どうしたら片付けてくれるの?ママと子どもの「お片付け」のコツ
毎日毎日散らかすわが子に悩むママ達のための、子どもと一緒に上手にすすめるお片付けのコツを紹介します。「親・子の片づけ教育研究所」理事の橋口真樹子さん監修のもと、マスターインストラクターがバトンをつなぎ、リレー形式でコラムを連載します。
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どうしたら片付けてくれるの?ママと子どもの「お片付け」のコツ
毎日毎日散らかすわが子に悩むママ達のための、子どもと一緒に上手にすすめるお片付けのコツを紹介します。「親・子の片づけ教育研究所」理事の橋口真樹子さん監修のもと、マスターインストラクターがバトンをつなぎ、リレー形式でコラムを連載します。
2015.06.17
第4回目のコラムではママスペースを片付けたお宅。今回は同じリビング内にある子どもコーナーの整理です。ママスペースの作業ですでにスッキリの使いやすさと気持ちよさを体験していた子ども達。
今回は皆で頑張る片付け大会を楽しみにしてくれていました。怒られたりダメ出しされたりするのでなければ、本来子ども達は片付けが嫌いではありません。片付けはやった結果が見た目にも分かりやすく、達成感のあるプロセスだからです。
・夫(45歳)
・妻(44歳)
・長女(15歳・高1)
・次女(10歳・小5)
・長男(7歳・小2)
・お住まい 58m2・1LDK・築16年のマンション(持家)
以前ご紹介したリビング。壁・窓面に沿って子ども達3人の勉強机が配置されています。
小5次女と小2長男の机 | テレビ脇の小2長男のおもちゃコーナー |
高1長女の机 |
子どもの「学校の物」と一口に言っても、教科書、ノートやランドセル以外に、体操服や書道セットなど、かさばる物がたくさん。このお宅の子ども達のスペースは本当に限られていて、その中で自分の物をやりくりしているのですからよく頑張っています。
まずは子ども達と少し話します。「今日は一緒に片付けよう。このお部屋をどうしたい?」。
突然来た人にこんな風に聞かれても、明確に答えるのは難しいですね。「うーん。スッキリさせたい・・・?」
そう、大人と同じ。どうしたいのかよくわからないけど、「スッキリさせたい」んです。
散らかっているよりは片付いている方が気持ちがいい。子どもも本当は分かっています。でも、何をしたら片付くのか、がわからない。そしてすごく大変な作業だと、わかっていてもできない。
「じゃあね、まずは物を「分けて」いきます。これは教科書、これはオモチャ、これはプリント、これはカバン。そんな感じでいいよ。真ん中にシートを敷くから、そこにどんどん置いてね。」
「その時にもう要らない物があったら、それはあっちの隅にまとめてね。昔はたくさん遊んだり読んだりしたけれど今は使わなくなった物ってあるんじゃないかな?そういう物を少し減らして、今大好きな物のスペースを作ろう。」
「それから、分ける時に迷った物があったら言ってね。無理になんでも減らす必要はないからね。「使ってないけどとっておきたい物」は、頑張って場所を用意できるように考えてみよう。」
10分程度話をしてから「まずはやってみようか」と早速作業開始。お姉ちゃん2人のサポートを私が、息子さんにはお母さんに付き添ってもらいながら作業を始めました。
子どもに「片付けなさい!」と言ったきりほおっておいても、子どもはやってくれません。
頑張ろうとしている傍で付き添いながら声かけをする事がとても大事。迷ったときに「どうやって分けようか?」と声をかけたり、「それ懐かしいね!」と思い出を振り返ったり、「おっ、判断早いね!」とほめてみたり。上手に寄り添ってくれるお母さんとなら、片付けは嫌な作業ではなくなります。
自分の収納スペースから次々と物を出し、分けながらシートの上に置いていく子ども達ですが、判断に迷った時には声をかけて「仕分け方」のお手伝い。
「その手帳は遊ぶ時に使うノート、それとも勉強用のノート?」
「授業で頑張って書いたレポートだね。まだ取っておきたい、それとももう要らない?」
