子育てファミリーのための
「お金」のレッスン
学校では教えてくれない「お金の基本」や、毎日忙しい子育て世代にこそ知ってほしい「お金の使い道」をレクチャーします!
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子育てファミリーのための
「お金」のレッスン
学校では教えてくれない「お金の基本」や、毎日忙しい子育て世代にこそ知ってほしい「お金の使い道」をレクチャーします!
2015.04.13vol.4
家計診断にいらっしゃる方の中には、妊娠中の方が少なくありません。親になるときが、「お金のことを考える」一つのタイミングになるのでしょう。
谷口慎也さん(仮名)と奥様も、3ヶ月後に待望のご出産予定のご夫婦でした。お子様のご誕生をわくわく楽しみにしながらも、教育費や、今後の家計管理についてご不安な点をご相談にいらっしゃいました。
[ご相談内容]
「出産を予定しているため、その後の教育費や生活費について相談したいです。教育費は、どのように貯めていけばよいでしょうか? ひとまず、学資保険の加入を考えていますが、それ以外の方法なども知りたいです。また、妻が来月に退職し、3歳ぐらいまで働かない予定です。家計管理をしていると、食費などを削ることばかり日々考えてしまっていて、ストレスがたまります。今後どうすればよいでしょうか。」
[家計状況]
まず、教育費についてですが、教育費は大学でかかるお金がピークなため、お子様が小さいときが貯めどきです(第3回コラム参照)。谷口さんのように、お子様が生まれる前から、マネープランを練られると、とても安心ですね。
教育費の貯め方ですが、お子様の進路を公立にするか私立にするかで大きく違いますから、いつまでにいくら貯めるか目標設定をすることが大切です。
ちなみに私は、進路が漠然として、具体的な目標設定ができない方には、大ざっぱですが、高校入学までに300万円の貯蓄目標をお伝えしています。
次に、学資保険や子ども保険に加入される場合は、電卓を出して、「受け取れる金額」の確認をしましょう。それは自分の教育費の目標額と比べてどうでしょうか? 学資保険の中には、中学入学、高校入学時などにお祝い金が出るものがありますから、もらえる金額は満期金だけでなく、途中で受け取れる金額も足しましょう。計算は、電卓さえあれば、自分でも簡単にできますよ。その他、確認したいことは、「満期日」です。保険の加入の時期によって、15歳で満期、18年で満期などのタイプがあります。
そして、もし谷口さんのように、学資保険だけでは心もとないと感じる方は、他の商品も使用しながら、教育費を貯めましょう。銀行等の積立定期や財形貯蓄、また他の積立商品などで、無理なく貯蓄できる金額を設定して始めましょう。
教育費だからといって、商品名に「子ども」や「学資」がつく必要も、保険にこだわる必要もありません。このお金は教育費と決めましょう。そしてできるだけ、子ども名義で貯めるほうがよいでしょう。
車を購入するときなど、まとまったお金が必要なときに、親自身の名義のお金ならば、解約するのに抵抗が薄いです。でももし親が積み立てたお金だとしても、子ども名義の場合なら、車を買うために解約するのは躊躇される可能性が高いです。教育費を守るという意味でも、子ども名義にしておくほうがよいでしょう。
谷口さんの場合は、これから奥さんがご退職をし、毎月貯蓄をするのは難しくなります。とはいえ、今までボーナスのほとんどを、なんとなく使っていたという、どんぶり家計!ご出産を機に、ボーナスをしっかり貯蓄していくことをおすすめします。毎月は、奥様分の収入が減るわけですから、学資保険の貯蓄のみでOKとし、毎月の収支が赤字にならないようにしましょう。
貯蓄のための引き落としをしていても、手元に残る生活費が足りない場合、毎月赤字になりますので、ストレスがたまります。また、貯蓄しているのか分からず管理しづらくなります。お子様が3歳ぐらいまでの時期は、毎月の貯蓄額は少な目に、その分ボーナスで貯蓄するという方針に切り替えましょう。ためたいのは、ストレスではなく、お金ですからね! ご主人の収入のみで家計が成り立つようであれば、きっとその後、奥様の再就職後に、貯蓄のスピードも速まるでしょう。<