この記事では、「マンション投資は儲からないのでは」と不安を抱えている方や、「これから投資を始めよう」とお考えの方に向けて、リスクや失敗を避けるための対策について解説します。空室リスクや家賃収入の減少など、収益が不安定になる原因を理解し、適切な対策を講じることで、賢く投資を進めるためのヒントが得られます。マンション投資初心者の方や始める前に不安を解消したい方は、ぜひ最後までお読みください。
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目次
マンション投資が儲からないと言われる4つの理由
マンション投資には多くの魅力がありますが、一方で「儲からない」と言われることもあります。ここでは、その主な4つの理由について解説します。
1. 空室リスク
2. 物件価格の下落
3. 家賃収入の減少
4. 維持管理費用の上昇
順に詳しく見ていきましょう。
なお、マンション投資の基本を先に押さえたい方は、下記の記事をご覧ください。
投資用マンションとは?居住用との違いやメリット・デメリットを徹底解説 |ノムコム・プロ
理由1.空室リスク
前提として、マンション投資には大きく分けて「一棟マンション投資」と「区分マンション投資」があります。
種類 | 概要 |
---|---|
一棟マンション投資 | マンション一棟全体を投資対象とする。 |
区分マンション投資 | マンションの一室または複数室を投資対象とする。 |
このうち、区分マンション投資で最も懸念されるのが「空室リスク」です。例えば、ワンルームマンション投資として一室のみを所有していた場合、空室が発生すると、その期間は家賃収入が止まってしまうためローンの返済を自己負担しなくてはなりません。一棟マンション投資であれば複数の部屋から収益を得られるため、仮に一部屋空室が発生した場合でも影響は限定的ですが、一部屋のみが収入源となるワンルームマンション投資の場合は、その部屋が空室になると収益はゼロになってしまいます。そのため、空室リスクを軽減するための対策が必要です。
詳しい対策方法については、後ほど「マンション投資で失敗しないための5つのポイント」の中で紹介します。
理由2.物件価格の下落
物件価格の下落も、マンション投資の大きなリスクの一つです。購入後に市場の変動や物件の老朽化などによって価格が下落すると、売却時に損失が発生するおそれがあります。
価格下落のリスクを軽減するためには、そもそものエリアとしての賃貸需要の大小のようなマーケットが重要です。また、適切に修繕計画が組まれ、実施されているかも確認しましょう。建物は築年数が経過すれば劣化する箇所が出てきますが、計画的に修繕されていれば、劣化による価格下落を最小限に抑えることが可能です。
理由3.家賃収入の減少
家賃収入の減少は、収益の安定性に影響を与える重要な要因です。近隣物件との競争が激化したり、賃貸需要が急激に低下したりすると、家賃を下げざるを得ない場合があります。現在の賃料が周辺と比較して高く(あるいは低く)ないか、適正に設定されているか確認しましょう。
また、新築マンションでは「新築プレミアム」として高い賃料設定がされていることが多く、現入居者が退去後、「新築プレミアム」効果がなくなり大幅な家賃下落を迎えるケースも少なくないため注意が必要です。
空室リスクでも述べたように、ワンルームマンション一室のみを所有している場合は、収益に大きな打撃を与えることがあります。購入前に賃料相場をチェックするだけではなく、定期的に賃料相場の確認をすることも重要です。
理由4.維持管理費用の上昇
維持管理費用の上昇は、収益性を低下させるリスクです。建物が古くなると、修繕費や共用部分のメンテナンス費用が増える傾向があります。特に築年数が経過した物件では、大規模な修繕が必要になることもあります。
これを避けるためには、購入時に過去の修繕履歴や長期的な修繕計画を確認することが重要です。区分所有の場合は管理組合の積立金の状況を確認しましょう。将来的な費用を見込んで資金計画を立て、予期せぬ出費に備えて緊急予備費を設定することで、収益性の低下を最小限に抑えることができます。
マンション投資で失敗しないための5つのポイント
マンション投資において成功するためには、事前の準備や情報収集が必要です。初心者が失敗しないための知っておくべきポイントは、主に下記の5つです。
1. 購入前に市場調査を行う
2. 信頼できる管理会社を選ぶ
3. 長期的な視点で物件を選定する
4. 空室リスクを抑える工夫をする
5. サブリース契約のリスクを理解する
ここでは、リスクを回避しながら投資を進めるための方法を解説します。
ポイント1.購入前に市場調査を行う
