この記事では、家賃収入だけで暮らす生活に関心がある方に向けて、具体的なステップや、必要な金額の目安・成功事例などを紹介します。安定した家賃収入を目指す際の参考として、ぜひ最後までお読みください。
なお、下記の記事では家賃収入の仕組みや種類、メリット・デメリットを詳しく解説しています。家賃収入の基礎知識から押さえたい方は、チェックしてみてください。
家賃収入を得て生活はできるのか?仕組みやメリット・デメリットを解説 |ノムコム・プロ
目次
「家賃収入だけで暮らす」とはどういうことか
「家賃収入だけで暮らす」とは、労働収入に依存せず、不動産投資からの収益を主な生活費用として活用するライフスタイルのことです。このライフスタイルは、時間的自由と経済的安定をもたらしてくれる可能性があります。
【具体例】
● 月30万円の家賃収入で、日常生活費と住宅ローンを支払う
● 複数の物件を所有し、リスク分散と収入の安定化を図る
● 物件管理や修繕などの業務を行いながら、自由な時間を楽しむ
家賃収入は市場の波に左右されにくい特性があります。特に複数の物件を所有していれば、一つの物件が空室になったとしても他の物件でカバーすることが可能です。また、不動産投資は価値がゼロになるリスクが低く、適切に管理されていれば資産価値が増す可能性もあります。
家賃収入だけで暮らす例が気になる方は、「3つの成功事例:家賃収入だけで暮らしている人の実態」をご覧ください。
いくらあれば家賃収入だけで暮らせる?
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)」によると、2023年の二人以上の世帯の平均月間消費支出は29万3,997円でした。この金額をもとに、二人以上の世帯で家賃収入だけで日本人の平均的な生活を維持するためには、月に約30万円程度を目指す必要があると考えられます。
ただし、実際に必要な家賃収入額は、世帯の生活スタイルや住んでいる地域によって大きく異なります。また、家賃収入を主な収入源とする場合、下記の要素を考慮することが大切です。
住宅ローンや固定資産税などの住居費 | これらの費用が家賃収入からどれだけ占めるかを考慮する |
---|---|
運用コスト | 物件の維持管理にかかる費用も考慮に入れる |
税金 | 不動産所得にかかる税金やその他の公的負担も計算に含める |
家賃収入で生活するためには、これらのコストを差し引いた後の純利益が生活費をカバーできる額でなければなりません。したがって、家賃収入だけで生活することを目指す場合は、不動産の選定や購入・管理に関して慎重な計画が求められます。
記事の後半では、「家賃収入だけで暮らすための具体的な7ステップ」を紹介します。
3つの成功事例:家賃収入だけで暮らしている人の実態
家賃収入だけで生活することは、多くの不動産投資初心者にとって憧れのライフスタイルです。ここでは、実際に家賃収入で生計を立てている人々の具体的な事例を紹介し、成功への道筋を探ります。
1. 都市部での複数物件運営
2. 地方での一棟買い
3. 海外不動産投資
事例1.都市部での複数物件運営
多くの不動産投資家が最初に購入を希望するのは、賃貸需要の旺盛な都市部の物件です。ここでは、東京都内で複数の賃貸物件を運営しているAさんのケースを取り上げます。このAさんのケースにおいては、ある種「王道」とも呼べるようなロードマップを引いているので「再現性」という部分を求める方にとっては必見です。
Aさんは現在35歳。大学病院勤めのドクターとして働くかたわら都心部で二棟、部屋数としては8部屋と12部屋の中古アパートを所有しています。
毎月の賃料収入は、ローン返済後の手残り金額として30万円ほど。今後も不動産購入を積極的に進めていく予定ですが、ここに至るまでの道中に再現性が隠れています。
Aさんは最初、27歳の時に都心部の区分マンションを3部屋購入しました。7年ほどの運用を経て区分を売却。そこで手元に残った資金を頭金として、一棟へ「ゲームチェンジ」を行ったのです。
ここでの要点は2つあります。
1つ目は、区分から始めた、という点です。区分マンションは物件購入時の頭金をかなり少なく購入できる、という「始めやすさ」といった利点があります。最初区分から始めることで、「頭金の捻出」以外にも「そもそもの不動産投資の経験値」の獲得に成功しました。
