悩んでいる方も安心してご相談ください。

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ポイント2.頭金を増やして借入額を抑える

頭金とは、不動産購入価格の一部を自己資金で支払う額のことです。頭金を支払った後の残りの金額は、金融機関から融資を受ける形で補います。不動産投資において、頭金を増やすことは、ローンの借入額を減らし、毎月の返済負担を軽減する効果的な方法です。

【具体例】3,000万円の物件を購入し、金利1.5%・返済期間35年のローンを組んだ場合

・頭金20%(600万円)
借入額は2,400万円、月々の返済額は約72,600円

・頭金10%(300万円)
借入額は2,700万円、月々の返済額は約84,000円

ただし、頭金を増やしすぎると、修繕費や予期せぬ出費への備えが不足するリスクもあります。例えば、物件購入後に空室が増えたり修繕が必要になったりした場合、手元資金が少ないと対応が難しくなるため注意が必要です。
不動産購入時には、物件価格だけでなく、諸経費も含めた資金計画を立てるようにしておきましょう。

また、購入後も繰り上げ返済によって、キャッシュフローの改善や利息で支払う部分の圧縮など、頭金を入れたのと同等の効果を得ることが可能です。
手元の資金に不安がある方は、無理のない範囲で頭金を入れつつ、状況に応じて繰り上げ返済をしていくといった、ある種柔軟な対応をしていくことをおすすめします。

資金調達ついて知りたい方は、下記の記事で解説していますのでチェックしてみてください。
頭金ゼロでも買える?不動産投資の資金調達のコツを教えます!

ポイント3.コストを見直してキャッシュフローを改善する

不動産投資では、収入だけでなく支出の管理がキャッシュフローの安定に欠かせません。特にローン返済額や維持管理費などの固定費を見直すことで支出を抑え、収益性を高められます。

例えば、ローンの借り換えは効果的な方法の一つです。金利の低いローンに変更することで、毎月の返済額を軽減できます。また、前述しましたがボーナスや臨時収入を利用して繰り上げ返済を行えば、利息の支払いを抑えつつ、総返済額を減らせます。

さらに、ローンの借入期間を延長して月々の返済額を減らす方法もあります。これにより、目先のキャッシュフローの改善が見込めます。しかしながら、返済期間を延ばすと総返済額が増加する側面もあるため、こちらは慎重に長期的な視点でメリットとデメリットを検討しなければなりません。

ポイント4.入居率をアップして家賃収入を増やす

不動産投資において、家賃収入は収益の柱です。しかし、空室が増えると収入が不安定になり、ローン返済や維持費の支払いが難しくなるリスクがあります。そのため、物件の魅力を高めて入居率をアップさせることが重要です。

具体的には、リフォームや設備投資が効果的です。例えば、壁紙の張り替えやキッチン設備の改善を行えば、物件の印象が良くなり、家賃の引き上げや入居希望者の増加が期待できます。

また、無料Wi-Fiや宅配ボックスなどの設備は入居者の利便性が高まり、他の物件との差別化になります。加えて、物件の清掃やメンテナンスも大切です。物件の清潔感を保てれば、新規入居者の獲得だけでなく、既存入居者の退去率低下にもつながります。

不動産投資の基本的な手順について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【9ステップ】不動産投資の正しい始め方を初心者向けに完全ガイド

キャッシュフローを安定させて不動産投資を成功させよう

キャッシュフローは、不動産投資において毎月の収入と支出のバランスを把握するための重要な指標です。資金繰りを安定させ、予期せぬ出費に備え、次の投資資金を準備するうえでも欠かせません。
また、利回りや帳簿上の利益など他の指標との違いを理解することで、物件の収益性を正確に把握し、より良い投資判断が可能になります。

マイナスキャッシュフローを回避するためには、物件選びを慎重に行い、家賃収入を増やす工夫やローン返済額の見直し、空室リスクの管理といった具体的な取り組みが必要です。こうした積み重ねが、安定したキャッシュフローを維持し、失敗しない不動産投資につながるのです。

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髙森 塁会社経営、宅地建物取引士

不動産業の他、クリニック、建設、病院食事業を営む会社を経営。また、不動産会社をはじめWEB制作事業やSES事業など多くの会社の顧問、役員を勤める。自身が運営するコミュニティでは医師、歯科医師、弁護士をメインに50名が在籍し「不動産による被害を撲滅するためのセミナー」を2019年より年に2〜4回ほど開催している。顧客には区分マンションを22件保有しているオーナーや、1棟収益物件を30棟保有するオーナーがいるなど、緻密な出口戦略を武器に数多くの「メガ大家」を排出している。
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