投資を行う前に、まずは市場調査を行うことが重要です。市場の動向や将来の発展が期待できる地域を選ぶことで、安定した収益を得やすくなります。
特に、人口が増加しているエリアは家賃の下落リスクが低い傾向があります。「再開発マップ」などのツールを活用することで、今後の発展が見込まれる地域を見極めるのも一つの手です。
ポイント2.信頼できる管理会社を選ぶ
信頼できる管理会社を選ぶことが、投資成功の鍵です。管理会社が物件の維持や空室対策をしっかり行うことで、空室リスクを最小限に抑えることができます。
選定時には、過去の実績や顧客の評価を確認し、円滑なコミュニケーションができる会社を選ぶと良いでしょう。また、契約内容を理解し、適切なサービスを受けられるようにすることも大切です。資料請求を通じて管理会社を比較したり、不動産会社からの紹介を利用したりする方法もおすすめです。
ポイント3.長期的な視点で物件を選定する
マンション投資は短期的な利益を追求するものではなく、長期的な視点が必要です。購入時には、物件の耐用年数や周辺環境の変化を考慮しなくてはなりません。
例えば、周辺に学校や病院、公共交通機関が充実している地域は入居者に人気があるということなど、景気の変動を考慮しながら物件を選ぶことが、長期的な安定収益につながります。
しかしながら「長期的な視点が必要」というのは「短期的な目線を必要としない」ということではありません。矛盾を孕む言い方に聞こえるかもしれませんが、未来永劫状況が変わらないということはありませんので、言い換えると「近未来で当該物件がどう変化するか」という視点は必要だということです。
前述しましたが、例えば新築物件を購入する場合は「新築プレミアムがなくなった後の賃料はどの程度で落ち着くのか」といった考え方であったり、長期的に保有するつもりがライフプランの変化などがあり、売却せざるを得ない状況下になってしまった場合を想定して「どの程度の年数を持てば損益分岐点となるのか」といった考え方は非常に重要です。
長期の視点で考えつつ、短期的に起こりうることを想定し、そこに対応できるような物件を選ぶことこそ、投資家自身の身を守ることにつながるのです。
ポイント4.空室リスクを抑える工夫をする
空室リスクを抑えるためには、物件の魅力を高める工夫が必要だといわれています。リフォームや設備の充実で入居希望者の関心を引き、需要の高いエリアにマッチした魅力的な設備や間取りを備えることが重要だと主張する動画や記事も多いでしょう。
しかしながら、ワンルームマンションにおいては仮に万全のリフォームをしたところで得られるバリュー、つまり家賃の値上げや空室期間の短縮化などに繋がらないケースが多くあります。
そこで当記事では、比較的容易な空室対策をご紹介させていただきます。その方法は「賃貸仲介会社(管理会社)へ広告料(AD)を支払う」です。
賃貸仲介の現場では、入居者から仲介手数料をもらうことが一般的ですが、一部の物件では「入居者を決めた際にオーナーからも賃料の1ヵ月分の報酬を得られる」物件が存在します。
その報酬は「広告料」や「AD」と呼ばれているのですが、これが空室リスクの軽減に繋がります。
賃貸仲介会社からすると、単純に成約した際の報酬が2倍になるだけではなく「管理が続く限りこのオーナーは広告料を支払ってくれる」という「特別な顧客」になり「早く入居者を決めたいオーナー」へと優先順位が上がる傾向にあります。
このような仕組み、制度を上手く活用することが空室リスクを抑えることにつながっていきます。
ポイント5.サブリース契約のリスクを理解する
最後に、サブリース契約を利用する際には、そのリスクをしっかりと理解しておく必要があります。サブリース契約とは、管理会社が物件を借り上げ、他の入居者に貸し出す仕組みですが、契約内容や条件によっては収益が不安定になる場合があります。特に、契約の見直しが必要なタイミングや、契約解除に関する条件を事前に確認することが大切です。
サブリース契約の仕組みや注意点などをさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
サブリースとは?やばい、安心?不動産投資におけるメリット&注意点 |ノムコム・プロ
マンション投資で利益を上げるための3つの戦略
マンション投資で利益を上げるためには、綿密な戦略が不可欠です。ここでは、下記の3つを詳しく説明します。
1. リスク分散のために複数物件を保有する
2. 築年数や立地を慎重に選定する
3. 購入時の資金計画を立てておく
その1.リスク分散のために複数物件を保有する
1つ目の戦略は、複数の物件を保有することで投資リスクを効果的に分散させる方法です。特定の物件が空室になった場合でも、他の物件からの家賃収入があるため、全体的な収益の安定性が見込めます。