2つ目はどこに重点を置いて物件選定をしたか、です。区分マンションの物件選定では「相場よりも安いもの」に重点を置き、売却時にキャピタルゲインが設計できるような区分を購入しました。それにより「一棟購入時に必要な頭金を、不動産運用に慣れながら捻出できる」といった、良い流れを作ることができました。
中古のアパート購入は、実はそこに至るまでの道中にこそ力を入れるべきです。物件選びの選球眼や、運用そのものに慣れるには、実際に運用することこそが近道といえます。
管理面では、専門の不動産管理会社に委託することで、入居者の対応や設備トラブルの解消を効率的に行い、安定した収益を確保可能なので「いかにして一棟へつなげるか」という視点で一度ロードマップを引いてみることをおすすめします。
事例2.地方での一棟買い
次に、地方都市で一棟買いを行い、家賃収入を確保しているBさんの事例を見てみましょう。
Bさんは現在52歳。現預金と株式での運用にて頭金を捻出し、地元の中心市街地に位置する古いビルを購入、リノベーションを施した後、テナントとして地域の企業や店舗を誘致しました。
地方の物件は、一般的に都心部と比べて物件価格そのものが低価格となるため 、物件購入の初期費用を低く抑えられるケースがあります。しかしながら、地方物件においては金融機関の担保評価が都心部と比べ低い傾向にあるので、「融資の使い方」には注意が必要です。
Bさんはリノベーション費用には、一切現金は使用せずフルローンを組み、またビルの購入時には「リノベ後の賃料収入をあらかじめ金融機関に提出する」だけでなく、事前に「リノベ後のイメージ図と家賃」を周辺企業へ打診するよう不動産仲介会社へ依頼していました。
その結果、ビル購入時のローン金額が事前の予想よりも大きく上振れ、物件価格のほとんどを融資で賄えたことにより、頭金を最小限に抑えられました。
毎月の賃料収入は、ローン返済後の手残り金額として20万円ほど残っています。
まれに「地方=安い=自己資金が安く済む」と誤認されている方もお見受けしますが、地方こそ緻密な融資戦略が重要になることを覚えておきましょう。
事例3.海外不動産投資
最後に、海外の不動産市場への投資に成功しているCさんのケースを紹介します。
Cさんは現在43歳。一般商社で働く中で、海外出張が多く海外の不動産に興味を持ったのがきっかけでした。
アジアの成長著しい都市部において、住宅やオフィスビルの投資を行っています。海外投資の際のポイントは、その国の経済状況や法律・文化を正確に理解することはもちろんですが「現地の信頼できるパートナーと協力すること」が必要不可欠です。
Cさんは自身の働く会社の現地支店の方から紹介を受けたパートナーと、現地の法律に精通した弁護士と連携し、投資のリスクを管理しながら、高いリターンを実現しています。
海外不動産投資に興味がある方は、下記の記事もチェックしてみてください。
海外不動産投資は儲かる?失敗する? |ノムコム・プロ
これらの事例から、不動産投資において多様なアプローチが可能であることがわかります。それぞれの投資戦略には独自のリスクとリターンが存在するため、自己の資金力やリスク許容度を考慮した計画的な投資が成功の鍵を握ります。
家賃収入だけで暮らすための具体的な7ステップ
最後に、家賃収入だけで暮らすための具体的な7つのステップを解説します。
1. 目標収入の設定
2. 適切な物件の選定
3. 資金計画の策定
4. 物件購入と契約プロセス
5. 物件の改善と価値向上
6. 運用と管理の最適化
7. 税務と法務の管理
これらのステップを参考に、安定した家賃収入で生活できる未来を築きましょう。
ステップ1.目標収入の設定
まずは、家賃収入で実現したい生活レベルを明確にし、目標とする月額収入を設定しましょう。現在の生活費、将来の計画、そして余裕を持った生活を送るための金額などを考慮して、具体的な数値を決めます。目標収入が定まれば、達成するために必要な物件数や家賃相場を把握し、具体的な計画を立てることができます。
また、必要な物件数が明確になったのなら、そこから逆算し「必要な自己資金の額」も数値化しましょう。ここが大きく実態と異なると、いつまで経っても家賃収入は現実のものとなりません。心配な方は、まずはここから信頼できるパートナーへ相談してみるのもよいでしょう。
