子育てファミリーのための
「お金」のレッスン
学校では教えてくれない「お金の基本」や、毎日忙しい子育て世代にこそ知ってほしい「お金の使い道」をレクチャーします!
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子育てファミリーのための
「お金」のレッスン
学校では教えてくれない「お金の基本」や、毎日忙しい子育て世代にこそ知ってほしい「お金の使い道」をレクチャーします!
2016.03.17vol.015
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの八木陽子です。
最近、学校では、各ご家庭のいろいろな事情に配慮して、先生が子どものおこづかいの金額を示すことが減っています。
でも、実際は、「いつから、いくら、どんなふうに渡したらいいの?」と内心悩んでいるママたちが少なくありません。
「学年×100円? それとも年齢×100円? うちの方法でいいのかしら?」
今回は、子どもに渡すおこづかいのノウハウをご紹介します!
おこづかいは、お金の教育の一番の教材です。
どんな教育でも実体験が大切と言われますが、本物のお金を手にするおこづかいから学ぶことは多いはずです。
子どもたちが、初めて自分で責任を持つお金がおこづかい。
始める時期は、
(1)子ども自身が買いたいものが出てくる
(2)「お金は物を買うために交換する」など最低限のお金の役割が理解できている
ことが、目安になります。
次に、金額設定ですが、「おこづかいで何を担当するのか(買うのか)」を決めるのが、最も大切な要素だと思います。
今まで親が支払っていたものをそのまま買ってもらえて、さらにおこづかいがもらえる......これでは、子どもにとって、おこづかいは、ただの余剰資金でしかありません!
おこづかいでは、必要なものを購入し、残ったお金で欲しいものを買うこと。
たとえば必要なものとは、文房具、本、雑誌、お菓子、習い事に関係するもの、携帯電話、交際費など。
子どもたち本人が支払う必要なものを決めることで、自然とおこづかいの基本金額が決まってきます。
また、必要なものを購入し、残ったお金で欲しいものを買うお金の管理術を身につけることができます。
これは、大人のおこづかいの金額を考えるときも同じです。
ある2人のパパのおこづかいが同じ4万円だったとしましょう。
金額は同じでも、適正かどうかの判断の一つが「内訳」になります。
パパAは営業マンで、外出が多く、昼食は街中のランチ、どうしてもお付き合いが多く交際費がかかる、自己研さんの費用もいる...となると、4万円でも厳しいかもしれません。
一方、もう一人のパパBは内勤で、毎日の昼食は社食が給与天引きのため、おこづかいからの持ち出しはほぼゼロ。
仕事の研修も会社の経費で受けられ、飲み会は年に数回の会社主催のもので自己負担なし。
...こういう二人のパパのおこづかいを、単純に金額の比較をしても意味がありませんよね。
子どものおこづかいも単純に金額の比較ではありません。
大切なのは「内訳」です。
そのため、学年×100円の場合も、年齢×100円の場合も、その「内訳」に目を向けましょう。
次におこづかいの渡し方を考えてみましょう。
3つの渡し方をご紹介します。
定額制のメリットは、計画が立てやすいことです。
デメリットは、おこづかいをもらえる日になると、何もしなくてもおこづかいがもらえますので、そもそもお金は働いて得られるという概念が伝わりづらいです。
一方、報酬制のメリットは、お手伝いをするとおこづかいがもらえるので、「お金は労働の対価」という概念が伝わり、お金を稼ぐ大変さを実感できる方法です。
しかしながら、デメリットとしては、何にでも対価を求めたり、おこづかいがもらえないとお手伝いをやりたがらなかったりすることにつながる可能性があります。
これを克服するためには「そもそも家族の一員として、家のことをするのは当たり前」という考えを伝えるとよいでしょう。
また、その両方を組み合わせた「ミックス制」とは、定額制(固定の金額)に、報酬制(歩合給の金額)を上乗せした方法です。
3つの方法から、家庭の方針や価値観、お子さんの性格を考えて、渡し方を決めましょう。
いざおこづかい制を導入してみると、我が子のお金の使い方があれこれと気になるママたち。
「なんでこんなくだらないものを買うの?」「お金を貯めることばっかり興味があって心配」といったように...。
子どもがお金を使っても貯めても、気になってしょうがないママは多いものです。
でも、大人でも、上手に使うのは難しいお金のこと。お金のやりくりは、子ども自身が身につけなければならないものです。
「失敗は成功のもと」と考えて、子どものうちに、たくさん失敗してみましょう!
失敗させないように、親が先回りする必要はありません。
たくさんの失敗を積み重ねて、大人になったら、上手にお金とつきあうことができるとよいですね。