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  3. 不動産投資をした後も大切
  4. Q2.毎年かかるコストには、どんなものがありますか?

不動産投資をした後も大切

Q2.毎年かかるコストには、どんなものがありますか?

A2.管理費・修繕費・固定資産税などがあります。

管理費・修繕費で賃料収入の1割前後

不動産投資事業とは「大家さんになる」ということです。大家さんには、入居者募集、賃貸借契約締結、家賃の収受、トラブル・クレーム対応、滞納家賃の督促など、不動産やその他の専門知識や経験がないとなかなか難しい「仕事」もあります。

これらについては、「不動産管理会社」に依頼して行うほうが安心で、大家さんの負担も少なくて済むでしょう。
もちろん、依頼するからには「管理委託費」が発生します。依頼する内容にもよりますが、清掃なども含めるとすると毎月の回収賃料の5%程度になる場合があります。

また、建物の不具合箇所の修繕および、マンション設備の法定点検やメンテナンスの費用がかかります。さらに、定期的に「大規模修繕」を行う必要がありますので、家賃収入から一定金額を「修繕積立金」としてプールしておくことが必要になるでしょう。

いずれにしても、維持管理や修繕費用で「回収賃料の5%程度」が必要になると考えておくべきです。
管理委託費と修繕積立金を合わせると、毎月の回収賃料の1割程度を経費などの必要費として見込んでおくことになるでしょう。

固定資産税などでさらに5~10%程度

不動産を保有していると「固定資産税」がかかり、市街化区域内(ほとんどの住宅地が該当)であれば「都市計画税」もかかります。それらの税率は、固定資産税が1.4%で都市計画税が0.3%、これらを合わせて通常1.7%程度です。
ただし、固定資産税などの税額を計算する際の「固定資産税評価額」は、物件の購入価額の6割程度になるなど、売買取引の流通価格よりもかなり低い評価額になるのが一般的です。

また、土地については「小規模住宅用地」として課税標準が通常の場合の1/6〜1/3(200㎡まで)の評価減になったり、新築建物には一定期間に限り固定資産税などに関する減免措置があったりしますので、結局のところ税額は「購入金額の0.5~1%」程度です。

「表面利回り10%」の場合、賃料収入は「購入金額の10%」ということです。したがって固定資産税・都市計画税の年額は「年間賃料収入の5~10%」と言い換えられます。

具体的数字で見てみると

購入金額1億円(土地6000万円、中古建物4000万円)、年間家賃収入1000万円のケースを想定してみます。家賃収入の1割ぐらいが管理委託費・修繕費になりますので、約100万円です。

固定資産税・都市計画税ですが、土地の固定資産税評価額は、購入金額の6割程度で、3600万円です。「小規模住宅用地」の特例が受けられるので、固定資産税の課税標準は600万円(通常の評価額の1/6)、都市計画税の課税標準は1200万円(通常の評価額の1/3)です。

これに税率をかけて

土地にかかる固定資産税=600万円×1.4%=8.4万円
土地にかかる都市計画税=1200万円×0.3%=3.6万円

です。中古建物のほうは、固定資産税評価額が2400万円(購入金額の6割程度)ですので、

中古建物にかかる固定資産税=2400万円×1.4%=33.6万円
中古建物にかかる都市計画税=2400万円×0.3%=7.2万円

となり、土地建物合わせて52.8万円になります。

家賃収入が1000万円なら、管理委託費・修繕費で100万円と固定資産税などで52.8万円の合計152.8万円が、年間の管理費・修繕費としてかかることがわかります。

借り入れを行う場合、元利返済負担もある

そのほかの経費としては、エントランスや外灯など「共用部分」の電気代や清掃時などの水道代、建物に付保した火災保険料があります。大きい経費としては、金融機関への返済があります。融資金利4%で借り入れた場合には、元本部分も合わせると「借入額の6~7%」を毎年支払うことになります。

上記の購入金額1億円、年間家賃収入1000万円のケースを想定してみましょう。購入金額の8割に当たる8000万円を「返済期間 25年、金利4%」で借り入れた場合、利息・元本合わせて約507万円を毎年金融機関に返済する計算になります。つまり、賃料収入の半分ぐらいが返済に回る形です。

柴田 敏雄(しばた としお)宅地建物取引士、管理業務主任者

宅地建物取引士、管理業務主任者

司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を中心に不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事。

司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を中心に不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事。

その他「不動産投資をした後も大切」の質問はこちら

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買った後のコストや手間についても知っておきましょう。

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