ステップ2.適切な物件の選定
物件選びは、不動産投資成功の鍵を握る重要なステップです。
● 立地条件
● 物件の種類
● 市場価格
● 建物の状態・築年数
● 周辺環境
● 将来の資産価値の見込み
など、さまざまな要素を総合的に判断し、収益性の高い物件を選びましょう。
特に、賃貸需要の高いエリアや、将来的な地価上昇が期待できるエリアに注目すると良いでしょう。また「そもそもの当該物件の相場となる金額」には必ず注目しましょう。その物件が割安なのか、相場ほどなのか、割高なのか、それらを見定める選球眼は絶対的に必要です。その物件が割安なのか・割高なのかという、たった1点に物件の魅力は大きく左右されます。忘れずに確認することをおすすめします。
ステップ3.資金計画の策定
不動産投資には、物件購入費用だけではなく諸経費や将来的な修繕費など、さまざまな費用がかかります。そのため、事前に綿密な資金計画を立てることが重要です。前項で挙げた自己資金だけでなく、ローンやその他の資金調達方法などを検討し、無理のない範囲で投資を進めましょう。
また、金利変動や経済状況の変化など、リスクについても考慮することが大切です。
不動産投資のリスクについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
不動産投資の7つのリスクと7つの回避術 |ノムコム・プロ
ステップ4.物件購入と契約プロセス
物件を購入する際には、契約書の内容をしっかりと確認し、専門家(弁護士や不動産業者など)に相談することも検討しましょう。特に、権利関係や瑕疵担保責任など、重要な事項については十分に理解しておく必要があります。
※瑕疵担保責任とは
物を売った人が、売った物に隠れた欠陥(瑕疵)があった場合に、買った人を保護するための責任。例えば、家を買った後に大きな亀裂が見つかった場合、売った人はその修理費用を負担するか、場合によっては売買契約を取り消すことができる。これにより、買った人が安心して商品を購入できるようになる。
また、不動産登記や税金の手続きなど、煩雑な手続きも発生するため、事前に準備を進めておきましょう。
ステップ5.物件の改善と価値向上
購入した物件の価値を最大化するために、リフォームやリノベーションを行うことも検討しましょう。入居率向上につながるような、魅力的な間取りや設備への改善がおすすめです。また、定期的なメンテナンスにより、物件の寿命を延ばし、資産価値を維持することも大切です。
リノベーションや設備のアップデートは、物件の魅力を高め、より高い家賃を設定できるようにするために有効です。
物件選定の際には「現在ついている家賃は相場とどの程度離れているのか」という点も、「リフォームなどでバリューアップが望める家賃なのか」を見定めるうえで非常に重要な要素なので、しっかり確認しておきましょう。
ステップ6.運用と管理の最適化
入居者の募集、家賃の回収、トラブル対応など、物件の管理業務は多岐にわたります。これらの業務を効率的に行うために、不動産管理会社に委託することも検討しましょう。また、入居者や不動産管理会社と良好な関係を築くことは、間接的に安定的な家賃収入を得やすくする効果があるため心がけましょう。
ステップ7.税務と法務の管理
不動産投資には、所得税や固定資産税などの税金が発生します。また、賃貸借契約に関する法律や、不動産に関すさまざまな規制についても知っておく必要があります。税理士や弁護士などの専門家と連携し、適切な税務処理を行い、法令を遵守することが重要です。
まとめ:家賃収入で暮らす生活を始めよう
この記事では、家賃収入で暮らすための具体的なステップや、成功事例を紹介しました。家賃収入で暮らすことは、経済的な自由を手にするための第一歩です。まずは、ご自身の目標収入を明確にし、物件選びや資金計画を慎重に行いましょう。
また、これから家賃収入を得たいと考えている方は、不動産投資に関する定期的な情報収集が欠かせません。当サイトを運営するノムコム・プロでも、不動産投資に役立つ情報や新着物件情報などを会員限定で配信中です。会員になると誰でも無料で「4つの特典」を受け取れますので、下記からお気軽にご登録ください。