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不動産投資の基本

Q2.家賃収入以外にもメリットがあると聞きましたが本当ですか?

A2.本当です。税金の面でいくつかのメリットがあります。

赤字の場合、ほかの所得と「通算」できる

家賃収入から不動産事業を運営するための各種経費(リフォーム代、水光熱費、仲介手数料、広告宣伝費、税金、雑費など)を差し引いた「不動産所得」が、所得税の対象になります。

サラリーマンの場合、「不動産所得」のほかに「給与所得」があるわけですが、それと合算した「課税所得金額」に対して所得税を計算します。不動産所得にマイナスがあれば、給与所得と相殺(損益通算)することで、課税所得金額がその分少なくなり、所得税も少なくなる仕組みです。

もっとも、購入初年度は、すぐに入居者が集まらなかったり、コストがいろいろ発生したりと、現金収支もマイナスになることがあります。ただこの場合も、ほかの所得と通算できる「節税効果」を鑑みると、影響は小さくて済むでしょう。

また、税務上は投資用不動産の購入費用を数年〜数十年に分割して購入したような経費計上をする「減価償却費」を計上できます。

これにより、不動産事業の利益を圧縮でき、税金も少なくすることができるでしょう。とはいえ、減価償却費は実際の現金支出ではありませんので、実際の現金収支では、大きくプラスになることがよくあります。

固定資産税や相続税も軽減される

アパート・マンションが建っている土地は、1戸あたり200平米までは「小規模住宅用地」200平米を超える部分は「一般住宅用地」と分類され、固定資産税および都市計画税の算定基準である課税標準額が下表のように軽減されます。

固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地
1戸あたり200平米まで
課税標準額 =
 評価額 × 1 / 6
課税標準額 =
 評価額 × 1 / 3
一般住宅用地
200平米を超える部分
課税標準額 =
 評価額 × 1 / 3
課税標準額 =
 評価額 × 2 / 3

つまり、もとから所有していた更地の土地を使って駐車場経営をしているような場合、その土地上に建物を建てることで、土地にかかる固定資産税を大きく節減できるわけです。

また、不動産投資は「相続税の節税対策」として行われることもよくあります。不動産を買うことで「現金」という資産が「不動産」に変わることになり、現金よりも不動産のほうが、税制上評価が低いので、将来相続が発生した際の相続税額も小さくなります。

土地の相続税は、土地の売買流通価格ではなく「相続税路線価」によって計算した土地評価額をもとに税額を計算します。この土地の評価額は売買流通価格より2割程度低いのが一般的です。

売買流通価格から2割程度評価が下がったその土地が、「貸家建付地」の要件を満たす場合には、さらに自用地の評価の4〜5割前後まで下がるため、結果的には流通価格が1億の土地でも、投資物件が建っている場合の土地の評価は4,500万円前後になる場合があるのです。

一方で、建物のほうは固定資産税評価額をもとに税額を計算し、これは一般的な流通価格の7割程度になります。つまり、1億円で購入した建物でも、相続税を計算する際の評価は7,000万円程度というわけです。

柴田 敏雄(しばた としお)宅地建物取引士、管理業務主任者

宅地建物取引士、管理業務主任者

司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を中心に不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事。

司法書士事務所に2年、大手不動産管理会社に5年、個人顧客を中心に不動産賃貸・売買の仲介営業会社に7年間従事。

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