また、物件ごとに立地やタイプが異なる場合、地域特有の経済状況や需要の変化に影響を受けにくくなり、万が一のリスクを軽減し、投資全体の収益性を高めることができます。
その2.築年数や立地を慎重に選定する
2つ目は、物件の築年数や立地を慎重に選ぶことです。特に築年数が新しく、交通アクセスが良好な立地は、空室リスクが低く資産価値が下落しにくい傾向があります。
例えば、都市部や人気エリアでは、需要が高いため安定した家賃収入が期待できるでしょうし、売却するときも高値で売れる可能性があります。一方で、期待できる利回りは低い傾向があり、キャッシュフローは慎重にシミュレーションしましょう。過疎地や築古の物件では、高い利回りであることが多い一方で、リフォーム費用や維持管理費用がかさむおそれがあります。
その3.購入時の資金計画を立てておく
マンション投資において、購入時にしっかりとした資金計画を立てることは欠かせません。ローン返済や管理費、修繕費用など、さまざまな費用を事前に把握し、キャッシュフローを計算しておくことで無理なく投資ができます。また、予想外の支出に備えるための緊急予算も考慮しておくと安心です。
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マンション投資が儲からないケースの実例
マンション投資においては、成功することもあれば、逆に大きな損失を被ることもあります。実際に起こった具体的な事例を見ていきましょう。
1. 物件の価値が大幅に下落した
2. 空室が続き、収益が安定しなかった
3. 家賃保証が期待通りに機能しなかった
事例1.物件の価値が大幅に下落した
人気エリアに物件を購入したものの、管理費・修繕積立金の値上がりが想定以上にかさみ、毎月の収支、および物件価格が急落したケースです。
築年数14年、山手線内の某駅5分…
立地としては申し分ないエリアにワンルームマンションを1部屋購入したAさん。
しかしながら所有からわずか6年で管理費・修繕積立金が当初よりも6,000円も値上がりしてしまいました。
これにより、当初想定していた毎月の許容収支を超えてしまい、手放すことを検討しましたが、築年数が20年を超えているという点と、管理費・修繕積立金が6,000円値上がりしていることによる評価の下落により、売却の際の手出し金額が450万円ほど出ることとなり、無理をする形で持ち続けるしかありませんでした。
このケースはまさに、前述した「近未来で当該物件がどう変化するか」の調査を怠った結果だと言えるでしょう。
築年数による物件価格の下落、賃料や管理費・修繕積立金の変動による物件価格の下落、これらの想定が実勢とズレることで「買わなければよかった」が生まれてしまいます。
「そもそも投資用物件の価格はどのように決まっているのか」というところから調査、確認が必要です。
事例2.空室が続き、収益が安定しなかった
新築のワンルームマンションを1部屋購入したBさん。
「新築プレミアム」が終わり、中古市場になったにもかかわらず、うまく賃料を中古市場にフィットさせることができず、空室を長期間出してしまったケースです。
投資物件の空室リスクはマンション投資における大きな課題ですが、今回のケースでは新築時の賃料を過信してしまい、中古になった後も家賃設定が高すぎたため、周辺の相場に対して魅力を感じない入居者が多かったことが影響しています。結果として収益が安定せず、維持管理費用やローン返済が負担となり、投資家は大きな経済的ストレスを抱えることになりました。
事例3.家賃保証が期待通りに機能しなかった
サブリースで家賃保証契約を結んでいたCさん。契約更新時にサブリース会社からの賃料減額要請を承諾してしまい、想定月収支を大幅に下回ってしまったケースです。
サブリース契約は、安定した家賃収入を目的として広く利用されていますが、実際にはさまざまな問題に直面することがあります。特に問題となるのが、サブリース会社からの賃料減額要請です。多くのオーナーがこの要請を、ある種「強制力のあるもの」だと捉えていて「拒否をすると不利になるかもしれない」という恐怖心から、不本意ながら減額に応じてしまうケースを多々見受けます。
しかしながら「強制力」などは全くありません。賃料減額要請がなされた際は「同マンションの直近の賃貸成約事例」や「現在の空室数」などをしっかりと調査しましょう。
サブリース会社の中には、一方的に強制かのような文言で賃料の減額を迫ってくる会社もありますが、そういった会社には自身で調査した結果を理路整然と説明し、賃料減額を求める正当性を開示させましょう。
事例1でも触れましたが、オーナーにとって賃料は投資の成功失敗を左右するかなりクリティカルな要素です。しっかりと準備、対策を行いましょう。
初心者でも安心してマンション投資を始めるための注意点
