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  3. 不動産投資をした後も大切
  4. Q7.法律的な部分で面倒なことはありますか?

不動産投資をした後も大切

Q7.法律的な部分で面倒なことはありますか?

A7.借家法や民法、消費者契約法など、関連する法律はいくつかありますが、管理会社が対応することが一般的です。

大家さんと入居者との間で訴訟になるケースも少なくない

「家賃の支払いが遅れる」「よくトラブルを起こす」「契約書に定めた規約を守らない」など、入居者と大家さんとのトラブルは意外に多いものです。正直、「退去していただきたい」と思う入居者もいるかもしれません。

しかし、入居者にも法律で守られた「居住する権利」があります。実際に退去していただくとなると、逆に訴えられる可能性もあるため注意が必要です。「契約書に違反している」ようなケースでも、「契約書自体が法的に無効」とされることもあるでしょう。

例えば「家賃を一定期間滞納した場合、居室内の財産を処分し、カギも取り替える」などの条項を盛り込んでいても、大家さんが本当にそれをやってしまうと、入居者は損害賠償請求することができます(実際に判例があります)。

近年多いのが、退去時の「敷金返還トラブル」です。大家さんとしては、退去時には「もともとのきれいな形に戻したい」と思い、預かっていた敷金を全部リフォームに使う、場合によっては、追加で費用を請求する、といったケースがあります。

このケースに関して、裁判になり大家さん側が負ける、というニュースもよく聞きます。「クロスの張り替えに使う目的で敷金を返還しない」ようなことをすると、「クロスの汚れは、普通に使用していても発生するもので、大家が負担するべき」という「基準」があり、裁判で負けてしまうのです。

もともと、東京の賃貸ルールだったものが全国に波及した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、昨今の賃貸物件解約後の原状回復に関して、全国的な指針になりました。

これは、あくまで参考資料でありガイドラインの遵守を強制するものではありませんが、揉めごとに発展しやすい「通常の使用による損耗」や「善管注意義務違反や故意過失による建物価値の減少」などは、特によく理解して「賃貸人・賃借人の修繕負担表」に基づいた退去時の原状回復や敷金の精算ルールとして活かしていくこと求められます。

とはいえ、こういったトラブルに対応しようとすると、「民法」「借家法」「消費者契約法」など、いろいろな法律知識を持たなければなりません。

実際の現場では、管理会社に対応してもらうことがほとんどですが、大家さんとしても、専門書を読んだり、セミナーに参加したりして、ある程度の知識を備えておくのが望ましいでしょう。

ワンルーム投資をする場合は「区分所有法」にも注意

ワンルーム投資をする場合、「分譲マンションの一室だけを持つ」ことになります。ワンルームオーナーは法的には「区分所有者」となって、「区分所有法」という法律が関わってきます。これは、区分所有者の権利や義務を定めたものです。

具体的には、「(魅力ある物件にするために)共用部分の形状などを変えたい」と思っても、区分所有者および議決権の4分の3以上の賛成がないとできません。

また、貸している相手(入居者)の素行に問題があるような場合、管理組合の決議で退去を命じられることもあります。こうなると、思いがけない時期に突然家賃収入が途絶えてしまいます。このほか、共用部分の管理費や修繕積立金は、区分マンションを所有し続ける限り区分所有者の義務として家主が負担しなければなりません。

このように、「区分所有法」は投資の「成果」にも影響を与える点に注意が必要です。

柴田 敏雄(しばた としお)宅地建物取引士、管理業務主任者

宅地建物取引士、管理業務主任者

司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を中心に不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事。

司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を中心に不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事。

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