中には分類しようのないごちゃごちゃとした小物もありますね。そんな時には「小さなおもちゃ類」などのざっくり仕分けも便利。探そうと思ったときに本人が「ここにあるはず!」と分かればいいのです。
片付けてくれないと思っている子ども達は、物の処分はとっても上手。成長と共に必要な物、興味のある物が変わるので「今」だけを基準に気持ちいいほどあっさりと仕分けてくれます。
ですからそんな時に親が「もったいないから」と必要以上に介入しないことが大事。基本的には本人の判断を尊重してあげましょう。
物の仕分けが終わったところで、休憩を兼ねて近くのお店でランチ。片付けの話や学校の話、友達の話など、子どものおしゃべりは止まりません。
「宿題は?」「明日の支度できたの?」など、忙しい毎日の中でお母さんがかける言葉は、子どもが「聞いてほしい」話題とは異なります。だから意識して「お母さんが聞きたいこと」ではなく、「子どもが話したいこと」を聞いてあげる時間をつくりましょう。そんな時間の後の子どもの聞き分けの良さには驚きますよ(笑)。
お昼の後はもう一頑張り。仕分けた物のうち、残す物達をどこに収納するか決めて片付けていきます。
基本ルールは「本やプリントなどの紙類は棚、小物類は引出しやかご」。あとは子どもたちにとって出し入れしやすいスペースに、よく使う物を入れていきました。
3人で合計5時間頑張った後のお部屋です。
<Before> | <After> |
・目の前の棚は学校の教科書などを含む本や紙類が最優先。空きスペースが出来たので長女の
飾りたい物や置きたい物も収納しました。
・机上はなるべく広々とさせたい場所。ここではCDデッキ、スタンドライト、ゴミ箱、鉛筆
立てと写真立てを一つだけに厳選しました。
・狭いスペースなので、足元も有効活用。紙製ボックスには思い出の品、自宅にあったラタン
かごや技術の授業で作った木製の箱を活用しながらかさばるカバンや学用品を収納しまし
た。
<Before> | <After> |
収納スペースの基本的な使い方は長女の机と共通です。
・棚は教科書類と本、余ったスペースには次女の希望する物を収納。
・机上はゴミ箱、鉛筆削り、スタンドライトと写真立てだけ。
・左側の引出しは、もともと入っていた仕切りを取り外して「やりかけの物」を入れる場所
に。
キッチンなどでも見かけますが、入れたい中身とあわない仕切りは使わなくていいのです。
・ランドセルは引出しの上を定位置に。絵の具セットやかばん類などの大物は机下に並べまし
た。
<Before> | <After> |
まだまだ教科書や紙類の少ない小学2年生。主要科目は毎日学校に持っていくのでランドセルの中でも大丈夫です。
・机の上には本人の希望でカブトムシとエサ入れを。
・引出しは鉛筆のストックぐらいしか入っていないためガランとしています。左の引出しはや
りかけの物をいれる場所に、右の引出しはお気に入りの妖怪ウォッチのメダルスペースにし
ました。
・音楽などの副教科の教科書は3番目の深い引出しに。今はまだ学校の図書や絵の具セットま
で入れる余裕があります。
・大きな学用品は足元に。ランドセルはテレビ側の机の脇に置きました。
<Before> | <After> |
テレビ脇のおもちゃスペースは物が床にまで溢れかえっていましたが、いざ物の整理を始めると、長男君は「これはもういい!」を連発。かなりの物が処分となり、ラタンのかごが複数空になりました。
妖怪ウォッチが大好きになって以来、全興味がそちらの方にうつった感じの長男君。小学校生活も2年目に入り、おもちゃで遊ぶ時間もそれまでよりだいぶ短くなったのでしょう。
小学校生活にすっかり慣れたころのおもちゃの整理、おすすめです。
子どもスペースのお片付けの最大のポイントは、物を上手に減らす事。
・成長と共に使わなくなった絵本やおもちゃは手放す
・学校や塾のプリント類は、見直した後は処分(不安な時は先生に確認してください)
・古い教科書を取っておきたいなら前年度分だけで十分
・工作は一番きれいな時に保存用の写真をとり、数を厳選して保管
このお宅でも一日の作業で不要な物がたくさん出ました。
手放せる物が出てくるのは、子供の成長の証でもあります。「もったいない」という言葉にとらわれすぎずに、上手に手放していきましょう。