マンション投資を始める際には、特に注意が必要なポイントがあります。ここでは、初心者が理解しておくべき重要な注意点を3つ説明します。
1. 初期費用をしっかりと把握する
2. 不動産会社との信頼関係を構築する
3. リスクヘッジの方法を学ぶ
注意点1.初期費用をしっかりと把握する
マンション投資をする際、初期費用をしっかりと把握することは非常に重要です。
一般的に、ワンルームマンションであれば手付金の10万円からスタートすることが可能です。現金として必要になるところとしては、金融機関へ支払う融資事務手数料や登記費用など、およそ100万円前後であることが多いのですが、これらは物件によってはローンへ上乗せも可能です。
また、仲介会社より購入する場合は仲介手数料が物件代金の3%ほど発生し、築古物件などであればリフォーム費用も考える必要があるでしょう。投資を始める際の初期費用に関しては、事前にしっかりと計算しておきましょう。
こちらの記事で、不動産投資の初期費用について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
不動産投資の初期費用はいくら?9つの項目・節約術を完全ガイド |ノムコム・プロ
注意点2.不動産会社との信頼関係を構築する
信頼できる不動産会社を選ぶことは、マンション投資の成功を左右します。まず、過去の実績や口コミ評価を確認し、その会社がどのような物件を扱っているのかをリサーチしましょう。アフターフォローが充実しているかどうかも重要なポイントです。
信頼できるパートナーを見つけることで、投資のリスクを軽減し、安心して物件購入を進めることができます。気になる点や疑問があれば、遠慮せずに質問し、自分に合った情報収集を行うことが大切です。
注意点3.リスクヘッジの方法を学ぶ
マンション投資にはリスクが伴いますが、それらを軽減させるための手段を学ぶことが大切です。
市場動向を把握し、必要に応じて投資戦略を見直すことが重要です。
- ・とにかく長期保有をする
- ・何があっても家賃を下げない
といった凝り固まった考えは、投資成功に必要な柔軟性からはかけ離れていると言えるでしょう。
不動産投資には「どんな状況下にでも対応できるようにしておく」という「柔らかさ」が必要であり、その柔らかさこそがリスクヘッジにつながるということを覚えておいてください。
また、自身でのリサーチに限界を感じた方が専門家に相談するのもおすすめです。下記の記事で不動産投資の相談先について詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
不動産投資のおすすめ相談先6選!選び方や相談時に押さえるべきポイントを紹介 |ノムコム・プロ
マンション投資を成功させるための3つのアドバイス
ここまで、儲からないとされる理由や利益向上の戦略、注意点について紹介しました。ここまでの内容から、マンション投資を成功させるためのアドバイスをまとめます。
1. あらゆる可能性を視野に入れた投資戦略を立てる
2. 綿密なキャッシュフロー計算を行う
3. 信頼できるパートナーと連携する
1.あらゆる可能性を視野に入れた投資戦略を立てる
投資の目的を明確に設定し、家賃や管理費・修繕積立金の上昇、下落を考慮した計画を立てましょう。
マンション投資においては、基本的には短期的な利益よりも長期的な資産形成を重視することが重要ですが、短期にも目を向け「直近で起こりそうなこと」への対策を必ず講じましょう。
2.綿密なキャッシュフロー計算を行う
投資を開始する前に、入ってくる収入と今後の支出をしっかりと計算しましょう。
家賃収入、管理費、税金、修繕費などを考慮し、実際に手元に残る金額を把握します。つまり、投資の健全性を事前に確認し、リスクを念頭に置くということです。
3.信頼できるパートナーと連携する
投資に関する情報提供や、物件管理のサポートをしてくれる良いパートナーを見つけましょう。評判をしっかりと確認し、ご自身の投資スタイルに合った会社を選ぶことが重要です。信頼できるパートナーと連携することで、安心して資産運用を行いやすくなります。
まとめ:リスクを理解し、賢くマンション投資を始めよう
マンション投資が儲からないとされる理由には、空室リスクや物件価格の下落、維持管理費用の上昇などが挙げられます。しかし、これらのリスクを理解し、適切な対策を講じればマンション投資を成功へとつなげることが可能です。
市場調査や信頼できるパートナーとの関係づくり、初期費用の資金計画をしっかり把握するなど、リスクを軽減する戦略を立てて賢いマンション投資を始めましょう。
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